白の世界と黒の世界

アハトアハト

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黒の世界

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あの日から私の目の前は真っ暗だ…

娘の咲希(さき)を亡くしてから…

咲希はまだ14歳だった

なのに癌で逝ってしまった

最期に私が「咲希!」と
叫んでいた事は咲希には届いてないだろう

咲希の顔は笑っていた

そして泣いていた

ごめんね咲希

こんな母親で

シングルマザーで咲希が3歳の時から
二人暮しが始まったんだっけ…

その時からだっけ

咲希の大事な日に私が居なくなったのは…

私は咲希を養うためにパートに明け暮れてた

咲希が癌で逝ったのは私のせいだ…

私が咲希をちゃんと育てていれば

私が咲希と一緒に居る時間を無理をしてでも
作っていれば

ごめんね咲希

「もうすぐそっちに逝くね」

私はそっと言葉にした
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