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中編
数のGS
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綺夜羅はまだ入院している。
掠は毎日学校を休み病院でつきっきりになっていて、ここ何日か旋と珠凛も学校を休んでいた。
なのでここ数日珍しく燃と数が2人で行動している。
『それにしてもあのアホの考えてることは分からねーな』
数は愛羽のことを言っている。この前の缶けりのことをまだ話題にあげる。
ちなみに案の定あの次の日2人は筋肉痛になった。
『まぁそう言わないの。綺夜羅を助けてくれた恩人でしょ?』
『はーあ。さっさと綺夜羅のアホ面拝んでゲーセンでも行こうぜ』
学校帰りに信号待ちをしながら話していると2人の前をある車が横切った。
乗っていたのは綺夜羅の頬にひびを入れた張本人アジラナだった。
アジラナは全く2人には気付かずそのまま通りすぎていった。
『あいつは…』
数の目の色は即変わった。眉をつり上げると信号が変わるのを待たずに発進しアジラナを追いかけた。
『ちょっと数!』
燃も後を追うしかなくなってしまった。
『待ちやがれぇ!!』
ぐんぐんと後方から単車が追いかけてくるのをもちろんアジラナはすぐ気付いた。
ルームミラーに目をやるとそれが厚央に来ていた内の2人らしいことも分かった。
『フフフ、トンデヒニイルベンジョムシガ。オノゾミドオリクジョシテヤル』
アジラナはサイドブレーキを引くと「キキィィィ!」とタイヤを鳴らしドリフトしながら数たちの方へ向きを変え、次の瞬間アクセルを踏みこんだ。
『なっ!』
数はよけきれずそのままはねられた。
ガン!と勢いよく突っ込まれると単車はそのまま引きずられ数はフロントガラスに弾かれ宙を舞うと置き去りにされ地面に叩きつけられた。
燃がそこに追いつくまでのほんの数秒で一瞬の出来事すぎて何がどうなったのかよく分からなかったが数は倒れGSはグシャグシャになっていた。
『嘘でしょ!?数!』
燃は恐怖と混乱で動けなかった。
『アーア、バンパーベッコリダ。コンナゴミムシノオカゲデ。ヤレヤレ』
アジラナは数のGSに蹴りを入れると吸っていたタバコを投げつけた。
『おい…てめぇ…何してくれてんだ…』
見ると数が立っていた。しかし頭から血を流していてフラフラだ。
『ハッハッハ!ヨカッタヨカッタ、イキテタカ!コノタンシャハモウオシャカダケドナ』
そう言ってアジラナは数に見せつけるようにGSを踏みつけた。
『ぐっ…その足…どけろ!』
数は足を引きずりながら向かっていく。
アジラナはそれを見てペッとGSに向かってつばを吐きかけた。
『ぶ…ぶっ殺す!』
数はかかっていくがその拳は虚しく空振りあまりにも呆気なく蹴り倒されてしまった。
『数!』
燃はやっと体が動いた。数はもう起き上がれそうにない。
『フッフ、ゴミガ』
アジラナがそう言ってまたGSを踏みつけると急に足を引っ張られた。ふと足を見るともう1人の方が踏みつける足をつかんでいる。
『……ナンノマネダ?』
『この足どかして』
燃は一生懸命GSからアジラナの足を降ろさせようとした。
『ねぇ…どかしてよ、この足…お願い…』
いや、普通に考えたら数の所に行くのが先だ。だが燃は心配する気持ちをこらえアジラナの方へ向かってしまった。
『ムシメ…』
アジラナは反対の足で燃をおもいきり蹴りつけた。だが燃はしがみつくようにして放そうとしなかった。
『コノムシガァ!!』
燃は綺夜羅や数と違ってそんなに単車のこだわりはなかった。
綺夜羅が作ってやるから一緒に走ろうぜと言ってくれたから乗っていて、そんなに多くのことを望んでいなかった。
だがそんな自分でも今は綺夜羅の作ってくれた単車をとても大事に思うのだから、こだわってGSに憧れて乗っていた数の気持ちは計り知れなかった。
だから今ピクリとも動かない有り様を見ても数に駆け寄るより、この外人に向かっていくことを選んでしまった。
その単車を踏みつけるのだけは許せなかった。
『オイ、ボウフラ。ハナセ、イイカゲンニシロ』
アジラナはとうとうイラつきが治まらなくなり燃の髪を引っぱり殴りつけていった。
しかし燃は一向に放さずまだ足をどけようとする。
『…どけてよ…足…』
『イイドキョウダガキ!』
アジラナは足をどかした代わりに全力で燃を引きずり回した。
燃は一方的に殴られるだけになり、やがて燃も倒れてしまった。
