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第二章・火の精霊の国
57話・火の精霊さん?
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褐色の肌と二本の角、瑠璃色の短い髪、整った顔には牙も見え、空色の眼をしたひときわ大きい鬼さんが目の前にずんと立っている。この大きさって、やっぱり一番強い精霊さんなのかな。
「えっと、火の精霊さんでしょうか?」
大きな相手に恐怖を覚え少しふるふると震えていたら、アリスがそっと手を握ってくれた。たったこれだけで、震えは自然と止まった。
「あの、私、闇の精霊さんと自分の世界への帰りかたを探してるんです。何か知っていたりしますか?」
じっとこちらを空色の大きな眼で見つめてくる。何か言いたげな素振りをしたが、ふっとろうそくの炎を吹き消したかの様に消えてしまった。
「ライトと、一緒かぁ。」
彼にも同じような質問をしたけれど、ふっと姿を消してしまったのだ。この質問は、何か都合が悪いのだろうか。
「ダメだった?」
こくりと頷くと、アリスもそっかと言ってため息をついた。
「やっぱり、ボクには見えないけどリサちゃんには見えてるんだね。」
「アリスちゃんに見えなかったってことは、あの人が火の精霊さんってことなんだろうけど。何も聞けないまま消えちゃった。」
「どんな感じだったの?」
「うんとね、……。」
ーーー
急な階段は下りも怖い!
もし一歩踏み外したら、そう考えたらひゅっと背筋が凍った。ゆっくり降りたくても、時間がかかりすぎてしまいそうだし。
ぷるぷるしながら、階段を降りていると見かねたのかアリスがこちらに手を出した。
「ずるしちゃおう。」
そう言って、さっと抱き上げられいつもの様に風の魔法を使った。
「風の精霊よ。」
トーントーントーンと軽快に一気に飛び降りて行く。
ただこれはこれで、絶叫マシーンみたいでちょっと怖かったのでアリスにひっしとしがみついた。
「到着!」
ふわりとおろされたけれど私の足は上りの疲れと下りの恐怖で当分の間、生まれたての仔鹿のようにプルプルプルプルと震えていた。
「終わったか、以外と早かったなってどうした嬢ちゃん。」
プルプル震える私を見て、階段の下にいたドレンが心配しながらもかなり滑稽に見えたのか笑っていた。
私は登山家でもバンジージャンプ好きーでもないただの一般社会人なんです! しょうがないよね……。
「王が呼んでいるけど、歩けるか?」
「はい、少しだけ待ってください……。」
震える足をなんとか動かして、もう一度王様のところに私達はむかった。
「えっと、火の精霊さんでしょうか?」
大きな相手に恐怖を覚え少しふるふると震えていたら、アリスがそっと手を握ってくれた。たったこれだけで、震えは自然と止まった。
「あの、私、闇の精霊さんと自分の世界への帰りかたを探してるんです。何か知っていたりしますか?」
じっとこちらを空色の大きな眼で見つめてくる。何か言いたげな素振りをしたが、ふっとろうそくの炎を吹き消したかの様に消えてしまった。
「ライトと、一緒かぁ。」
彼にも同じような質問をしたけれど、ふっと姿を消してしまったのだ。この質問は、何か都合が悪いのだろうか。
「ダメだった?」
こくりと頷くと、アリスもそっかと言ってため息をついた。
「やっぱり、ボクには見えないけどリサちゃんには見えてるんだね。」
「アリスちゃんに見えなかったってことは、あの人が火の精霊さんってことなんだろうけど。何も聞けないまま消えちゃった。」
「どんな感じだったの?」
「うんとね、……。」
ーーー
急な階段は下りも怖い!
もし一歩踏み外したら、そう考えたらひゅっと背筋が凍った。ゆっくり降りたくても、時間がかかりすぎてしまいそうだし。
ぷるぷるしながら、階段を降りていると見かねたのかアリスがこちらに手を出した。
「ずるしちゃおう。」
そう言って、さっと抱き上げられいつもの様に風の魔法を使った。
「風の精霊よ。」
トーントーントーンと軽快に一気に飛び降りて行く。
ただこれはこれで、絶叫マシーンみたいでちょっと怖かったのでアリスにひっしとしがみついた。
「到着!」
ふわりとおろされたけれど私の足は上りの疲れと下りの恐怖で当分の間、生まれたての仔鹿のようにプルプルプルプルと震えていた。
「終わったか、以外と早かったなってどうした嬢ちゃん。」
プルプル震える私を見て、階段の下にいたドレンが心配しながらもかなり滑稽に見えたのか笑っていた。
私は登山家でもバンジージャンプ好きーでもないただの一般社会人なんです! しょうがないよね……。
「王が呼んでいるけど、歩けるか?」
「はい、少しだけ待ってください……。」
震える足をなんとか動かして、もう一度王様のところに私達はむかった。
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