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中編
鳳凰イデア
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萼の鉄拳が顔のど真ん中に炸裂した。綺夜羅は殴り飛ばされ転がった。
『どうしたんや、もう終わりか?』
『ジョーダン言うな。お前だけは倒していく』
とは言ったものの綺夜羅はタイマンでこれ程押されているのは初めてだった。
反対側ではさっきまであんなに暴れまくっていた掠が50人近くを相手にしてさすがにバテてきているらしく、手を出すより出される方が圧倒的に多くなってきてしまっている。
『綺夜羅!掠!』
咲薇は2人を助ける為立ち上がった。落ちている木刀を拾うと囲まれている掠の方に目をやった。
すると暴走侍の群れの向こうから誰かが暗闇の中こちらへ歩いて向かってくるのに気づいた。
『誰や、あれ』
見えるのは真っ白い髪と肌。近づいてくるとその顔立ちは日本人のものでないことがよく分かった。真っ赤な着物のような物を羽織っていて、その人物はすぐそこまで来ると喋り始めた。
『ここらで最近有名な狐言うんはどいつでっしゃろか?』
その場にいる全員に十分行き届く張りのある声で女が言うと、綺夜羅と萼、掠と暴走侍の女たちも手を止め、その声の主に注目させられていた。
『え?言葉が通じないんか?こん中に白狐言う腐れ外道はおるんかおらんのか、どっちどすか?』
外国人のような顔をしているが使う言葉は流暢で京都の方の訛りらしい。それを見て誰かが言った。
『まさか…不死鳥の鳳凰イデア?』
その名が出た瞬間暴走侍たちは1歩下がってしまった。
『鳳凰イデアやて?』
萼は綺夜羅との決着など構いもせずその人物の顔を見に歩いて近づいていく。
『鳳凰イデア言うたら超有名人やないか。こんなとこで何しとんねん』
『質問しとるのはこっちどす。ここに狐はおるんかおらんのか、早よ答えなはれ』
『ほーお、京都の方まで狐を知っとるなんて狐も名が上がったなぁ』
ここは暴走侍の集まる場所、言わばアジトだ。ましてやこのケジメという場に綺夜羅たちに続いて、たった一人で乗りこんできたという事実は萼からしたら完全に舐められているという以外言い表しようがなかった。
明らかな不快感を顔に出している。対するイデアは顔色1つ変えない。
『まさか、あんさんが狐はんどすか?』
『…さぁな。そしたらなんやねん』
咲薇はイデアから溢れでるような殺気を感じた。
イデアは懐に手を忍ばせ萼を鋭い視線でにらみつけた。
『…斬る』
『萼!よけや!』
咲薇が叫んだのとほぼ同時にイデアは懐から短い刀を抜き払った。
『うぉっ!』
萼は間一髪の所で刀をよけた。
短刀というのだろうか。50センチもないが、短い、でも立派なちゃんとした刃物だ。
今イデアは完全に斬るつもりだった。咲薇が叫ぶのが一瞬でも遅かったらバッサリやられていた。
『このくそ女ぁ!』
萼は落ちていた木刀を拾い構えた。
『そんな棒きれでは相手になりまへんぞ』
『うっさいわ!』
2人は間合いを取り、武器を向けながらにらみ合った。
時刻はもう午前2時を過ぎ月には雲がかかり始めた。夜の闇が深くなり広がっていくのが目に映る周りの景色から感じられた。
やがて月の明かりが完全に消えてしまうと、誰もいないはずだった影からもう1体白い人影現れた。
それは真っ直ぐ萼とイデアの方に向かって走りだした。
『なんだ、あいつ…』
いち早くその存在に気づいたのは綺夜羅だった。白装束のような物を着て何か奇妙な模様の面を被っている。その姿は極めて不気味で直感で嫌なものを感じた。
『おい!何かそっちへ行ったぞ!』
綺夜羅が叫ぶと萼とイデアもその存在に気づいた。見るとその人物は刀を持っている。イデアの持っているような短い物ではなく、長くちゃんとした日本刀だ。走りながらそれを抜くと萼に斬りかかった。
「カキィィン!!」
勢いよく振り下ろされた日本刀を意外にもイデアがその間に入り短刀で食い止めた。
『なんや…こいつ』
『貴様が白狐どすな?』
確かに狐の化物のような面で、白装束と思った物も白いまっさらな特攻服のようだ。
どうやら本当に白狐本人らしい。やはり亡霊ではなく実在する人間だったのだ。
白狐は大きく刀を振り回し萼とイデアを退けると今度は逃げるように走りだした。
しかしその方向には咲薇が立ち尽くしている。
『咲薇!』
綺夜羅は言葉より先に走りだしていた。
