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第三章・水の精霊の国
88話・行かないで
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ピチュンピチュン
朝なのかな。ぴーちゅんが鳴いてる。
「おはようリサちゃん。朝ごはん用意してもらってるよー!」
「おはよう、アリスちゃん。用意してすぐ行くね」
ピラピラと手を振ってからアリスはドアを閉めた。よかった、今日はちゃんといた。
私は急いで支度を始める。
ーーー
あれ? 今度はルードがいない?
昨日は居た黒いローブの姿が今日は見えなかった。
「おはようございます。ルードさんは?」
「ルードなら、さっきアミスとルミナが連れて行ったよ」
「そうなんだ」
あの二人がルードに用事って、なんだろう。
「見に行く? ボクも挨拶しておきたいし」
「うん。ごめんなさい、少しでてきます!帰ってきてから朝食はいただきますね!」
「はーい、いってらっしゃい」
マルのお母さんは優しく送り出してくれた。
二人で朝の街をてくてく歩く。白い街に朝日が当たりキラキラと輝いている。
「アリスちゃん何処にいるかわかるの?」
「んー」
スンスンと鼻をならしているが、よくわからない様子だ。
「こっちだ、湖にいる」
ミニウォータが、スッと現れて指を指した。
「アリスちゃん、こっちだってウォータが言ってる」
「ウォータが?」
「うん」
二人で湖まで歩くとそこに三人は居た。
「ルードさん!」
呼び掛けると、私達に気がついたルードが少し困った顔をしていた。
ルミナは真剣な顔をしている。
「アリスト様、リサ様。おはようございます」
「おはようございます。アミスさん、ルミナちゃんもおはようございます。何かあったんですか?」
「いえ、ルミナがルード様に用事があるからと。リサ様達は?」
「私達は、ルードさんがいないので気になったのと、アミスさんルミナちゃんが一緒だと聞いたので挨拶に」
アミスとルミナが首を傾げている。
「あ、私達今日にも次の国に行こうと思っているので、それで――」
「ダメ!」
「えっ」
「行っちゃダメ!」
ルミナに拒否されてしまった。でも、行かないといけないし。
何でルミナは嫌がっているんだろう?
「ごめんね、ルミナ。ボク達は行かなきゃいけないんだ」
「リサお姉さんアリストお兄さんが行ってしまうとルードお兄さんも居なくなってしまうのでしょう?」
もしかして、ルミナちゃんルードに本気ラブだったり……。
「ルードお兄さん、わたしと一緒に居て! この街にずっとずっと!」
本気ですね……。ルードが困っていたのはこのせいだったのかな。
「ルミナ、もうこれ以上ルード様に迷惑は――」
「嫌です!!」
ルードは、ゆっくりとルミナに近づいて膝をついた。ルミナに視線を合わせるためなのかな。
「好意を持っていただいことはとても嬉しいです。ありがとうルミナ。私は成し遂げないといけない大事な使命があるのです。申し訳ないですが、貴女の気持ちに答えることは出来ません」
「ルードお兄さん」
「ルミナ様、わたしもこの者達とともに行かねばなりません。貴女の命を救っていただく為にわたしはこちらの方と契約しました。お許しください」
「え、ウォータも?」
ルミナが驚いている。そして、しまったと口を押さえた。
「ここにいる者達は、皆貴女がわたしを感じることが出来るのを知っているでしょう。とくにリサ様は、ルミナ様と同じ姿を見る力があります」
ルミナが私をじっと見る。
ルミナも見ることが出来たんだ。
「じゃあ、わたしと一緒に歌えなくなるの?」
ミニウォータにルミナが問う。
「申し訳ありません。わたしの次が貴女と契約することになります」
俯いてしまったルミナは、涙を必死に堪えている。
あぁ、ごめんね。私が引き裂いてしまうみたいでとても心苦しい。
「あの……、もう一度、歌を聞かせてもらえませんか」
ルードがルミナに聞いた。俯いていた彼女の顔が上がりルードを見る。
「この前は、聞かせて貰うことが出来ませんでしたから。あの時もう一度歌ってくれるつもりだったのでしょう?」
朝なのかな。ぴーちゅんが鳴いてる。
「おはようリサちゃん。朝ごはん用意してもらってるよー!」
「おはよう、アリスちゃん。用意してすぐ行くね」
ピラピラと手を振ってからアリスはドアを閉めた。よかった、今日はちゃんといた。
私は急いで支度を始める。
ーーー
あれ? 今度はルードがいない?
