暴走♡アイドル3~オトヒメサマノユメ~

雪ノ瀬瞬

文字の大きさ
109 / 173
後編

厚央へ急げ

しおりを挟む
 綺夜羅はアジラナ相手に打ち合っていくが、その恐るべき力に殴り飛ばされるばかりだった。

『くそっ…』(化物野郎…)

 対峙すればする程その驚異的な強さを思いしらされた。

『ドウシタ。イセイガヨカッタノハサイショダケカ?オマエタチハホントニクチダケヤローダ。アノコケミタイナアタマノガキトハデナアタマノガキモヒドカッタナ。ドッチモヨワクテワラッチマッタヨ。ソノクセクチダケハタッシャナモンダカラ、タンシャカラアシドカセナンテナマイキイイヤガッテ。クックック』

 その様子が綺夜羅にはよく分かった。きっととても敵わなかったはず。
 それでも最後まで単車を守ろうとした2人の姿が。

『燃…数…』

 綺夜羅は立ち上がった。すると何かが聞こえる。

『ン?ナニカキヤガルナ』

 単車の音と数台のライトが見えると、それらはすぐにそこまでやってきた。愛羽たちが到着したのだ。
 単車を降りるなり掠が走ってきた。

『綺夜羅!』

『掠。めぐ…珠凛…』

『バカ!心配したじゃん!何やってんのよ1人で!』

『お、落ち着けって。悪かったよ』

 掠が少し泣きそうになりながら怒るので綺夜羅は仕方なく謝る。

『ねぇ、それよりさ。その特攻服、どうしたの?』

 当然気になって旋が寄っていくと特攻服と聞いて愛羽もその中に入っていく。

『あっ、本当だ。特攻服作ったんだね、綺夜羅ちゃん…』

 愛羽はその背中を数秒見つめたが理解するのに時間がかかったようだ。

『え"ぇ~!?きっ、綺夜羅ちゃんそれどうしたの!?』

『う、うっせーな。それより麗桜がなんか急いで行っちまったけど、どーかしたのか?』

『大変なんだよ綺夜羅!優子ちゃんがコイツらにはめられて何億円もの覚醒剤なくしたことにされてヤクザに殺されちゃうかもしれないの!』

『なんだと?』

 アジラナは楽しそうにこちらを見ながらニヤニヤしている。

『あんのやろー。それでここにいたって訳か…めぐ!珠凛!お前ら行ってやれ!ここはあたしらに任せて、オメーらの先輩にそれ教えてやるんだ!』

『綺夜羅…』

『早く行け!!死んじまってからじゃ遅ぇんだぞ!!』

 旋と珠凛は互いに顔を見合わせてうなずいた。

『めぐ、行きましょう』

『うん!』

 2人は厚央へ続く道へと走っていった。

『ツカマエロ!ココカラヒトリモトオスナ!』

 アジラナの声でSEXYMARIAたちが次々に旋たちにつかみかかっていく。
 だが援護しようと愛羽たちが助けに入るよりも先に八代心愛がSEXYMARIAたちを蹴散らした。

『行け…優子を、頼む…』

『…ありがとう』

 旋たちは走り出した。

『ミア。オマエウラギッタッテノカ?』

 アジラナは笑う。もちろん今日のことは全て知っているはずだ。

『ふん。私はとっくにCRSなどではない。今はもうただの八代心愛だ。邪魔はさせんぞ貴様ら。私の命に代えても』

 旋と珠凛はその内に走って厚央に向かい、心愛が2人を背にして道を守る方に立ち構えた。
 玲璃と掠もその前に立ち、追おうとする敵を迎え撃つ。

 愛羽と綺夜羅は2人でアジラナの相手だ。

『おい、愛羽。あいつ、とことん強ぇーぞ』

 ここまでで綺夜羅はすでに相当なダメージを受けている。それが愛羽も見て分かった。

『うん。綺夜羅ちゃん、無理しないで下がってていいよ?』

『へへっ…オメーのそのボコボコの面で言われてもはいとは言えねーよ、バカ。安心しな、あたしはそんなやわじゃねーよ』

 2人と向き合うとアジラナは手を広げた。

『フフフ。サァガキドモ、ザンゲノジカンダ』
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし

かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし 長屋シリーズ一作目。 第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。 十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。 頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。 一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

処理中です...