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第二章 赤の瞳と金の瞳
第102話 果たせない約束と結んだ約束
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「何回目の時やったかなぁ」
青い竜は来た時のように私に風が当たらないようにする魔法をかけた後、話し出した。
「オレより先にダガーが気付いたんや。アメリアも生まれ変わっとる事に。竜に食べられた事によって、竜と同じ質になったのかもしれん。まあ、奇跡や言うて喜んどった。たぶん一人目の時は記憶が残っとった。赤い瞳やなかったけど、オレ達を見てすぐにわかってくれた。なんや大掛かりな竜魔道具を作る言うからおらんブレイド以外の竜で集まって手伝ったんや」
え、それってまさか……。いやいや、そんな偶然あるのかな。
私はハヘラータの鍵の王、彼女の作った竜魔道具を思い浮かべていた。
「その次はオレらを見ても気付いてもらえんかった。悲しいけど、それなりに近くで見守っとった。瘴気が彼女を殺すまで……。それから何度目か、覚えとったり忘れとったりして、忘れとった時やな。瘴気から彼女を助けるために目の前で竜の姿になったんや。化け物言われてえらいビビらせてもうてなぁ」
はぁーとスピアーが再びため息を吐いた。大好きな人からそう言われたらどれほどつらいか。自分に置き換えて考えると心がぎゅっとなった。思い出したくないって言って当然だ。
「ごめんなさい」
私が謝ると、スピアーはなんでエマちゃんが謝るねんと言って小さく笑いながら続けた。
「ダガーはそれでもアメリアを守る言うて、頑張っとった。赤い瞳やないから食べてほしいって言われんのはわかっとるのになぁ。もし自分よりはやく次を見つけた時は教え合おう。他のヤツは信じられんけどオレだけは信じる言うてな。オレもライバルやのに、アホやなぁ。それでオレもアホやから飲んでもうた。次に赤い瞳のアメリアが生まれたら瘴気や他のヤツから守る。食べるのはお願いされた方やって」
私は、んっと首を捻った。約束のわりに黒竜も青竜も最初私食べようとしてなかった? どっちも未遂だけど。私の表情から読み取ったのかスピアーは笑った。
「最初のアレはな、確かめる為に顔を近付けたんや。食べるつもりはなかったで――。ものすごい匂いの向こう側にやっとあるってわかるくらいの匂いやったからなぁ。アイツも自信がないから確かめてくる言うてたのに、ブレイドのとこにおるってわかって血がのぼってもうてなぁ。ほんま、あの時はややこしかったわ」
スピアーはすんっと鼻を鳴らし顔を近付けてくる。
「フレイルが匂いを誤魔化す為になんか盛っとったんかもなぁ。一番先に気がついたんがオレらやないと、こうなるかもってダガーはわかっとったんやろうなぁ」
「く、臭くないもん……」
思い出してちょっと凹んだ。
「うん、もう臭ない。ええ匂いやで。って、あっつぅーー!?」
スピアーが尻尾を持ち上げる。
「すまない」
「いや、ブレイド! おまっ、オレの大事な尻尾焦がしてすまんですむかっ! 無意識やったとしても許さんぞ」
「エマに近付きすぎだったから……」
「わざとか? わざとなんかっ!?」
「いや、だからすまないと」
「すまんですむかぁぁぁぁ」
涙目で尻尾をふーふーするスピアーを見て、悪いなと思いながら私は笑ってしまった。
「ありがとう、私の事じゃないけど。いっぱい守ってきてくれたんだね。お疲れさま」
私はスピアーの尻尾が治るように竜魔石で魔法をかけた。
その後、つい焦がしてしまったらしいブレイドの背中を手でポンポンと撫でた。
瘴気の壁が見える。もう少しで帰りつく。
「んん、なんかおかしいで……」
「ん? おかしい?」
「瘴気が、出続けとる」
「え!?」
ブレイドの速度があがる。私はスピアーに腕を掴まれて固定させられた。
「どのあたりだ!?」
「城から南に下ったとこや。フレイルでもわかる距離やと思うが――」
もしかして、同時に出たとか? それとも何か問題が起きた?
