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異世界で怪盗、始めました。
出会い
しおりを挟むこれが、私の「能力」!?
「ねえ、あなたの能力はなんだった?」
「…『この能力と同じ能力を持っている人と出会った時に発動する能力』です…」
「!?」
本当に、なんでこんな意味不明な能力なんだろ。なんかもっと、目からビームとか、手から爆弾とか、もっとドーン!バーン!ズドーン!みたいなやつかと思ってたのに…
「そんな能力、今まで聞いたことなかったよ。」
「う~…じゃあ、なおさら発動できないじゃないですか~」
「う~ん…じゃあ、あなたの場合同じ能力を持った人を探さないとだめみたいね。」
リサさんは、そうやって言うと、へへっと笑った。最初に出会ったのが、優しい人で良かっ…
ズドーン…
「大変だ!イリューが出たぞ!みんな逃げろ~!」
な、なにがあったんだろう…
「大変!イリューが出たらしいわ。はやく逃げないと!」
「あの、リサさん。イリューって、何ですか?」
「あぁ…ここにでる怪物のうちの1つ。異世界の竜だから、イリューって呼ばれてるんだけど…って、ひかり!後ろ!」
「えっ…」
私が後ろを向くとそこには、大きく手を振りかぶったイリューがいた。
あっ…私また、死ぬんだ…。
ー「あぶないっ!」
「きゃー。子供をかばった女の子が、車にひかれたわ!誰か、救急車を!」
段々と暗くなっていく視界に、最後に映ったのは、一筋のひかりだった。
それが、ここだったのに、私からまた、ひかりを奪うのだろうか。
「何、ぼけーっとしてんだ!」
誰…。
イリューと呼ばれる怪物の腕を、その男は、スパンと切りつけた。
「はやく、逃げろ!」
そう言う男に、その怪物は炎を吐き出した。
「あぶないっ!」
私がそうやって男の腕をつかんだ瞬間、眩しい光が私たちを包んだ。
そして、イリューと呼ばれる怪物は、バタリと倒れてしまった。
「…お前、もしかして。」
これはもしかして、能力!?
その男は、ポケットから小さな紙を取りだしてその紙を開いた。その紙には、私と同じ「この能力と同じ能力を持っている人と出会った時に発動する能力」と書かれていた。
「これ…」
私も紙を見せた。
「これが俺たちの、能力。」
そう、これが私たちの後に伝説として語り継がれる「出会い」である。
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