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小説が好きでも得意でもない私が、小説を書いてもいいのでしょうか?
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初めて物語という概念に触れたのが、いつだったかなんて覚えているはずがない。
けれど、物心つく前にはすでに心の中に物語という概念はあったのだと思う。
以前、親から「幼い頃のあなたは、おもちゃを一直線に並べて遊ぶ癖があった。その際の表情は真剣そのもので、ちょっとしたイタズラ感覚でおもちゃの順番を入れ替えようものなら顔を真っ赤にして怒っていた」と教えられたことがある。
その話を聞いた時、私は自身の物語好きの原点がそこにあるような気がした。
もしかしたら、当時の私はおもちゃを並べるという行動で物語を表現していたのかもしれない。
先頭にレゴブロック、その次は怪獣、車、キャラクターの指人形、また怪獣、唐突に可愛らしいリス……。
一見、何の規則性もなくおもちゃを並べているだけに思えるその行為。
しかし、順番を入れ替えれば怒るということは、その無意味に見えるおもちゃの並びにも何らかの意図があったはず。
当時の私にしか理解できない、起承転結というかプロットというか……何かしらの流れがその時点ですでに存在していたのだと思う。
小学校にあがった私は、ある童話シリーズにハマった。
「ぼくは王さま」という長編童話だ。
この本に出会い、私は自身の物語好きであるという感覚を明確にした。
とはいえ、決して小説という存在を好きになったわけではなかった。
同時期、周囲で流行っていたハリーポッターシリーズ……その一巻目に手を出してみたものの読み切ることが出来なかったためだ。
もちろん、内容への興味や漢字の有無、言葉遣いの難解さなど……読み切るために必要な要素が当時の自分に不足していただけかもしれない。
けれど、それ以来、物語を小説という媒体で楽しもうという気はすっかり失せてしまった。
中学校にあがり、朝の読書タイムという名の拘束時間に教師から「活字以外の本は認めない」と言われた。
中古で買ったライトノベルをブックカバーで偽装して流し読みしていたものの、それも半分ほどまで到達したら飽きてしまい、続きが気になればアニメ版やコミカライズ版に移った。
そっちで見た方が、よっぽど楽しかった。
自分で物語を考えてみようという意欲が突如湧いてきたのは、大学生の頃だった。
すぐに、いくつかのストーリーが頭に浮かんだ。
これを世に出したら、すぐにでも天下が取れるのではないかと思い、調子に乗った。
無論、世の中そんなに甘いわけがない。今ではちょっとした黒歴史。
ただ、重大な問題に気付いたのは、その直後だった。
物語を世に出そうにも、どういった形で出せば良いか分からない。
小説を読まない人間に小説は書けないだろう……だからボツ。
美術の成績は壊滅的なのにマンガやイラストなんて……だからボツ。
思い立った時には、すでに道は閉ざされていた。
しかし、身体の内側から湧き出る創作意欲が「どんな無様な出来でもいいから、まず形にしてみろ」と急かしてくる。
結局、私は恐れ多くも消去法という形で小説に手を出すこととなった。
日課がネットニュースの閲覧であったため、活字への抵抗は比較的少ない方だったと思う。
学生時代、何枚もレポートは書いていたので書くこと自体も問題なし。
が、いざ小説を書こうとすると一文字目すら思い浮かばない。
ああ、小説を書いている人っていうのは、これが平然とできる人なんだ……凄いな。
その後、私は初心者向けの小説の書き方の本を購入し、一から勉強し直した。
とはいえ、それはかつて文豪と呼ばれた人々が書いたような高尚な文章を書くのが目標ではない。
目標はあくまで、小学生の頃に読んだ児童文学。
小説に抵抗を持つ私が、これまでの人生で最もストレスなく楽しめた物語。
最近になって、ようやくインターネット上に公開できる程度の勇気が湧いた。
公開してみると、ありがたいことに反応が返ってきた。
だけど、私はまだまだ未熟。自分の書いた物語を「作品」と表現することなど到底できない。
