私は聖女じゃない?じゃあいったい、何ですか?

花月夜れん

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第一章・光の精霊の国

14話・ルーシー

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 ピチュピチュ

 小鳥さんが元気に鳴いています。呼び出されて二回目の朝です。

 昨日は、怖くて聞くに聞けなくなったけれど、結局ライトは幽霊じゃなくてたまたま侍女さんが見たタイミングとライトがいなくなったタイミングが同じだったと勝手に頭の中で決着を着けた。
 だって、あんなにはっきりくっきり見えていたし! 足だってしっかり見たしね! 何故か裸足はだしだったけど……。
 それに彼は、またねって言っていた。きっと、また会えるよね。

「おはようございます。リサ様。お手伝いすることはありますか?」

 侍女のルーシーが声をかけてくれた。紅茶をとても上手にいれてくれた人だ。身長は私と同じくらいかな? 茶色の髪をくるりと巻いて後ろでお団子にしている。

「あ、はい。おはようございます。着替えを手伝ってもらえますか?」

 今日も、私のお洋服たちはまだ戻ってきていない。と、いうことは手伝ってもらうしかない。

「こちらなら、動きやすいと思いますよ?」

 そういって、ルーシーは昨日着ていたデザインと似た物を持ってきてくれた。

「私の服、まだ返ってきませんか?」
「そうですね、明日には戻ってくると思いますが、聞いておきましょうか?」
「はい、お願いします」

 ただ、戻ってきても一着だけだから、結局は何日かに一回しか着れないのだけども。

 コンコン

「リサちゃん起きてる? 一緒に、朝食、食べに行こう!」
「はい、今行きます!」

 アリスが来たので急いで、そでを通して背中の留め具をとめてもらう。
 手早く、髪にブラシをしてもらって、綺麗なアップにまとめてもらった。

「行ってらっしゃいませ」

 そう言い、ルーシーはお辞儀をして下がっていった。なんだか、顔が嬉しそうだったのはなんでかしら?

「それはねー、たぶんボクにお嫁さんが来たからじゃないかなぁ?」
「ふぇ?」

 変な声が出る。あれ、私のせい?

「ボクは第二王子だから、まず、兄上よりも結婚相手として見劣りするし、かといって、微妙な人をお嫁さんに出来ないでしょ? 難しくて相手がいなかったんだよね。好きな人もいなかったし」

 にこっとこっちを向かれても……。

「リサちゃんのお世話が出来て嬉しいんじゃないかなぁ」
「そうなのかなぁ?」

 うちに帰還できるまでの契約だから、少し心苦しいな。

「彼女、髪を結うのが上手なんだよ! でも、ボクの髪は流石さすがいじれないでしょ? だから、とっても綺麗なリサちゃんの髪を結えて楽しいと思うよ!」

 そういって、綺麗にアップしてもらったところを触れるか触れないかわからないくらい優しく撫でられた。

「よく、似合ってるよ」

 ふにゃりと笑って、めてくれた。
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