白狐は咲薇に向かって先程と同じように刀を振り下ろした。咲薇は1歩も動けないでいる。
『どうしたんや、もう終わりか?』
『ジョーダン言うな。お前だけは倒していく』
とは言ったものの綺夜羅はタイマンでこれ程押されているのは初めてだった。
反対側ではさっきまであんなに暴れまくっていた掠が50人近くを相手にしてさすがにバテてきているらしく、手を出すより出される方が圧倒的に多くなってきてしまっている。
『綺夜羅!掠!』
咲薇は2人を助ける為立ち上がった。落ちている木刀を拾うと囲まれている掠の方に目をやった。
すると暴走侍の群れの向こうから誰かが暗闇の中こちらへ歩いて向かってくるのに気づいた。
『誰や、あれ』
見えるのは真っ白い髪と肌。近づいてくるとその顔立ちは日本人のものでないことがよく分かった。真っ赤な着物のような物を羽織っていて、その人物はすぐそこまで来ると喋り始めた。
『ここらで最近有名な狐言うんはどいつでっしゃろか?』
その場にいる全員に十分行き届く張りのある声で女が言うと、綺夜羅と萼、掠と暴走侍の女たちも手を止め、その声の主に注目させられていた。
『え?言葉が通じないんか?こん中に白狐言う腐れ外道はおるんかおらんのか、どっちどすか?』
外国人のような顔をしているが使う言葉は流暢で京都の方の訛りらしい。それを見て誰かが言った。
『まさか…不死鳥の鳳凰イデア?』
その名が出た瞬間暴走侍たちは1歩下がってしまった。
『鳳凰イデアやて?』
萼は綺夜羅との決着など構いもせずその人物の顔を見に歩いて近づいていく。
『鳳凰イデア言うたら超有名人やないか。こんなとこで何しとんねん』
『質問しとるのはこっちどす。ここに狐はおるんかおらんのか、早よ答えなはれ』
『ほーお、京都の方まで狐を知っとるなんて狐も名が上がったなぁ』
ここは暴走侍の集まる場所、言わばアジトだ。ましてやこのケジメという場に綺夜羅たちに続いて、たった一人で乗りこんできたという事実は萼からしたら完全に舐められているという以外言い表しようがなかった。
明らかな不快感を顔に出している。対するイデアは顔色1つ変えない。
『まさか、あんさんが狐はんどすか?』
『…さぁな。そしたらなんやねん』
咲薇はイデアから溢れでるような殺気を感じた。
イデアは懐に手を忍ばせ萼を鋭い視線でにらみつけた。
『…斬る』
『萼!よけや!』
咲薇が叫んだのとほぼ同時にイデアは懐から短い刀を抜き払った。
『うぉっ!』
萼は間一髪の所で刀をよけた。
短刀というのだろうか。50センチもないが、短い、でも立派なちゃんとした刃物だ。
今イデアは完全に斬るつもりだった。咲薇が叫ぶのが一瞬でも遅かったらバッサリやられていた。
『このくそ女ぁ!』
萼は落ちていた木刀を拾い構えた。
『そんな棒きれでは相手になりまへんぞ』
『うっさいわ!』
2人は間合いを取り、武器を向けながらにらみ合った。
時刻はもう午前2時を過ぎ月には雲がかかり始めた。夜の闇が深くなり広がっていくのが目に映る周りの景色から感じられた。
やがて月の明かりが完全に消えてしまうと、誰もいないはずだった影からもう1体白い人影現れた。
それは真っ直ぐ萼とイデアの方に向かって走りだした。
『なんだ、あいつ…』
いち早くその存在に気づいたのは綺夜羅だった。白装束のような物を着て何か奇妙な模様の面を被っている。その姿は極めて不気味で直感で嫌なものを感じた。
『おい!何かそっちへ行ったぞ!』
綺夜羅が叫ぶと萼とイデアもその存在に気づいた。見るとその人物は刀を持っている。イデアの持っているような短い物ではなく、長くちゃんとした日本刀だ。走りながらそれを抜くと萼に斬りかかった。
「カキィィン!!」
勢いよく振り下ろされた日本刀を意外にもイデアがその間に入り短刀で食い止めた。
『なんや…こいつ』
『貴様が白狐どすな?』
確かに狐の化物のような面で、白装束と思った物も白いまっさらな特攻服のようだ。
どうやら本当に白狐本人らしい。やはり亡霊ではなく実在する人間だったのだ。
白狐は大きく刀を振り回し萼とイデアを退けると今度は逃げるように走りだした。
しかしその方向には咲薇が立ち尽くしている。
『咲薇!』
綺夜羅は言葉より先に走りだしていた。
白狐は咲薇に向かって先程と同じように刀を振り下ろした。咲薇は1歩も動けないでいる。
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