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心の傷が疼く俺
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学校が終わり鞄に荷物をつめ終える。ふと顔をあげるとマリヤが何も言わずに一人出ていくのが見えた。
「樹、帰ろうぜ。あれ、マリヤさんは?」
「ごめん、ユウキ。俺ちょっと用事があったの忘れてた。先帰っといてくれ」
「え、なんで」
マリヤの席に鞄があったのが見えた。ユウキもそれを見たのか無言でスマホを取り出していた。
「違うからなっ」
「いってらっしゃーい」
なんて送るつもりか今は気にしてる場合じゃない気がして、俺はそれ以上何も言わずに駆け出す。
とりあえず階段に……、いた。
人の流れにのってマリヤが階段をおりていくのが見えた。
声かけるか?
なんでもないのかもしれないけれど、マキちゃんのことも気がつかなかった俺だから。あの時マリヤは私は何もないよと言っていたけれど、隣でナミが何か言いたげだった。
「マリヤ……さ……」
声をかけようとした時、マリヤがぺこりとお辞儀した。その相手は、この前俺に近付くなと言ってきた男、菊谷学だった。
俺はそのまま少し離れて様子をうかがった。
本気でいくつもりなのか? なら俺は邪魔しちゃ悪いか?
◇
なんて思っていたけど気がつけば俺は人気のない絶好の告白場所までついてきてしまった。
「私に用事っていったい何でしょうか? えっと菊谷さんでしたっけ」
マリヤは菊谷に問いかける。
「川井さん、僕はあなたが好きです」
うぉ、まじ告白じゃないか。これは俺ここにいちゃダメじゃね?
そろーっと足を動かしその場から去ろうとするとマリヤのきっぱりした返事が聞こえてしまった。
「ごめんなさい。マリヤ、好きな人がいるの」
菊谷はほんの少しの間言葉につまった。
「……知っています。ただ、彼とマリヤさんは似合わないと思います。それに――彼にはもう」
「言わないで……」
マリヤが菊谷を制する。
「わかってるけどマリヤは好きだから」
自分は何度もフラれているからわかるけれど、つらい。他人がフラれる場面なんて聞きたくないなぁ。
「彼はゲームばっかりするようなオタクだし」
「知ってる」
ん? んん?
「可愛い女の子と一緒にいるし」
「……知ってるよ」
ん? ん゛?
「僕はマリヤさんだけを愛しますから! ダメですか?」
「ごめんなさい」
あーっ!! 心の傷が痛い。はっきり言ってくれるのはいいんだけど、やっぱクルなぁ。ごめんなさいは。
まあ、他人なんだけどさ。
俺はこれ以上聞かないように足をもう一度動かしだした。
が
「彼とマリヤさんの秘密をばらすと言ってもですか?」
ドクンと心臓がなる。まさか、そんなはずはないと思うが足が止まった。
「何の事ですか? 私には秘密なんて何もない。彼には気持ちだって伝えてる……」
「マリヤさん、あなたは――」
雲行きが怪しくなってきた。俺はマリヤ達の方へ向きなおそうとした時だった。
「マリヤに何のようだ?」
背の高いヤツが反対側から飛び出してきた。その男の細い黒髪がふわりと揺れる。
「マサユキ!!」
どうやらマリヤの知り合いらしい。マリヤが名前を呼んだ。
ん、マサユキ? 何だか懐かしい響きだった。
「樹、帰ろうぜ。あれ、マリヤさんは?」
「ごめん、ユウキ。俺ちょっと用事があったの忘れてた。先帰っといてくれ」
「え、なんで」
マリヤの席に鞄があったのが見えた。ユウキもそれを見たのか無言でスマホを取り出していた。
「違うからなっ」
「いってらっしゃーい」
なんて送るつもりか今は気にしてる場合じゃない気がして、俺はそれ以上何も言わずに駆け出す。
とりあえず階段に……、いた。
人の流れにのってマリヤが階段をおりていくのが見えた。
声かけるか?
なんでもないのかもしれないけれど、マキちゃんのことも気がつかなかった俺だから。あの時マリヤは私は何もないよと言っていたけれど、隣でナミが何か言いたげだった。
「マリヤ……さ……」
声をかけようとした時、マリヤがぺこりとお辞儀した。その相手は、この前俺に近付くなと言ってきた男、菊谷学だった。
俺はそのまま少し離れて様子をうかがった。
本気でいくつもりなのか? なら俺は邪魔しちゃ悪いか?
◇
なんて思っていたけど気がつけば俺は人気のない絶好の告白場所までついてきてしまった。
「私に用事っていったい何でしょうか? えっと菊谷さんでしたっけ」
マリヤは菊谷に問いかける。
「川井さん、僕はあなたが好きです」
うぉ、まじ告白じゃないか。これは俺ここにいちゃダメじゃね?
そろーっと足を動かしその場から去ろうとするとマリヤのきっぱりした返事が聞こえてしまった。
「ごめんなさい。マリヤ、好きな人がいるの」
菊谷はほんの少しの間言葉につまった。
「……知っています。ただ、彼とマリヤさんは似合わないと思います。それに――彼にはもう」
「言わないで……」
マリヤが菊谷を制する。
「わかってるけどマリヤは好きだから」
自分は何度もフラれているからわかるけれど、つらい。他人がフラれる場面なんて聞きたくないなぁ。
「彼はゲームばっかりするようなオタクだし」
「知ってる」
ん? んん?
「可愛い女の子と一緒にいるし」
「……知ってるよ」
ん? ん゛?
「僕はマリヤさんだけを愛しますから! ダメですか?」
「ごめんなさい」
あーっ!! 心の傷が痛い。はっきり言ってくれるのはいいんだけど、やっぱクルなぁ。ごめんなさいは。
まあ、他人なんだけどさ。
俺はこれ以上聞かないように足をもう一度動かしだした。
が
「彼とマリヤさんの秘密をばらすと言ってもですか?」
ドクンと心臓がなる。まさか、そんなはずはないと思うが足が止まった。
「何の事ですか? 私には秘密なんて何もない。彼には気持ちだって伝えてる……」
「マリヤさん、あなたは――」
雲行きが怪しくなってきた。俺はマリヤ達の方へ向きなおそうとした時だった。
「マリヤに何のようだ?」
背の高いヤツが反対側から飛び出してきた。その男の細い黒髪がふわりと揺れる。
「マサユキ!!」
どうやらマリヤの知り合いらしい。マリヤが名前を呼んだ。
ん、マサユキ? 何だか懐かしい響きだった。
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