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第一章・光の精霊の国
46話・しぃっ!
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「カナがね、リサっていうニホンジンに会いたくないって言ってるみたいなんだ。兄上からは、リサちゃんをカナに会わせないように言ってきている」
アリスが、私の顔をじっと見ながら言った。
ここは、アリスの執務室。部屋にあるソファーに座りながら話しているところだ。
「そっか……」
私は一言だけ言って、アリスの続きの言葉を待つ。
「父上も、魔法が使えない魔女なんていらない。予言の魔物退治で聖女の力を発揮したカナがいれば安泰だろうって」
ふぅと一息ついて、
「リサちゃんが浄化したのにね」
アリスが小さな声で呟く。
魔法のことは内緒だからそれは仕方がないのだけれど。
「まあ、ボクも魔物が怖くて姿を現さなかった役立たず王子って言われてるけどね」
一緒だね、とカラカラと笑いながらアリスは言った。
「そんなことになってたんだ。ごめんね、私のせいで」
「あー、いいの。いいの。普段からボクこんなだから。気まぐれなのは皆知ってるよ!」
「でもっ」
しぃっと、唇に指を当てられる。
「大丈夫だから。むしろ好都合でしょ? 今からボク達、闇の精霊のところに行くんだから」
!?
「一緒に行ってくれるの?」
「むしろ、一人で行くつもりだったの? 全然知らないこの世界を女の子一人で?」
「やっぱり、厳しいよね」
「当たり前です。何考えてるの! まったく。ボクはリサちゃんを守るって言ってるのに」
じぃっと綺麗な青い瞳で見つめられる。
「頼ってよ」
自分の顔がかぁぁと、熱くなるのがわかる。気恥ずかしくて、私は顔を横に背けた。
クスクスと笑いながら、アリスは続ける。
「じゃあ、出発の準備をしないとだね。闇の精霊とリサちゃんの帰還方法探しの旅に!!」
!!
そうだ。私、帰るんだった。私の世界に。日本に。
アリスは、さがし続けてくれてるのに、私ったら……。
もしかして、この世界が、ううん、アリスのことが大事になってる……?
「ソーイもずっと書物は調べてくれたんだけどね……」
自分の気持ちの変化に衝撃を受けて、戸惑う私をよそにアリスは続けている。
「情報を集める為に、国を順番に回って行こう。最初は火の精霊の国、フレアストーンだね!」
アリスは、私が帰ってもいいのかな。
そう、聞きたくても聞けない。だって、私はこの世界の人間じゃない。ただ帰るまでの契約パートナーだって、アリスも言ってた。
「リサちゃん、大丈夫?」
「うん、火の精霊の国からだね。いい情報があるといいね!」
少し声が上擦ったけど、気がつかれてないよね……。
そう、カナちゃんの為にも、帰還方法も闇の精霊さんもしっかり探さなきゃ。
アリスが、私の顔をじっと見ながら言った。
ここは、アリスの執務室。部屋にあるソファーに座りながら話しているところだ。
「そっか……」
私は一言だけ言って、アリスの続きの言葉を待つ。
「父上も、魔法が使えない魔女なんていらない。予言の魔物退治で聖女の力を発揮したカナがいれば安泰だろうって」
ふぅと一息ついて、
「リサちゃんが浄化したのにね」
アリスが小さな声で呟く。
魔法のことは内緒だからそれは仕方がないのだけれど。
「まあ、ボクも魔物が怖くて姿を現さなかった役立たず王子って言われてるけどね」
一緒だね、とカラカラと笑いながらアリスは言った。
「そんなことになってたんだ。ごめんね、私のせいで」
「あー、いいの。いいの。普段からボクこんなだから。気まぐれなのは皆知ってるよ!」
「でもっ」
しぃっと、唇に指を当てられる。
「大丈夫だから。むしろ好都合でしょ? 今からボク達、闇の精霊のところに行くんだから」
!?
「一緒に行ってくれるの?」
「むしろ、一人で行くつもりだったの? 全然知らないこの世界を女の子一人で?」
「やっぱり、厳しいよね」
「当たり前です。何考えてるの! まったく。ボクはリサちゃんを守るって言ってるのに」
じぃっと綺麗な青い瞳で見つめられる。
「頼ってよ」
自分の顔がかぁぁと、熱くなるのがわかる。気恥ずかしくて、私は顔を横に背けた。
クスクスと笑いながら、アリスは続ける。
「じゃあ、出発の準備をしないとだね。闇の精霊とリサちゃんの帰還方法探しの旅に!!」
!!
そうだ。私、帰るんだった。私の世界に。日本に。
アリスは、さがし続けてくれてるのに、私ったら……。
もしかして、この世界が、ううん、アリスのことが大事になってる……?
「ソーイもずっと書物は調べてくれたんだけどね……」
自分の気持ちの変化に衝撃を受けて、戸惑う私をよそにアリスは続けている。
「情報を集める為に、国を順番に回って行こう。最初は火の精霊の国、フレアストーンだね!」
アリスは、私が帰ってもいいのかな。
そう、聞きたくても聞けない。だって、私はこの世界の人間じゃない。ただ帰るまでの契約パートナーだって、アリスも言ってた。
「リサちゃん、大丈夫?」
「うん、火の精霊の国からだね。いい情報があるといいね!」
少し声が上擦ったけど、気がつかれてないよね……。
そう、カナちゃんの為にも、帰還方法も闇の精霊さんもしっかり探さなきゃ。
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