昨日は居た黒いローブの姿が今日は見えなかった。
「おはようございます。ルードさんは?」
「ルードなら、さっきアミスとルミナが連れて行ったよ」
「そうなんだ」
あの二人がルードに用事って、なんだろう。
「見に行く? ボクも挨拶しておきたいし」
「うん。ごめんなさい、少しでてきます!帰ってきてから朝食はいただきますね!」
「はーい、いってらっしゃい」
マルのお母さんは優しく送り出してくれた。
二人で朝の街をてくてく歩く。白い街に朝日が当たりキラキラと輝いている。
「アリスちゃん何処にいるかわかるの?」
「んー」
スンスンと鼻をならしているが、よくわからない様子だ。
「こっちだ、湖にいる」
ミニウォータが、スッと現れて指を指した。
「アリスちゃん、こっちだってウォータが言ってる」
「ウォータが?」
「うん」
二人で湖まで歩くとそこに三人は居た。
「ルードさん!」
呼び掛けると、私達に気がついたルードが少し困った顔をしていた。
ルミナは真剣な顔をしている。
「アリスト様、リサ様。おはようございます」
「おはようございます。アミスさん、ルミナちゃんもおはようございます。何かあったんですか?」
「いえ、ルミナがルード様に用事があるからと。リサ様達は?」
「私達は、ルードさんがいないので気になったのと、アミスさんルミナちゃんが一緒だと聞いたので挨拶に」
アミスとルミナが首を傾げている。
「あ、私達今日にも次の国に行こうと思っているので、それで――」
「ダメ!」
「えっ」
「行っちゃダメ!」
ルミナに拒否されてしまった。でも、行かないといけないし。
何でルミナは嫌がっているんだろう?
「ごめんね、ルミナ。ボク達は行かなきゃいけないんだ」
「リサお姉さんアリストお兄さんが行ってしまうとルードお兄さんも居なくなってしまうのでしょう?」
もしかして、ルミナちゃんルードに本気ラブだったり……。
「ルードお兄さん、わたしと一緒に居て! この街にずっとずっと!」
本気ですね……。ルードが困っていたのはこのせいだったのかな。
「ルミナ、もうこれ以上ルード様に迷惑は――」
「嫌です!!」
ルードは、ゆっくりとルミナに近づいて膝をついた。ルミナに視線を合わせるためなのかな。
「好意を持っていただいことはとても嬉しいです。ありがとうルミナ。私は成し遂げないといけない大事な使命があるのです。申し訳ないですが、貴女の気持ちに答えることは出来ません」
「ルードお兄さん」
「ルミナ様、わたしもこの者達とともに行かねばなりません。貴女の命を救っていただく為にわたしはこちらの方と契約しました。お許しください」
「え、ウォータも?」
ルミナが驚いている。そして、しまったと口を押さえた。
「ここにいる者達は、皆貴女がわたしを感じることが出来るのを知っているでしょう。とくにリサ様は、ルミナ様と同じ姿を見る力があります」
ルミナが私をじっと見る。
ルミナも見ることが出来たんだ。
「じゃあ、わたしと一緒に歌えなくなるの?」
ミニウォータにルミナが問う。
「申し訳ありません。わたしの次が貴女と契約することになります」
俯いてしまったルミナは、涙を必死に堪えている。
あぁ、ごめんね。私が引き裂いてしまうみたいでとても心苦しい。
「あの……、もう一度、歌を聞かせてもらえませんか」
ルードがルミナに聞いた。俯いていた彼女の顔が上がりルードを見る。
「この前は、聞かせて貰うことが出来ませんでしたから。あの時もう一度歌ってくれるつもりだったのでしょう?」
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