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最終章・聖女じゃなくて
154話・光の精霊の国に戻る
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「ここ、ちょうど出発したところ?」
「だね、ぴーちゅんには悪いけど、元に戻ってもらわないと」
「私は先に城に戻っておきます」
ルードは降りずにそのまま城へと飛んでいった。一緒に乗っていたスペードは下に飛び降りている。なんだか、手招きをしているように見える。
ぴーちゅんがゆっくりと地面に着地した。私達もその背から二人で飛びスペードのもとに降り立った。
「何?」
「タカマガハラのお手伝いしてもらった分のお礼、まだしてなかったっすからね」
そう言って、スペードは小さなグリッターとシンカーを頭と肩に乗せながら話し始めた。
「召喚の儀で喚ばれた者が、元の世界に戻る方法は、一つしかないっす。逆転の儀っすよ」
「――っ!!」
聞きたくなかった。だって、それじゃあ、カナちゃんが元の世界に帰る為には、私もこの世界から元の世界に戻らないといけない。アリスと離ればなれにならないといけない……。
「それしかないのかい」
何も言えなくなった私のかわりにアリスが聞いてくれた。
「ないっすねぇ。あ、でも大丈夫っすよ」
「えっ――?」
「もう一人喚ばれた聖女とリサはそれぞれ別の召喚者なんで、リサが元の世界に帰してあげたい彼女は第一王子さんが逆転の儀をすればいいだけっす」
「どういうこと? それじゃあ、いったい私は誰に喚ばれたの?」
「それはっすね――――」
ぐぅぅぅ
お腹の虫くーん、いまとっても重要なお話しのね、最中なの。お腹が空いたのはわかってるから、ね?
ほら、もう、二人とも笑いだしちゃった。
「くくっ、ぷ、まあまあ、あとでゆっくり教えてあげるっすよ」
「ごめんね、……リサちゃん。あとで、……ご飯用意してもらおう」
「…………はい」
これはもう絶対犯人はスペードだわ。うん、彼のせいに違いない。あ、でも帰される決定権が彼に握られてるとかもやだな――。
そんな風に、行き場のない怒りというか八つ当たりというか、彼のせいにしようと思っておいた。
なかなか止まらない二人の笑いが、長く続いていた。
「そんなに、笑わなくても……」
真っ赤な私を、アリスがポンポンとなでて慰めてくれたけど、彼の目にも、うっすら涙が浮かんでます。
穴ってお願い出来るのかな。ノームちゃん……。
そう考えると、近くにぼこんと凹みが出来た。
ありがとう。本格的にお願いするかもしれないから、その時はオネガイシマス。
「それじゃあ、行こう」
「うん」
風の精霊を呼び準備するアリスとスペード。
ルードの方はもうお城に着いたのかな? 色々あって彼には協力してもらったけど、カトル王子の側近なのよね。そういえば……。怒られたりしてないかなぁ。大丈夫かな――。
「だね、ぴーちゅんには悪いけど、元に戻ってもらわないと」
「私は先に城に戻っておきます」
ルードは降りずにそのまま城へと飛んでいった。一緒に乗っていたスペードは下に飛び降りている。なんだか、手招きをしているように見える。
ぴーちゅんがゆっくりと地面に着地した。私達もその背から二人で飛びスペードのもとに降り立った。
「何?」
「タカマガハラのお手伝いしてもらった分のお礼、まだしてなかったっすからね」
そう言って、スペードは小さなグリッターとシンカーを頭と肩に乗せながら話し始めた。
「召喚の儀で喚ばれた者が、元の世界に戻る方法は、一つしかないっす。逆転の儀っすよ」
「――っ!!」
聞きたくなかった。だって、それじゃあ、カナちゃんが元の世界に帰る為には、私もこの世界から元の世界に戻らないといけない。アリスと離ればなれにならないといけない……。
「それしかないのかい」
何も言えなくなった私のかわりにアリスが聞いてくれた。
「ないっすねぇ。あ、でも大丈夫っすよ」
「えっ――?」
「もう一人喚ばれた聖女とリサはそれぞれ別の召喚者なんで、リサが元の世界に帰してあげたい彼女は第一王子さんが逆転の儀をすればいいだけっす」
「どういうこと? それじゃあ、いったい私は誰に喚ばれたの?」
「それはっすね――――」
ぐぅぅぅ
お腹の虫くーん、いまとっても重要なお話しのね、最中なの。お腹が空いたのはわかってるから、ね?
ほら、もう、二人とも笑いだしちゃった。
「くくっ、ぷ、まあまあ、あとでゆっくり教えてあげるっすよ」
「ごめんね、……リサちゃん。あとで、……ご飯用意してもらおう」
「…………はい」
これはもう絶対犯人はスペードだわ。うん、彼のせいに違いない。あ、でも帰される決定権が彼に握られてるとかもやだな――。
そんな風に、行き場のない怒りというか八つ当たりというか、彼のせいにしようと思っておいた。
なかなか止まらない二人の笑いが、長く続いていた。
「そんなに、笑わなくても……」
真っ赤な私を、アリスがポンポンとなでて慰めてくれたけど、彼の目にも、うっすら涙が浮かんでます。
穴ってお願い出来るのかな。ノームちゃん……。
そう考えると、近くにぼこんと凹みが出来た。
ありがとう。本格的にお願いするかもしれないから、その時はオネガイシマス。
「それじゃあ、行こう」
「うん」
風の精霊を呼び準備するアリスとスペード。
ルードの方はもうお城に着いたのかな? 色々あって彼には協力してもらったけど、カトル王子の側近なのよね。そういえば……。怒られたりしてないかなぁ。大丈夫かな――。
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