暴走♡アイドル3~オトヒメサマノユメ~

雪ノ瀬瞬

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後編

は?

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『え!?川崎でCRSと!?』

 掠は愛羽と電話していた。愛羽たちが川崎に向かう途中で掠から連絡があり愛羽は途中で止まり応答した。

『うん。そうなの。あたしには綺夜羅ちゃんからは連絡来てないよ』

 掠は綺夜羅から連絡がないか聞きたかったのだが愛羽からもう今すぐCRSと戦いに行くと聞かされ焦りを感じていた。

『じゃあ、まさか綺夜羅もそこに?』

『分からないけど、あたしたちは綺夜羅ちゃんにその話はしてないから今日のことは知らないと思うんだけど』

『…分かった。愛羽、あたしも遅れるかもしれないけど行くからね!』

 掠は言うだけ言って電話を切った。

 旋と珠凛にもう1度連絡してみよう。もう1度だけ探し回ってみよう。
 掠はとにかくケガの治っている訳のない綺夜羅が心配だった。
 だがそこでまた電話がかかってきた。知らない番号からだ。誰だ?

『も、もしもし?』

『あー!出よった出よった!キミ蕪木さんやな!?あたし誘木浬ゆーて咲薇の友達やねんけど今平塚駅におんねん!悪いけど今から来てくれへん?』

 仕方なく掠が出ると途端に勢いよく関西弁が飛び出し、そのまま喋りきられてしまった。

『…は?』

『だから!キミ蕪木さんやろ!?あたし誘木浬ゆーて咲薇の友達やねんて!ほんで今平塚駅におるから悪いけど今から来てくれゆーとんねん!』

『……は?』

 この後掠はそのやり取りをもう2回繰り返した所で訳も分からず本当に仕方なく平塚駅に向かった。





 着いて掠は目を疑った。そこにいた3人の内の1人が椿原萼だったからだ。
 萼と言えば咲薇のいたチーム、暴走侍の現総長で大阪の時に咲薇を破門にすると言ってケジメという暴行の指揮を取っていた女だ。

 掠は萼を見るなり目を細めた。

『…なんで、あんたがいんの?あんたなんかが何の用?』

 萼はやれやれと言わんばかりに溜め息をついた。

『なんや萼。お前この子となんかあれなんか?』

『ぐっ…知るか。話せば長くなんねん』

 もちろん萼はこうなることが分かっていたから咲薇から綺夜羅たちの番号を手紙で聞いていたが自分で電話をかけなかった。

『まぁまぁまぁ。あたしらな、咲薇から手紙もらっててん。なんや姉妹を助けたってくれてな』

 慌てて浬が間に入る。

『手紙?咲薇ちゃんから?あんたたちに?嘘ばっか』

 掠は完全に納得がいかない。

『嘘やないわ!誰にも頼めへんからどうかお願いしますて咲薇の方から言うてんねんぞ!それやなかったら誰がこんなとこまで来んねん!』

 萼は負けじと言い返す。

『嘘!あんたなんかに咲薇ちゃんが頼むはずないでしょ!あんた、あんなことしといてよく咲薇ちゃんの友達なんて言えるわね!』

 何があったのか知らない槐はニヤニヤとまるであおるように笑っている。
 萼は静かな声で言い返した。

『…友達や…』

『っだから、どの!』

『どの口が言うとんのやろとあたしかて思てんねん…でもな、あいつはこんなあたしに頼みよんねん。咲薇があぁなったんはあたしにも責任がある。何もできんかったあの日から、あたしなりに何かしてやれることを探してる。あいつ、大阪に居場所ない思っとるんやろ?ふざけよって…あいつの大切なもの守ってくれって頼まれて、守ってやることができたら、それ友達ちゃうか?どの口が言うとんねんとは思っとるけどな、あたしはほんでお前の居場所は大阪にもあんねんぞっていうのを…その時言うてやりたいだけや』

 浬が後ろでヒューと口笛を鳴らした。

『蕪木さん。こいつこう見えてえぇとこも結構ありまんねん。あたしらに手伝えることがあったらなんでもやらせてや。おい槐!あんたもこっち来て話に加わらな。何ボケッとしとんねん』

『うるさいねん…勝手にやれや、三流芸人』

『なんやとぉ!?』

 一見まとまりのない3人だが掠は自分たちと同じような匂いを感じていた。

 それにCRSと戦うなら1人でも仲間は多い方がいいはず。

『…いいよ。連れてってあげる』

 その後、旋と珠凛が合流し川崎へ向かうことになった。
 掠の後ろに萼、旋の後ろに浬。1台余っていた燃のバブを槐が乗り4台で川崎を目指す。
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