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傭兵(浮浪者)大集結

奏音ちゃんの演説

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浮浪者達を前に普段優しそうでか弱そうだった筈の奏音は堂々とした姿見せる。

「良いですか?あなた達は浮浪者、いわゆる職や居住が無く各地を彷徨っている者です。過去に犯罪を犯したり、自分が悪くは無いのに責任を無理矢理取らされ失脚されたり、生まれが悪くて職に付けない人もいるでしょう。しかし!この町を救うために戦って下さるのなら、セガの町の住民になってもらいたいです。」

この瞬間、この場は騒然となった。なぜなら得体も知れない浮浪者を町の住民にするのは他の町の領主なら絶対にしないことなのだ。

元犯罪者や山賊や盗賊、失脚した貴族等を町の住民に迎え入れるのは、その町の品格を下げる行為なのだ。更に元犯罪者や盗賊、山賊は何をしでかすか分からないため町に入れたくないという領主が殆どだ。

しかし、奏音はそんな浮浪者達を住民として迎え入れると言った。

「おいおい、姉ちゃんよぉ!奴隷みたいな扱いじゃねぇだろうな?ちゃんと農業や建築みたいな仕事させてくれるんだろうなぁ??」

「俺は奴隷みたいな扱いは嫌だぞ!」

やはり浮浪者は自分の扱いの事に心配を抱く者が多いようだ。

「そこは心配入りません。セガの町は人がドンドン都会へ流れているので常に人手不足の人材不足です。そんな状況であなた達を奴隷のように扱って逃げられたり反乱起こされたりするのは私たちも嫌です。仕事は週休2日制で、土地と食事、衣服は保証します。ただ、この町の文化は王都圏とは違います。建物や服、食事は違うため慣れるまで時間はかかるでしょう。お給料も最低でも20万ペラを保証します!」

奏音が提示した条件は全く悪くない・・・いや、むしろ最高の条件である。

この町の文化が他所の町とは違うのは奏音や町の様子を見ていたら流石の浮浪者達も気付いている模様だ。

「こんなに良い条件ならこの戦いマジになって戦ってやらぁ!!」

「その条件、ぜってぇ忘れんなよ!!」

「嘘付いたら全力で殺したるからな!!」

浮浪者達は言葉は汚いながらも奏音の条件に乗って、お金を受け取ろうとする。
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