私は聖女じゃない?じゃあいったい、何ですか?

花月夜れん

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第一章・光の精霊の国

37話・契約の指輪

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「どうしたの?」

 アリスが不思議そうな顔をしている。
 そうだった、ライトが見えないようにミニライト達もアリスには見えてないんだ。

「ここに小さいライトがいるの」
「小さい?」

 コクンと頷く。

「何かいってるの?」
「契約しようって」

 ピクリと契約という言葉にアリスが反応する。

「何の契約か言ってる? 聖女の契約なら結んじゃダメだよ」

「「違うよ。アイツが言ってる。あの魔物を浄化してくれって。カナには出来ないからって!」」
「浄化?」

 聖女のカナちゃんに出来ないってことは守護魔法じゃないのかな?

「「そう、浄化魔法だよ!」」
「僕達と契約して、真の名前まなを唱えるんだ!」
「そうそう、そしたら使えるんだ!」
「「だから契約しよう!」」

「それは、国に縛られないの?」
「「カナのとは違うよ」」

 信じてもいいのかしら。

「「あまり時間がないかも! カナの結界をはる力が無くなっちゃう!!」」

 ミニライト達は少し焦った様子を見せる。

「どうしよう、アリスちゃん。契約はカナちゃんのとは違うって。あと、あの魔物を浄化するのに浄化魔法がいるんだって。その為の契約だって」
「信じられるの?」

「「大丈夫。アイツも僕達も嘘はつかないよ!!」」

「きゃっ!!」

 カナちゃんの声が聞こえた。
 振動で倒れたのか、聖なる力が尽きそうなのだろうか。倒れそうな身体をカトル王子が支えている。時間がないのは本当かもしれない。

 ねぇ、ここから魔法を使っても効果はある?

「「あるよー」」

 なら、姿を見られなくて済むよね……。

「契約するわ!!お願い」
「「おっけー!!」」
「リサちゃん!?」
「大丈夫、アリスちゃん。見られないようにここから魔法を使うし、この子達が嘘をつくと思えないし。私、やってみるね!」

 ミニライト達が手を繋いで何かを唱えると、小さな光と共に指輪が現れた。

「「リサ、手をだして!」」

 あ……、
 私はとっさに右手をだした。
 ミニライト達は右手の中指に指輪をはめた。すると、アリスの指輪のようにピッタリはまり、そこに光が収束した。

「「契約完了ー! 僕達の真の名前まなはね! ウィル・オー・ウィスプだよ!!」」

 わかったわ! あの魔物を浄化して!

 私は指輪をかざして唱えた。

「ウィル・オー・ウィスプ!!」
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