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後編
追いかけられる
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「いーーーやーーーーー!!」
「だろう?」
すごい勢いでカサカサと追ってくる大きな黒いヤツ。
私とアルベルトは一緒になって走る。全力で!!
アルテ、アルテ、アルテ! 助けてぇぇぇぇぇ!!
こいつの弱点は火なのよーーーー!! サラマンデルとかげちゃーーーーん!
黒いヤツが何故かどこまでも私達を追ってくる。コイツは近付きたくないから遠くから魔法でやっつけるのがいいんだけど、グリードもいない。一緒に逃げてるアルベルトの得意魔法の属性は光と風!!
「わーーーん、なんで追いかけてくるのーー!!」
そもそも女の子のするゲームにこんなモンスター作らないで下さいよー、運営さん!! 遠くからやっつけてたから気にしてなかったけど、ずんずんせまってくるヤツは恐怖しかない!!
「はははっ、僕たち美味しそうに見えるのかな?」
アルベルトは笑いながら、冷や汗をかいていた。それに心なしか、青い顔をしてる。
あーもう、必死に逃げながらさらっと怖いこと言わないで欲しい。もしかして、さっき言ってた苦手な相手ってコイツのこと? なるほど、嫌だわ!!
でも何故、コイツはこんなに嫌われるんだろう。ただの黒い虫なのに……。そうよ、ただの虫よ!!
チラリと後ろを見る。
「無理ぃぃ!!」
何故かぞくぞくする、その見た目。それが、巨大で、しかもずっと追ってくる。
「アルテアルテアルテーーーーー!!」
あぁ、なんてことでしょう。気がついてしまった。目の前に、いい感じに小石がスタンバってます。
あ、これ、私だけこけるヤツだ。頭で理解が終わると、私は手を十字に切ってその瞬間に向かう。
あ、やっぱやだ。諦めたくない。
「やーーーだーーーーー!!」
涙目で叫ぶと、私の上が暗くなり大きな影が通過する。
「エリナっっ!!」
アルテが跳んで、ヤツに向かって思いっきり炎を纏う大剣を振り下ろす。
ギィィ
大きな声みたいな音が響く。大剣はヤツの頭に当たり、怯んだのか足が止まった。間に合った。
私は安心して、小石に躓く。うん、――痛い。
「エリナ大丈夫か!?」
「だいじょうぶじゃないぃぃ。うぃんでぃーねー」
私はウィンディーネを呼んでこけた怪我を治す。
「何?! アルベルト! お前、エリナに何をした!」
あ、ヤバい。勘違いしちゃった? 私は、急いで説明しようとする。あれ、でも何て言えばいいんだろう? この状況でワタワタしているのに、えっと、えっと。必死に頭を捻るがヤツが目にはいって集中出来ない。
「あ、違うの、あのね――」
「事と次第によっては、コイツが終わったあとお前も焼いてやる!」
「あー、もうーー!」
ポカンとしているアルベルトは、ヤツから一定の距離をとりながら、はははっと笑っていた。
「だろう?」
すごい勢いでカサカサと追ってくる大きな黒いヤツ。
私とアルベルトは一緒になって走る。全力で!!
アルテ、アルテ、アルテ! 助けてぇぇぇぇぇ!!
こいつの弱点は火なのよーーーー!! サラマンデルとかげちゃーーーーん!
黒いヤツが何故かどこまでも私達を追ってくる。コイツは近付きたくないから遠くから魔法でやっつけるのがいいんだけど、グリードもいない。一緒に逃げてるアルベルトの得意魔法の属性は光と風!!
「わーーーん、なんで追いかけてくるのーー!!」
そもそも女の子のするゲームにこんなモンスター作らないで下さいよー、運営さん!! 遠くからやっつけてたから気にしてなかったけど、ずんずんせまってくるヤツは恐怖しかない!!
「はははっ、僕たち美味しそうに見えるのかな?」
アルベルトは笑いながら、冷や汗をかいていた。それに心なしか、青い顔をしてる。
あーもう、必死に逃げながらさらっと怖いこと言わないで欲しい。もしかして、さっき言ってた苦手な相手ってコイツのこと? なるほど、嫌だわ!!
でも何故、コイツはこんなに嫌われるんだろう。ただの黒い虫なのに……。そうよ、ただの虫よ!!
チラリと後ろを見る。
「無理ぃぃ!!」
何故かぞくぞくする、その見た目。それが、巨大で、しかもずっと追ってくる。
「アルテアルテアルテーーーーー!!」
あぁ、なんてことでしょう。気がついてしまった。目の前に、いい感じに小石がスタンバってます。
あ、これ、私だけこけるヤツだ。頭で理解が終わると、私は手を十字に切ってその瞬間に向かう。
あ、やっぱやだ。諦めたくない。
「やーーーだーーーーー!!」
涙目で叫ぶと、私の上が暗くなり大きな影が通過する。
「エリナっっ!!」
アルテが跳んで、ヤツに向かって思いっきり炎を纏う大剣を振り下ろす。
ギィィ
大きな声みたいな音が響く。大剣はヤツの頭に当たり、怯んだのか足が止まった。間に合った。
私は安心して、小石に躓く。うん、――痛い。
「エリナ大丈夫か!?」
「だいじょうぶじゃないぃぃ。うぃんでぃーねー」
私はウィンディーネを呼んでこけた怪我を治す。
「何?! アルベルト! お前、エリナに何をした!」
あ、ヤバい。勘違いしちゃった? 私は、急いで説明しようとする。あれ、でも何て言えばいいんだろう? この状況でワタワタしているのに、えっと、えっと。必死に頭を捻るがヤツが目にはいって集中出来ない。
「あ、違うの、あのね――」
「事と次第によっては、コイツが終わったあとお前も焼いてやる!」
「あー、もうーー!」
ポカンとしているアルベルトは、ヤツから一定の距離をとりながら、はははっと笑っていた。
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