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第一章・光の精霊の国
34話・メリエル
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あれ、この声って……。すごく聞き覚えが、というか朝聞いたあの聞いてはいけないかもしれない会話の女の子の声!!
「メリエ、もう少し静かに入ってきてくれないかな?」
あ、どこかで聞いたセリフ。
「あら、私とても静かに入ってきたと思いますけれど?」
え、これで静かなんだ……。普段どんな入場の仕方なのか、すごく気になる。
はぁ、とため息をしながらアリスは頬杖をついた。
「それで、ですねって、あなた誰ですの?」
あ、いま私の存在認識されたんだ。
「あ、わた……」
「あら、失礼私の名前はメリエルですの。名前を聞くならば先に名乗らないとですわね」
「はぁ……」
「で、あなたのお名前は?!」
「あ、リサです」
「アッリサさん?」
「リサです……」
プッと吹き出す声が聞こえたのはたぶん気のせいじゃない。
「そう、リサさんとおっしゃるのですのね。私今からアリスト様と大事な話をしますので席を外して下さる?」
少し潤んだ紫水晶のような瞳でじとりと睨み付けられ、私は後ずさってしまう。
「ボクはリサちゃんと先に話していたんだよ。席を外すのはメリエ、君のほうだ」
アリスの少しきつい物言いで、驚愕の表情を浮かべたメリエルは、堪えきれなくなったのか綺麗な紫の瞳からぽろぽろぽろと大粒の雫になった涙を流した。
「アリスト様まで、……婚約者の私がこんなに苦しんでいるというのに……どうしてっ!!」
うわーんと、恥ずかしげもなくメリエルは泣き出してしまった。
あ、あのやっぱり私、ちょっと居づらいので逃げてもいいでしょうか……。つい、つい、ついと横移動を続けていると、こちらをじっと見ていたのかアリスとバッチリ目があった。
「はい、リサちゃんは逃げないの。メリエもややこしいから、言い方、気をつけてね。君は兄上の婚約者でしょ!」
……えぇーーーーーーーー!?
ーーー
「改めて、自己紹介いたしますわ。私、メリエル・ノゥンスタンド。第1王子カトル殿下の婚約者ですわ」
こすったせいで少し赤くなった目と鼻でメリエルは自己紹介を始める。まだぐしゅぐしゅと鼻をすすっているが、涙はなんとかとまったようだ。
「あと、リサちゃんはボクの婚約者だからね」
「あら、それじゃあ……」
じろじろと見られるのは品定めですか?!
「私達、将来は義理の姉妹ですわね!!」
!?
確かに結婚すれば、そうかもしれないけど。婚約者だし。このまま帰れなかったら……。
あぁ、それにしても、そっかメリエルはアリスの婚約者じゃないんだ。
どこかほっとしている自分がいることに私は少し戸惑った。
「メリエ、もう少し静かに入ってきてくれないかな?」
あ、どこかで聞いたセリフ。
「あら、私とても静かに入ってきたと思いますけれど?」
え、これで静かなんだ……。普段どんな入場の仕方なのか、すごく気になる。
はぁ、とため息をしながらアリスは頬杖をついた。
「それで、ですねって、あなた誰ですの?」
あ、いま私の存在認識されたんだ。
「あ、わた……」
「あら、失礼私の名前はメリエルですの。名前を聞くならば先に名乗らないとですわね」
「はぁ……」
「で、あなたのお名前は?!」
「あ、リサです」
「アッリサさん?」
「リサです……」
プッと吹き出す声が聞こえたのはたぶん気のせいじゃない。
「そう、リサさんとおっしゃるのですのね。私今からアリスト様と大事な話をしますので席を外して下さる?」
少し潤んだ紫水晶のような瞳でじとりと睨み付けられ、私は後ずさってしまう。
「ボクはリサちゃんと先に話していたんだよ。席を外すのはメリエ、君のほうだ」
アリスの少しきつい物言いで、驚愕の表情を浮かべたメリエルは、堪えきれなくなったのか綺麗な紫の瞳からぽろぽろぽろと大粒の雫になった涙を流した。
「アリスト様まで、……婚約者の私がこんなに苦しんでいるというのに……どうしてっ!!」
うわーんと、恥ずかしげもなくメリエルは泣き出してしまった。
あ、あのやっぱり私、ちょっと居づらいので逃げてもいいでしょうか……。つい、つい、ついと横移動を続けていると、こちらをじっと見ていたのかアリスとバッチリ目があった。
「はい、リサちゃんは逃げないの。メリエもややこしいから、言い方、気をつけてね。君は兄上の婚約者でしょ!」
……えぇーーーーーーーー!?
ーーー
「改めて、自己紹介いたしますわ。私、メリエル・ノゥンスタンド。第1王子カトル殿下の婚約者ですわ」
こすったせいで少し赤くなった目と鼻でメリエルは自己紹介を始める。まだぐしゅぐしゅと鼻をすすっているが、涙はなんとかとまったようだ。
「あと、リサちゃんはボクの婚約者だからね」
「あら、それじゃあ……」
じろじろと見られるのは品定めですか?!
「私達、将来は義理の姉妹ですわね!!」
!?
確かに結婚すれば、そうかもしれないけど。婚約者だし。このまま帰れなかったら……。
あぁ、それにしても、そっかメリエルはアリスの婚約者じゃないんだ。
どこかほっとしている自分がいることに私は少し戸惑った。
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