暴走♡アイドル3~オトヒメサマノユメ~

雪ノ瀬瞬

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後編#3

優子の死

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『…え?』

 カチッ。カチッ。続けて戦国原は引き金を引いたが弾は発射されなかった。

 当然なのだ。すでに弾は全て発射されてしまったのだから。

『優子!』

 樹は優子に駆け寄った。旋は泣きながら119番に電話をかける。

『もしもし、厚木中央高校にいます。あの、人が撃たれて倒れてるんです。お願いします。救急車を呼んで下さい』

 珠凛と綺夜羅も側に駆け寄り、麗桜は戦国原の姿を見ていたがまだ頭の中の整理がつかないようだった。

『…樹』

 優子は弱々しい声で樹の名を呼んだ。軽く痙攣し呼吸が上手くできていない。

『あぁ!あたし、ここにいるよ!優子!』

 樹は優子の手を取った。

『…ずっと…会いたかったよ…』

 樹は震えた。

『優子頑張れ!今救急車が来るから!』

『…樹…タバコ…持って…ないか?』

『…あぁ!あるよ!』

 樹はタバコを取り出し自分で火をつけ、優子の口元まで持っていってやった。優子は息を吸えなかったがそのタバコに口を付けると微かにだが笑った。

『しっかりしろ!優子、あたしらがいるからな!』

『…大丈夫さ…こんなの…お前や…めぐを…殴った手の方が…痛かったよ…』

 旋はそれを聞いて涙が止まらなくなっていた。

『優子ちゃん、あたし…』

『いもうと…』

『え?』

 優子は旋に向かって笑いかけた。

『めぐと…珠凛は…妹…』

『優子さん…』

 珠凛は旋と一緒に優子の手を取った。

『樹…お願いが…あるの…』

『あぁ!なんだ!?』

『…あたしを…抱いて…ほしい…』

『あぁ!こうか?』

 樹は優子の体をゆっくりと起こさせ腕に抱いてやった。優子は泣いていた。

『…あのね…樹…あたしさ…』

『…あぁ、どうした!?』

 しかし優子は目を閉じ、もう何も言わなかった。

『優子…優子?…おい優子!…なぁ!優子!』

 まるで寝たフリをしているかのようにいたずらな、そして安らかな表情だが、優子が死んでしまったことはその場にいた全員が分かった。

『なんで…なんでだよぉ…』

『優子ちゃん…』

『優子さん…』

 樹も旋も珠凛も、それでも声をかけ続けることしかできなかった。

『ずっと一緒だって言ったじゃねぇか…やっと…やっとまた会えたんじゃねぇかよぉ~!!』

 樹は優子を抱きしめ泣き叫んだ。




『メイちゃん…あなたは…なんてことを…』

 愛羽はまだ目の前の全てを信じきれずにいたが、当の戦国原こそ完全に上の空だった。

『ねぇ、メイちゃん。さっき、終わったよ。お父さん、お母さんって言ったんだよね?どうして?メイちゃんはなんでこんなことをしなきゃいけなかったの?』

『…そんなこと、あなたには関係ない』

『そうだよ。どいて、愛羽』

 そう言って旋が優子の持っていた銃を持ち出した。

『殺してやる。あんたがいけない。あんたは死んで当然のことをした』

『やめてめぐ!』

 珠凛が言うのも聞かず旋は銃を戦国原に向けた。すると戦国原はニコッとして言った。

『殺して下さい。その通りです。ボクは殺されても当然のことをしました。その銃で撃ち抜いてくれれば終わりです。さぁ、早く』

『…その前に謝って』

『何故です?優子さんが死んでしまったからですか?』

『こいつ…』

『ならそれはボクは悪くありません。あなたたちが邪魔したから優子さんは死んだんです。あなたたちが余計なことさえしなければ、優子さんは予定通り鷹爪を撃ち殺していたんですから』

『この野郎!』

 旋は一気に引き金を引きそうになったが綺夜羅がその手を止めた。

『めぐ、やめとけ。せっかく分かり合えたんだからよ、もうあの人に悲しい思いさせんな。もうあのままの表情で、ずっといさせてやれよ』

 綺夜羅に肩を抱かれると旋は思い止まり、その場に泣き崩れてしまった。





 その後救急車とパトカーが到着すると、あたしたちはその場で起きたこと、今回のことを説明する為に警察署に行きました。

 あたしたち全員の証言が一致していることから、数時間の事情聴取の後あたしたちは帰されましたが、メイちゃんは逮捕されました。

 こうしてCRSとの戦いは終わったのでした。
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