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第七章・闇の精霊の国
149話・闇の精霊
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結界をはると同時に黒い靄がシロガネへと襲いかかった。
黒い靄がぐぐっと固まり集束していく。これはコウの時に見た……。
「スペード、これで大丈夫なの?」
「彼は、ね」
「え、彼は?!」
固まった黒い靄は1点に集まって行くが光の結界に阻まれているのか、外で形作り出した。
シロガネは、その場で光の結界に戸惑っていた。どうやら無事だったようだ。コウの時もこうできたら良かったのに――――。
「さてと、彼がこの国の一番強い闇の精霊さんっす」
黒い狼獣人が目の前に姿を表した。
「そして、闇の魔物になった者」
「そんな――」
アォーーーーーーン!
遠吠えが、鼓膜をびりびりと震わせる。
アリスとルードが、それぞれの武器を構える。
「悪いけど、ここじゃ狭いから外に連れだそう」
「はい! エント!」
大きな木の枝が、壁や屋根を突き破る。穴が空いた場所から私達が外へと出ると、黒い狼獣人は私を追って枝を駆けてきた。
リンとスイはシロガネのところにいるのだろうか。
「しっかり掴まってて!」
風に乗ってアリスは広い場所まで空を走る。
大きな山の上に木を切り倒した広場があった。
「アリスちゃん、あそこ」
人も見当たらないので、アリスはそこを目指して駆けていく。
後ろからは、黒い狼獣人がすごい勢いで追いかけてきていた。
「降ろしたらすぐに自分に結界をはって、ボク達が引き付けるから」
「うん」
ふわりと地面に降ろされ私は結界をはった。アリスとルードには水の強化魔法をかける。
グルルルル
黒い狼獣人は牙を向きながらこちらにむかってくる。
アリスが剣を一閃、煌めかせるが何かに弾かれた。あれは、手甲?
両の手の黒い爪が長く伸び、まるで小さなナイフのようになる。
「火の精霊よ!」
ルードが炎の塊を狼獣人に向かって撃ち出す。
ガァァァァ
狼獣人が一吠えすると水の塊が現れ、二つの塊がぶつかり合い消滅した。
「そんな、魔法が使える!?」
でもそうだ、さっきは風の魔法を使って追いかけてきていた。
驚いていると、狼獣人はアリスに向かい爪で襲いかかった。
キィンキィンと硬質なものが斬り合う音が響く。
「彼は元が闇の精霊のトップっすからねー。流石、つよいっす。しかも風と水の精霊も一緒に取り込んだみたいっすね」
「え、それじゃあ、あの魔物って何の魔物になるの?!」
んーと、少し考えながらスペードは答える。
「闇、風、水の力を持つ魔物っすかね?」
「え、まって、三つ?! そんなのどうしたらいいの!」
「そんなの決まってるじゃないっすか」
「え……」
「こっちも三つの浄化魔法を同時にバーンとぶつけてやるっすよ!」
瞬間、へらっと笑うスペードをピコピコハンマーで殴りたくなったのは秘密です――。
まあ、彼の前じゃ考えてしまった時にはバレてるだろうけど!
黒い靄がぐぐっと固まり集束していく。これはコウの時に見た……。
「スペード、これで大丈夫なの?」
「彼は、ね」
「え、彼は?!」
固まった黒い靄は1点に集まって行くが光の結界に阻まれているのか、外で形作り出した。
シロガネは、その場で光の結界に戸惑っていた。どうやら無事だったようだ。コウの時もこうできたら良かったのに――――。
「さてと、彼がこの国の一番強い闇の精霊さんっす」
黒い狼獣人が目の前に姿を表した。
「そして、闇の魔物になった者」
「そんな――」
アォーーーーーーン!
遠吠えが、鼓膜をびりびりと震わせる。
アリスとルードが、それぞれの武器を構える。
「悪いけど、ここじゃ狭いから外に連れだそう」
「はい! エント!」
大きな木の枝が、壁や屋根を突き破る。穴が空いた場所から私達が外へと出ると、黒い狼獣人は私を追って枝を駆けてきた。
リンとスイはシロガネのところにいるのだろうか。
「しっかり掴まってて!」
風に乗ってアリスは広い場所まで空を走る。
大きな山の上に木を切り倒した広場があった。
「アリスちゃん、あそこ」
人も見当たらないので、アリスはそこを目指して駆けていく。
後ろからは、黒い狼獣人がすごい勢いで追いかけてきていた。
「降ろしたらすぐに自分に結界をはって、ボク達が引き付けるから」
「うん」
ふわりと地面に降ろされ私は結界をはった。アリスとルードには水の強化魔法をかける。
グルルルル
黒い狼獣人は牙を向きながらこちらにむかってくる。
アリスが剣を一閃、煌めかせるが何かに弾かれた。あれは、手甲?
両の手の黒い爪が長く伸び、まるで小さなナイフのようになる。
「火の精霊よ!」
ルードが炎の塊を狼獣人に向かって撃ち出す。
ガァァァァ
狼獣人が一吠えすると水の塊が現れ、二つの塊がぶつかり合い消滅した。
「そんな、魔法が使える!?」
でもそうだ、さっきは風の魔法を使って追いかけてきていた。
驚いていると、狼獣人はアリスに向かい爪で襲いかかった。
キィンキィンと硬質なものが斬り合う音が響く。
「彼は元が闇の精霊のトップっすからねー。流石、つよいっす。しかも風と水の精霊も一緒に取り込んだみたいっすね」
「え、それじゃあ、あの魔物って何の魔物になるの?!」
んーと、少し考えながらスペードは答える。
「闇、風、水の力を持つ魔物っすかね?」
「え、まって、三つ?! そんなのどうしたらいいの!」
「そんなの決まってるじゃないっすか」
「え……」
「こっちも三つの浄化魔法を同時にバーンとぶつけてやるっすよ!」
瞬間、へらっと笑うスペードをピコピコハンマーで殴りたくなったのは秘密です――。
まあ、彼の前じゃ考えてしまった時にはバレてるだろうけど!
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