よって、今はただ「物語」と表現するよう心がけている。
本気で小説を楽しみ、本気で小説を書き、本気で小説に悩んでいる方の作品へ敬意を示すために。
けれど、物心つく前にはすでに心の中に物語という概念はあったのだと思う。
以前、親から「幼い頃のあなたは、おもちゃを一直線に並べて遊ぶ癖があった。その際の表情は真剣そのもので、ちょっとしたイタズラ感覚でおもちゃの順番を入れ替えようものなら顔を真っ赤にして怒っていた」と教えられたことがある。
その話を聞いた時、私は自身の物語好きの原点がそこにあるような気がした。
もしかしたら、当時の私はおもちゃを並べるという行動で物語を表現していたのかもしれない。
先頭にレゴブロック、その次は怪獣、車、キャラクターの指人形、また怪獣、唐突に可愛らしいリス……。
一見、何の規則性もなくおもちゃを並べているだけに思えるその行為。
しかし、順番を入れ替えれば怒るということは、その無意味に見えるおもちゃの並びにも何らかの意図があったはず。
当時の私にしか理解できない、起承転結というかプロットというか……何かしらの流れがその時点ですでに存在していたのだと思う。
小学校にあがった私は、ある童話シリーズにハマった。
「ぼくは王さま」という長編童話だ。
この本に出会い、私は自身の物語好きであるという感覚を明確にした。
とはいえ、決して小説という存在を好きになったわけではなかった。
同時期、周囲で流行っていたハリーポッターシリーズ……その一巻目に手を出してみたものの読み切ることが出来なかったためだ。
もちろん、内容への興味や漢字の有無、言葉遣いの難解さなど……読み切るために必要な要素が当時の自分に不足していただけかもしれない。
けれど、それ以来、物語を小説という媒体で楽しもうという気はすっかり失せてしまった。
中学校にあがり、朝の読書タイムという名の拘束時間に教師から「活字以外の本は認めない」と言われた。
中古で買ったライトノベルをブックカバーで偽装して流し読みしていたものの、それも半分ほどまで到達したら飽きてしまい、続きが気になればアニメ版やコミカライズ版に移った。
そっちで見た方が、よっぽど楽しかった。
自分で物語を考えてみようという意欲が突如湧いてきたのは、大学生の頃だった。
すぐに、いくつかのストーリーが頭に浮かんだ。
これを世に出したら、すぐにでも天下が取れるのではないかと思い、調子に乗った。
無論、世の中そんなに甘いわけがない。今ではちょっとした黒歴史。
ただ、重大な問題に気付いたのは、その直後だった。
物語を世に出そうにも、どういった形で出せば良いか分からない。
小説を読まない人間に小説は書けないだろう……だからボツ。
美術の成績は壊滅的なのにマンガやイラストなんて……だからボツ。
思い立った時には、すでに道は閉ざされていた。
しかし、身体の内側から湧き出る創作意欲が「どんな無様な出来でもいいから、まず形にしてみろ」と急かしてくる。
結局、私は恐れ多くも消去法という形で小説に手を出すこととなった。
日課がネットニュースの閲覧であったため、活字への抵抗は比較的少ない方だったと思う。
学生時代、何枚もレポートは書いていたので書くこと自体も問題なし。
が、いざ小説を書こうとすると一文字目すら思い浮かばない。
ああ、小説を書いている人っていうのは、これが平然とできる人なんだ……凄いな。
その後、私は初心者向けの小説の書き方の本を購入し、一から勉強し直した。
とはいえ、それはかつて文豪と呼ばれた人々が書いたような高尚な文章を書くのが目標ではない。
目標はあくまで、小学生の頃に読んだ児童文学。
小説に抵抗を持つ私が、これまでの人生で最もストレスなく楽しめた物語。
最近になって、ようやくインターネット上に公開できる程度の勇気が湧いた。
公開してみると、ありがたいことに反応が返ってきた。
だけど、私はまだまだ未熟。自分の書いた物語を「作品」と表現することなど到底できない。
よって、今はただ「物語」と表現するよう心がけている。
本気で小説を楽しみ、本気で小説を書き、本気で小説に悩んでいる方の作品へ敬意を示すために。
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