アイツがあたしを好きと言った

哀川 羽純

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春ノ事

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春。
新しい学年に変わった。
幼馴染のアイツも同じクラスだった。
だからこうとか、あーとかそんなのない。
「やほー! 愛美! また同じクラスだね、よろしく」
去年、仲良くしてた岬。
「だねー! よろしくー!」
「あたしもー!」
「よろしく、よろしく!」
2.3人、去年同じクラスだった子に話しけられる。
そういえばさー、あそこの男子かっこよくなーい?
えー? あっちのがいいよ。
ないない、あっちだよ、あのメガネ。
えー! あのメガネだけはないって!
ありだよ! アリアリ!
それよりさ、あそこの男子、よくない?
え、どこどこ?
彼女たちがクラスの男子を物色している。
あたしはといえば、とくに興味がない。
別に彼氏が欲しい訳じゃないし、
男子にとことん興味がない。
彼氏いない歴=年齢だけど、そんなの気にしてない。
だって、いらないんだもん。
僻みでも妬みでも嫉みでも怨みでもない。
ただ、ただ、興味がない。それだけ。
「愛美はどー思う? 今回のクラス」
「え?」
「どの男子がカッコいいと思うってコトだよー!」
「あ、うん、えーっと……」
「ったくー! ホント愛美って男子に興味ないよねー!」
「ねぇー! 可愛いのにもったいなーい! ま、これでオトコ好きだったら女子ウケ悪いだろーなー!」
「え?」
「んまぁ、そのままでいいって事よ」
「あ、そう、」
やっぱりわからない。
なんだろう。
教室にいるとふと感じる疎外感。
皆んなと一緒にいるのに、なんでこう……


。・*・:♪


「よぉ」
ドンっと音と共に声をかけられる。
「あ、タカシ」
「うっす! また同じクラスだな」
「だね」
「なんかさっきお前達、俺の事みてなんか話してなった?」
「あーね」
「んだよ、え? ナニ? 悪口言ってた? まだ話してないのに?」
「イケメンウォッチだって」
「へー! で? 俺は? かっこいいって?」
「かっこいいって言ってたよ? 良かったね」
「うっしゃー!」
「あんた単純だね」
「そーか? オマエは俺の事どう思ってんの?」
「は?」
「どう思ってんの?」
「幼馴染」
「じゃなくてさー!」
わかんないかなー、そーゆーとこ。
ま、わかんないのがオマエだよなー、あーあ、
まぁ、そこがいんだろうな、うん。
とかなんとか、ブツブツ言ってる。
「だから何よ」
「別にぃ? 俺はオマエ、可愛いと思うよ?」
「また、そんな事言って、幼馴染だからってナニ言ってんのよ!」
「幼馴染だからだよ」
「は?」
「なんでもねぇーよ! バーロー!」
なんだ、あいつ。
「うるさいな、はじめるよ」
「うぃー!」

。・*・:♪


次の日の朝、つまり、始業式の翌日。
「ちょっと! 愛美!」
「え? ナニ?」
「昨日、屋上でイケメンくんと話してたって噂聞いたんだけど、あれなに!?」
あ、見られてたんだ。
別に隠す事じゃないし、
「幼馴染のタカシ」
「えー!幼馴染なの!?」
あっれ? 言わなかったっけ?
「うん、去年の秋頃から結構な頻度で屋上で会ってたよ?」
「まじかよー!」
「ね! 紹介してよ!」
「え?」
「別に好きじゃないんでしょ?」
ただの幼馴染だから。いいけど、
「いいよ?」
「やったー!」


。・*・:♪


「それで、俺を紹介したいって?」
「うん」
「お前はそれでいいのか?」
「いいけど、なんで?」
「わっかんないなぁ、オマエ」
「は?」
「つーかさ、同じクラスなんだから紹介も何もなくね?」
「あー、それもそーだね。言っとくわ」
「おねしゃす!」
「んじゃ、今日も始めますか」
「へい」


。・*・:♪


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