数は意識が朦朧とする中、必死にGSを守ろうとする燃の姿をぼんやりと見ていた。
掠は毎日学校を休み病院でつきっきりになっていて、ここ何日か旋と珠凛も学校を休んでいた。
なのでここ数日珍しく燃と数が2人で行動している。
『それにしてもあのアホの考えてることは分からねーな』
数は愛羽のことを言っている。この前の缶けりのことをまだ話題にあげる。
ちなみに案の定あの次の日2人は筋肉痛になった。
『まぁそう言わないの。綺夜羅を助けてくれた恩人でしょ?』
『はーあ。さっさと綺夜羅のアホ面拝んでゲーセンでも行こうぜ』
学校帰りに信号待ちをしながら話していると2人の前をある車が横切った。
乗っていたのは綺夜羅の頬にひびを入れた張本人アジラナだった。
アジラナは全く2人には気付かずそのまま通りすぎていった。
『あいつは…』
数の目の色は即変わった。眉をつり上げると信号が変わるのを待たずに発進しアジラナを追いかけた。
『ちょっと数!』
燃も後を追うしかなくなってしまった。
『待ちやがれぇ!!』
ぐんぐんと後方から単車が追いかけてくるのをもちろんアジラナはすぐ気付いた。
ルームミラーに目をやるとそれが厚央に来ていた内の2人らしいことも分かった。
『フフフ、トンデヒニイルベンジョムシガ。オノゾミドオリクジョシテヤル』
アジラナはサイドブレーキを引くと「キキィィィ!」とタイヤを鳴らしドリフトしながら数たちの方へ向きを変え、次の瞬間アクセルを踏みこんだ。
『なっ!』
数はよけきれずそのままはねられた。
ガン!と勢いよく突っ込まれると単車はそのまま引きずられ数はフロントガラスに弾かれ宙を舞うと置き去りにされ地面に叩きつけられた。
燃がそこに追いつくまでのほんの数秒で一瞬の出来事すぎて何がどうなったのかよく分からなかったが数は倒れGSはグシャグシャになっていた。
『嘘でしょ!?数!』
燃は恐怖と混乱で動けなかった。
『アーア、バンパーベッコリダ。コンナゴミムシノオカゲデ。ヤレヤレ』
アジラナは数のGSに蹴りを入れると吸っていたタバコを投げつけた。
『おい…てめぇ…何してくれてんだ…』
見ると数が立っていた。しかし頭から血を流していてフラフラだ。
『ハッハッハ!ヨカッタヨカッタ、イキテタカ!コノタンシャハモウオシャカダケドナ』
そう言ってアジラナは数に見せつけるようにGSを踏みつけた。
『ぐっ…その足…どけろ!』
数は足を引きずりながら向かっていく。
アジラナはそれを見てペッとGSに向かってつばを吐きかけた。
『ぶ…ぶっ殺す!』
数はかかっていくがその拳は虚しく空振りあまりにも呆気なく蹴り倒されてしまった。
『数!』
燃はやっと体が動いた。数はもう起き上がれそうにない。
『フッフ、ゴミガ』
アジラナがそう言ってまたGSを踏みつけると急に足を引っ張られた。ふと足を見るともう1人の方が踏みつける足をつかんでいる。
『……ナンノマネダ?』
『この足どかして』
燃は一生懸命GSからアジラナの足を降ろさせようとした。
『ねぇ…どかしてよ、この足…お願い…』
いや、普通に考えたら数の所に行くのが先だ。だが燃は心配する気持ちをこらえアジラナの方へ向かってしまった。
『ムシメ…』
アジラナは反対の足で燃をおもいきり蹴りつけた。だが燃はしがみつくようにして放そうとしなかった。
『コノムシガァ!!』
燃は綺夜羅や数と違ってそんなに単車のこだわりはなかった。
綺夜羅が作ってやるから一緒に走ろうぜと言ってくれたから乗っていて、そんなに多くのことを望んでいなかった。
だがそんな自分でも今は綺夜羅の作ってくれた単車をとても大事に思うのだから、こだわってGSに憧れて乗っていた数の気持ちは計り知れなかった。
だから今ピクリとも動かない有り様を見ても数に駆け寄るより、この外人に向かっていくことを選んでしまった。
その単車を踏みつけるのだけは許せなかった。
『オイ、ボウフラ。ハナセ、イイカゲンニシロ』
アジラナはとうとうイラつきが治まらなくなり燃の髪を引っぱり殴りつけていった。
しかし燃は一向に放さずまだ足をどけようとする。
『…どけてよ…足…』
『イイドキョウダガキ!』
アジラナは足をどかした代わりに全力で燃を引きずり回した。
燃は一方的に殴られるだけになり、やがて燃も倒れてしまった。
数は意識が朦朧とする中、必死にGSを守ろうとする燃の姿をぼんやりと見ていた。
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