31 / 38
第36話 マウイ島2
しおりを挟む
陽気なポリさんのおかげで、「ナカムラさん」という日系3世の人のコテージに泊めてもらう事になった。コテージとは言ってたが、普段は宿泊所としての設備は備えてないようだ。日本で言う民泊のような感じで、宿泊所にあぶれた旅人たちを家族と同じ家に、格安料金で泊めてくれているようでとても親切なご夫婦だ。
翌日、奥さんは早朝から仕事に出かけ、お会いできなかった。一方ご主人は夜間に、ホテルで働いており、朝7時過ぎに帰って来られた。魚釣りが趣味のようで、釣り竿や釣り糸etc.を見せて頂き、魚釣りの話をしてくれた。お2人とも親切な上、話好きの素敵な人であった。
「ナカムラさん」宅をおいとました後、2時間ほどハナの町をぶらついてからヒッチハイクにトライしてみた。ヒッチハイクは北海道でのホステリング以来だ。レンタバイクが無くなった故のトライである。これも旅の醍醐味のうちである。ハナからカフルイまでは約80キロ、結構ある。
2時間ぐらいは海や野の景色を見ながらのんびり歩いていたが、13時過ぎから本気モードに入った。それでも、なかなか停まってくれない。途中から黒犬が付いて来て離れようとしない。カナダのマグダレン島の黒犬を思い出す。北米では、どういう訳か黒犬に好かれるようだ。
ヒッチの成功をほぼ諦めかけて、どっかで又野宿してやろうかと思いつつやけになって歩いていたら、一台の乗用車が一度通り過ぎた後、引き返して来てくれた。若々しい中年の女性1人に二十歳前後の女性4人の超豪華メンバーである。その中の一番元気そうな若い女性が黒犬に車のトランクに乗るように勧めてくれ始めた。私の友達と思ったようだ。
私、即座に
"This is not my Dog."
"Oh, I see."
ここで黒犬とはさよならする事になった。何となく可哀そうなような、寂しいような…。
女性一行はロサンゼルスからの旅行者で、母様に娘3人、娘の友達1人の5人連れ。オアフ島、カウアイ島は既に周っており、明日はハワイ島に行くとの事である。残念ながら、私より1日早い。
それにしても陽気なヤンキー娘たちで、後部座席で隣に座ってくれた元気な娘を中心に、車内でも思い切りはしゃぎ回っていた。その時の私の表情を見て、元気娘は
"We are crazies."
私もつられて
"I think so."
その直後、母親の笑い声。
このパターンが20分後にもう一度あった。
カフルイまで乗せて頂き大助かり。私を降ろした後、またまた引き返して来た。今度は何かなと思ったら、写真を撮るのを忘れるとこだったそうで、私の写真を1枚撮って行った。ハワイから帰った後、友達に話をするときのネタ用であろう。どうせなら一緒に撮って欲しかったが。
彼女たちのお陰で野宿しないで済み大助かりだ。旅先での親切は本当に有難いものである。
カフルイで一泊した後、レンタルショップに預けておいたバックパックの受け取りと清算の為キヘイに行ってきた。
「ナカムラさん」はバイクショップの責任だから、罰金は返してもらえると言ってくれていた。『返さないと言うなら電話してきなさい』とも言ってくれた。
改めて自分に問うてみる。
(果たしてバイクショップだけの責任か⁉)
自分にも落ち度はあった。あの時、店主らしきおやじの表情からして、本当は
(国際免許が必要なのではないか?)
と疑問を感じていた。
でもバイクが使いたかったので敢えて曖昧なままにして借りた。
理屈上はバイクショップの責任だとは思うが、自分の心は双方の責任だと思う。結果としては、「ナカムラさん」とも知り合いになり、自分の旅ができている。罰金は自分だけで良い。
荷物を受け取り、デポジット金と1日分のレンタル料だけ受け取ってきた。
翌日、奥さんは早朝から仕事に出かけ、お会いできなかった。一方ご主人は夜間に、ホテルで働いており、朝7時過ぎに帰って来られた。魚釣りが趣味のようで、釣り竿や釣り糸etc.を見せて頂き、魚釣りの話をしてくれた。お2人とも親切な上、話好きの素敵な人であった。
「ナカムラさん」宅をおいとました後、2時間ほどハナの町をぶらついてからヒッチハイクにトライしてみた。ヒッチハイクは北海道でのホステリング以来だ。レンタバイクが無くなった故のトライである。これも旅の醍醐味のうちである。ハナからカフルイまでは約80キロ、結構ある。
2時間ぐらいは海や野の景色を見ながらのんびり歩いていたが、13時過ぎから本気モードに入った。それでも、なかなか停まってくれない。途中から黒犬が付いて来て離れようとしない。カナダのマグダレン島の黒犬を思い出す。北米では、どういう訳か黒犬に好かれるようだ。
ヒッチの成功をほぼ諦めかけて、どっかで又野宿してやろうかと思いつつやけになって歩いていたら、一台の乗用車が一度通り過ぎた後、引き返して来てくれた。若々しい中年の女性1人に二十歳前後の女性4人の超豪華メンバーである。その中の一番元気そうな若い女性が黒犬に車のトランクに乗るように勧めてくれ始めた。私の友達と思ったようだ。
私、即座に
"This is not my Dog."
"Oh, I see."
ここで黒犬とはさよならする事になった。何となく可哀そうなような、寂しいような…。
女性一行はロサンゼルスからの旅行者で、母様に娘3人、娘の友達1人の5人連れ。オアフ島、カウアイ島は既に周っており、明日はハワイ島に行くとの事である。残念ながら、私より1日早い。
それにしても陽気なヤンキー娘たちで、後部座席で隣に座ってくれた元気な娘を中心に、車内でも思い切りはしゃぎ回っていた。その時の私の表情を見て、元気娘は
"We are crazies."
私もつられて
"I think so."
その直後、母親の笑い声。
このパターンが20分後にもう一度あった。
カフルイまで乗せて頂き大助かり。私を降ろした後、またまた引き返して来た。今度は何かなと思ったら、写真を撮るのを忘れるとこだったそうで、私の写真を1枚撮って行った。ハワイから帰った後、友達に話をするときのネタ用であろう。どうせなら一緒に撮って欲しかったが。
彼女たちのお陰で野宿しないで済み大助かりだ。旅先での親切は本当に有難いものである。
カフルイで一泊した後、レンタルショップに預けておいたバックパックの受け取りと清算の為キヘイに行ってきた。
「ナカムラさん」はバイクショップの責任だから、罰金は返してもらえると言ってくれていた。『返さないと言うなら電話してきなさい』とも言ってくれた。
改めて自分に問うてみる。
(果たしてバイクショップだけの責任か⁉)
自分にも落ち度はあった。あの時、店主らしきおやじの表情からして、本当は
(国際免許が必要なのではないか?)
と疑問を感じていた。
でもバイクが使いたかったので敢えて曖昧なままにして借りた。
理屈上はバイクショップの責任だとは思うが、自分の心は双方の責任だと思う。結果としては、「ナカムラさん」とも知り合いになり、自分の旅ができている。罰金は自分だけで良い。
荷物を受け取り、デポジット金と1日分のレンタル料だけ受け取ってきた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる