Vの世界で理想の美少女やってたら、幼なじみに見られた……俺。

花月夜れん

文字の大きさ
7 / 94

女の子を観察する、そして見られてた俺

しおりを挟む
「むひゅぁえ、ふはぁてふはふあ」
「むぅぁーむぁい」

 何故、それで通じるんだ。彼女達はお菓子を食べながらゲームをしている。配信はまだ開始していない。今日は、俺がやっていないゲームをするそうなので、先に操作方法を教えてくれているのだ。
 イケメンが剣で無双むそうするゲーム。名前は聞いたことがある。超闘剣とうけんLOVE無双だっけか。
 似たような無双系をしたことがあるので、彼女達の説明の言葉が理解できなくてもすぐに出来そうだ。

「わぁっわ?」
「ひゅへるひょえ?」
「ごめん、正直わからないから、飲み込んでから話して。あと、これ系ならやったことあるから大丈夫」

 ごくんと飲み込む音がして、二人がごめんごめんと謝ってきた。

「お兄ちゃんは、ゲームに入ると女の子のふりとか出来ないから巻き込めないなぁ」
「その点、樹君はどこからどう見ても可愛い女の子なので」

 何か言われている。

「いいなぁ、楽しそうで。私も薫君連れてきたいなぁ」
「でも、彼はゲーム苦手なんでしょう?」
「そうなんだよね」

 どうやら、ユイさんのお兄さんはゲームが出来るが、俺のような演じ分けが出来ず、たぶん彼女の彼氏であろう相手はゲームが苦手という話だろうか。
 俺の仲間が増える道はないようだ……。

「じゃあ、起動しよっか!」
「おっけー。私のアバターって注文通りにしてくれた?」
「もっちろん」

 そう言って、マキちゃんは配信の用意を始める。
 ユイさんのアバターはキラキラした金色の髪と少し緑色の入った青色の瞳。頭に垂れた犬耳とティアラを着けたお姫様風だった。フリフリしたスカートが可愛い。すごく女の子という感じだ。

「ありがとう! 可愛い!」
「元キャラも可愛いもんね」
「そうそう。大好きな縁結びの女神ちゃんなんだ」

 どうやら、この犬耳お姫様には元キャラがいるらしい。それにしても、女子の会話は正直わからない事だらけだ。急にあちこち飛んでいる気がするが、きちんと話が繋がってくる。
 これくらいで動揺どうようしてはいけないな。究極の女の子を演じる為には、女子を観察する必要がある。そうか、これは俺のミツキちゃんを成長させるための試練。

「ミツキちゃん、はじめるよー?」
「あ、はいにゃーん」
「すごいね、本当に可愛いし、すぐキャラになりきってる。これじゃあ、わかんないね! 絶対私も騙される! 昨日のだって、女の子だとばかり、思ってたし」

 昨日の配信を見られていたのか……。

「撫でたくなる気持ちわかる」

 うんうんと、二人で頷きあう。あの、俺、男の子です――。

「私は、メイちゃんって呼んでね! 国が嫌で飛び出してきた犬耳家出姫って設定だから」

 ユイさんが、アバターの動きを確かめながら、俺に声をかけてきたのでこくりと頷いておいた。

「それじゃあ、今日もはっじめっるよー! 3,2,1スタート!」

 ナミのいない今日は、足をひっぱる人がいないものすごくスムーズな配信になった。
 ただ、受けはナミが居た方が良かったという結果だった。
 あの無限地獄の方が、いいとか何でだ?
 俺は考えた。そうか、応援したくなるんだ。失敗して、失敗して、それでも立ち向かう姿が、視聴者から受けたんだろう。
 ただただ、普通にクリアするだけでは、頑張れって言えなくなるもんな。
 そういえば、最近応援が減っていたのは確かだった。始めた頃の方が、応援してもらえていた気がする。

「ミツキちゃん、お疲れ様」
「お疲れ様です」

 ちゅっとおでこにキスをされた。あいだに五ミリほどの空気の層があったけれど、画面上ではキスしている様に映される。
 そんなことより、胸だ。シャツの向こうにうっすら透ける青色の花柄。しっかりとそこにあるふくらみ。
 俺は目がそこに集中してしまう。

「マサキ君、ずるいですー! メイにもご褒美ほうび下さいよー」
「ごめん、ごめん。メイちゃんにはこれで」

 すっと離れていくいい匂いのするマキちゃんの体。
 もう少し、ここにいて欲しい。そう思いながら、俺はドキドキなりっぱなしの心臓をぎゅっとおさえた。

「姫をお守りするのは騎士のつとめ」

 ユイさんの手をとり、甲にちゅっとさっきのようなエアーサンドキスをしていた。
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

出逢いがしらに恋をして 〜一目惚れした超イケメンが今日から上司になりました〜

泉南佳那
恋愛
高橋ひよりは25歳の会社員。 ある朝、遅刻寸前で乗った会社のエレベーターで見知らぬ男性とふたりになる。 モデルと見まごうほど超美形のその人は、その日、本社から移動してきた ひよりの上司だった。 彼、宮沢ジュリアーノは29歳。日伊ハーフの気鋭のプロジェクト・マネージャー。 彼に一目惚れしたひよりだが、彼には本社重役の娘で会社で一番の美人、鈴木亜矢美の花婿候補との噂が……

イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について

のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。 だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。 「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」 ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。 だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。 その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!? 仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、 「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」 「中の人、彼氏か?」 視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!? しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して―― 同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!? 「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」 代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています

浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】 ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!? 激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。 目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。 もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。 セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。 戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。 けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。 「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの? これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、 ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。 ※小説家になろうにも掲載中です。

(完結)あざとかった私が転生し皇太子と出会ったら違う物語が始まった件

チョコパイ
恋愛
キラキラあざと女子として、ちやほやされてきた医大生の長岡涼子21歳。 男友達とのデートの途中、 その男友達に片思いしている子に階段から突き落とされてしまう。 目覚めたら そこは友達が貸してくれた 恋愛小説「青空を信じて」 の世界だった。 「青空を信じて」は 皇太子イシードと、子爵令嬢シャルロットの身分違いの恋物語だ。 そして私はシャルロットの 友人役、アマリリスに転生していた。 アマリリスはひたすらシャルロットに尽くし、最終的に皇太子に片思いしていた隣国の王女にシャルロットと勘違いされ殺されてしまう。 冗談じゃないわ。 前世も勘違いで殺されたのに、またもや勘違いで殺されるなんて…… だから、懸命に努力して 物語をきれいにスルーしたはずなのに 目の前には跪く皇太子が、 私、これからどうすればいいの!!

「25歳OL、異世界で年上公爵の甘々保護対象に!? 〜女神ルミエール様の悪戯〜」

透子(とおるこ)
恋愛
25歳OL・佐神ミレイは、仕事も恋も完璧にこなす美人女子。しかし本当は、年上の男性に甘やかされたい願望を密かに抱いていた。 そんな彼女の前に現れたのは、気まぐれな女神ルミエール。理由も告げず、ミレイを異世界アルデリア王国の公爵家へ転移させる。そこには恐ろしく気難しいと評判の45歳独身公爵・アレクセイが待っていた。 最初は恐怖を覚えるミレイだったが、公爵の手厚い保護に触れ、次第に心を許す。やがて彼女は甘く溺愛される日々に――。 仕事も恋も頑張るOLが、異世界で年上公爵にゴロニャン♡ 甘くて胸キュンなラブストーリー、開幕! ---

推しの幸せをお願いしたら異世界に飛ばされた件について

あかね
恋愛
いつも推しは不遇で、現在の推しの死亡フラグを年末の雑誌で立てられたので、新年に神社で推しの幸せをお願いしたら、翌日異世界に飛ばされた話。無事、推しとは会えましたが、同居とか無理じゃないですか。

処理中です...