Vの世界で理想の美少女やってたら、幼なじみに見られた……俺。

花月夜れん

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悩める俺

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「あれ……」
「ん?」

 あそこに見えるは菊谷と鵜川。
 お、いい雰囲気じゃないか? ユウキにこそりと話す。
 鵜川が頬を赤くしながら菊谷に話しかけていた。なんだやっぱり菊谷の方がいいよな。うん、お似合いじゃないか? これで菊谷もミツキから卒業かぁ。俺はグッドラックと一人のファンを送り出す。正直ファンといってもリアルが近すぎて色々めんどくさい。なので、卒業してもらえれば助かる。非常に助かる。だから、頑張れ鵜川!!

「あれは……」
「ん、何だよ。ユウキ」
「いや、恋する女の子の顔だが、……」

 なんだよ、焦らすなよ。イケメンと美女のカップルだぞ。いいじゃないか。あ、そうか! ユウキはリア充地獄に落ちて欲しい派だったか。

「おーい、菊谷ぁ!!」

 おい、ユウキぃ!! 何邪魔してくれてるんだ。お前ぇぇ!

「何してるんだよ。ユウキ、いくらリア充地獄に落ちろと思っててもやっていいことと悪いことが――」

 ほら、見ろ! 鵜川がこっちに気がついたとたん逃げたじゃないか。かわいそうに。

「お、七瀬、遠坂」
「何話してたんだ?」
「いや、えっと」

 歯切れが悪いな。聞いてやるなよ、ユウキ。

「秘密は守ったぜ!」

 突然、何かを言い出す菊谷。秘密……?

「あときちんと伝えておいたから! 安心してくれ!」

 いや、待て。いったい何を持って安心しろと言うんだ? 不安しかないんだが。

「菊谷、ちょっと」

 俺はこそこそと菊谷と話す為、ユウキと距離をとった。

「お前いったい何を言ったんだ?」
「え――、遠坂には好きな女性がいるよって教えただけだけど」
「なんで、俺!?」
「え、遠坂の事知りたいって言われたから、あー、きたかって思って」
「いや、菊谷、お前だろ?」
「僕ではない! もし僕だった場合は瞬間ごめんなさいをする! 彼女の為に」

 自信満々だが、それでいいのか? 菊谷よ。お前、男だっていってるバーチャル女子だぞ? 付き合うなんて出来ないからな? つか、絶対にそんな事するつもりはないからな? 中身俺だし!!

「ぐ、そんなにミツキの事を」
「愛してます」

 ぐふ。俺は大ダメージをくらいながら続ける。

「わかった。お前の気持ちは――」

 だから、もういいからどっか行けと俺は菊谷に手で意思表示したつもりだったんだ……。

「それじゃあ、また明日」
「お……ぅ」

 また明日も会わないとなのか。そうだよな、クラスメイトだし逃げようがなかった。

「な、鵜川あやみは樹の事が気になってただろ」
「聞いてたのかよ」
「声でけーよ」

 笑いながらユウキが言ってくる。
 この場合どうすりゃいいんだ? 俺が直接告白されたわけじゃないのに断りにいくのもあれだよな。

「樹、両方からフラれていいぞ」

 笑いながら(略)。誰がマキちゃんを裏切るかっての。

「俺の心は決まっている!」
「鵜川、かわいそうにー。あんなに健気に変身したのになぁ、樹の為に」
「おい、ユウキ」
「なんだ、樹」
「あとでナミにい――」
「すんませんでした! おにいさーん!」
「誰がおにいさーんだ!!」

 とりあえず、保留でいいよな。で、直接来た時にきっぱり言えばいいよな。
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