喧嘩するほど仲が良くもなくもない。

湖瑞

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「おはよーございます」
私、梓沢 凛はごくごく普通の高校生だ…と思う。
「おはよ、梓沢さん。
ね、あそこ凄い人だかりだね…」
クラスメイトの御影 祐奈が声をかける。
「あそこ…?
…っ!?」
「どうしたの?
あ、梓沢さん!?」
そこは、単なる教室の角だった。
ワイワイと騒がしく、如何にも陽キャ…というと聞こえが悪いが所謂『ムードメーカー』たちが微笑ましく笑っている…
そんな光景のはずだった。
…しかし…
「…あ。
凛、おは…っぐ!?」
私はそこにいる中心人物の脛を蹴り、其奴の手を引いていった。
「ちょ、梓沢さん!?」
御影 祐奈の声が聞こえたが、そんなことどうでもいい。
取り敢えず、此奴の始末方法について考えなくては。


「ちょっと!何してくれてるの!?」
人目のつかない屋上へ続く階段。
そこで私は、さっき連れ出した人物_若神子 瑞に尋問中。
「え、教室に行っただけだけど」
悪びれもなく、ケロリと言われる。
「だけ、じゃない!!
君は…!!」
_かっこいいことを自覚してよね!
…なんて、言えない。
だって、すぐ調子に乗るし…
絶対後々、面倒臭い。
私が尋問される。
…これは避けなくては。
「君は…
良くも悪くも目立つんだから!
そのこと、ちゃんと自覚して!!」
はいはい、と反省の色も見せずに返事をする瑞。
「話はそれで終わり?
俺、そろそろ行きたいんだけど」
何故か浮き足立っている気がするのは、私だけだろうか。
それが妙に鼻についた。
「あと!
名前呼び禁止!!
ちゃんと苗字で呼んで。
私たちは、幼馴染なだけ。
馴れ馴れしく構われて、私まで目立つのは嫌。
分かった!?」
呼んで欲しい気がしなくもない…
なんて死んでも言わない。
だって、すぐ調子に…
「はいはい、分かったから。
じゃ、俺は行く。
バイバイ、『梓沢』」
「~ッ
耳元で言わない!」
心臓が持ちそうにもない。
好きじゃない。
好きじゃないんだけどね?
顔はいいかもしれないけど…
「…もうやだ…」
なんで、私みたいな典型的な隠キャ…『消極的な人間』がこんな幼馴染と一緒にいるの…
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