考えたってわからない。落ちないようにブレイドにぎゅっと掴まり、その場につくのを待った。
青い竜は来た時のように私に風が当たらないようにする魔法をかけた後、話し出した。
「オレより先にダガーが気付いたんや。アメリアも生まれ変わっとる事に。竜に食べられた事によって、竜と同じ質になったのかもしれん。まあ、奇跡や言うて喜んどった。たぶん一人目の時は記憶が残っとった。赤い瞳やなかったけど、オレ達を見てすぐにわかってくれた。なんや大掛かりな竜魔道具を作る言うからおらんブレイド以外の竜で集まって手伝ったんや」
え、それってまさか……。いやいや、そんな偶然あるのかな。
私はハヘラータの鍵の王、彼女の作った竜魔道具を思い浮かべていた。
「その次はオレらを見ても気付いてもらえんかった。悲しいけど、それなりに近くで見守っとった。瘴気が彼女を殺すまで……。それから何度目か、覚えとったり忘れとったりして、忘れとった時やな。瘴気から彼女を助けるために目の前で竜の姿になったんや。化け物言われてえらいビビらせてもうてなぁ」
はぁーとスピアーが再びため息を吐いた。大好きな人からそう言われたらどれほどつらいか。自分に置き換えて考えると心がぎゅっとなった。思い出したくないって言って当然だ。
「ごめんなさい」
私が謝ると、スピアーはなんでエマちゃんが謝るねんと言って小さく笑いながら続けた。
「ダガーはそれでもアメリアを守る言うて、頑張っとった。赤い瞳やないから食べてほしいって言われんのはわかっとるのになぁ。もし自分よりはやく次を見つけた時は教え合おう。他のヤツは信じられんけどオレだけは信じる言うてな。オレもライバルやのに、アホやなぁ。それでオレもアホやから飲んでもうた。次に赤い瞳のアメリアが生まれたら瘴気や他のヤツから守る。食べるのはお願いされた方やって」
私は、んっと首を捻った。約束のわりに黒竜も青竜も最初私食べようとしてなかった? どっちも未遂だけど。私の表情から読み取ったのかスピアーは笑った。
「最初のアレはな、確かめる為に顔を近付けたんや。食べるつもりはなかったで――。ものすごい匂いの向こう側にやっとあるってわかるくらいの匂いやったからなぁ。アイツも自信がないから確かめてくる言うてたのに、ブレイドのとこにおるってわかって血がのぼってもうてなぁ。ほんま、あの時はややこしかったわ」
スピアーはすんっと鼻を鳴らし顔を近付けてくる。
「フレイルが匂いを誤魔化す為になんか盛っとったんかもなぁ。一番先に気がついたんがオレらやないと、こうなるかもってダガーはわかっとったんやろうなぁ」
「く、臭くないもん……」
思い出してちょっと凹んだ。
「うん、もう臭ない。ええ匂いやで。って、あっつぅーー!?」
スピアーが尻尾を持ち上げる。
「すまない」
「いや、ブレイド! おまっ、オレの大事な尻尾焦がしてすまんですむかっ! 無意識やったとしても許さんぞ」
「エマに近付きすぎだったから……」
「わざとか? わざとなんかっ!?」
「いや、だからすまないと」
「すまんですむかぁぁぁぁ」
涙目で尻尾をふーふーするスピアーを見て、悪いなと思いながら私は笑ってしまった。
「ありがとう、私の事じゃないけど。いっぱい守ってきてくれたんだね。お疲れさま」
私はスピアーの尻尾が治るように竜魔石で魔法をかけた。
その後、つい焦がしてしまったらしいブレイドの背中を手でポンポンと撫でた。
瘴気の壁が見える。もう少しで帰りつく。
「んん、なんかおかしいで……」
「ん? おかしい?」
「瘴気が、出続けとる」
「え!?」
ブレイドの速度があがる。私はスピアーに腕を掴まれて固定させられた。
「どのあたりだ!?」
「城から南に下ったとこや。フレイルでもわかる距離やと思うが――」
もしかして、同時に出たとか? それとも何か問題が起きた?
考えたってわからない。落ちないようにブレイドにぎゅっと掴まり、その場につくのを待った。
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