シカノスケ

ZERO

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大内輝弘の乱

焼かれた村

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下関への行く途中に小次郎達は焼かれた村などを見た。


「恐らくこの辺り一帯の大内の勢力は全滅ですよ。多分、大内軍は下関ではなくて上陸した秋穂浦じゃないですか?」


「なんでそう思う?」

小次郎は宗信に素っ気なく言う。


「だって下関って毛利領では重要な場所ですし。」

下関からは港で明と貿易したり、九州へ攻めいる前線基地でもある。


「ところで秋穂浦ってどこだよ?」


「ここから近いですよ。行ってみましょう。」


小次郎達は宗信の提案を受け入れた。


確かに敵の目がある下関から九州へ逃げるなんて有り得ないはずである。


しかし、小次郎には嫌な予感がする。

大内輝弘の乱についてはあまり知らないが大内軍の全滅だったはずだ。





小次郎達は宗信に言われた通り秋穂浦に向かった。

途中で馬を借りたり毛利の兵に職務質問的な事をされたが、なんと秋穂浦まで来た。


「ここが秋穂浦っスか。オイラ海見るの初めてっス」

海が見れてご機嫌が良いのはケン坊だけだった。


秋穂浦の海岸には恐らく大内軍が乗って来たであろう船が燃やされた後があった。


「これはもしかして大友に見捨てられたんじゃ…。」

「多分そうだと思います…。この辺りはまだ毛利の軍が来ていないから大友の水軍に見捨てられたかと思いますです。」

宗信は燃えカスとなった船を見て言う。。



「あ…お兄ちゃん!あたし大内軍がどこに行ったか分かるかも!」

先程から何かを考えていた優が久々に発言する。

「なんで分かるんだ?」


「単純に予想しただけなんだけど、多分大内軍は東に向かったと思う。恐らく浮野峠の茶臼山。そこなら地の利を活かして寡兵で大軍と戦えるよ。」


よくどこに何があるか分かるな…。

ふと感じた。優は政治以外でも参謀として活躍できるだろうなと。



「よし、優のいう通りに茶臼山に行ってみるぞ。」

「で…でも大内軍がいなかったらどうするんス?いなかったらその時点で任務失敗みたいなもんっスよ。」

ケン坊のいう通り、茶臼山に大内軍がいなければ大内輝弘は毛利軍に敗れ、自害している可能性が高い。


「どうせ西に行っても毛利軍がいるんだ。賢い大将なら東に逃げて再起を図るだろうよ。」




小次郎はそう言い空模様を見る。そして5人は茶臼山を目指す。


その時の雲行きは怪しく、小次郎は大雨の予感がしていた。


 
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