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5話 これからの約束
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――それから僕と鹿内は体をくっつけ合いながらたくさん話をした。高校時代に連絡先を交換し忘れたことを鹿内が後悔していたこと、コンビニで会ったのは偶然じゃないこと。
思い返せば、たしかにおかしい。小学校も中学校も僕たちは違う学区だった。帰る時間が一緒になったとき、校門から出たらすぐにまた明日と言って真逆の方向に歩いて行くくらい離れているお互いの家。ほかにももっと近いコンビニはあるはずなのに、彼がわざわざ僕の家の近所まで来る理由がないのだ。
僕が盆や正月に帰省しているのを高校の同級生から聞き何度か足を運んだと言っていて、想像すると笑ってしまった。
「卒業式のときの写真も送れてないし。なんでSNSのID交換しておかなかったんだろうって」
「まあ……学校外で会うこともなかったしな」
鹿内とは友達と呼べるかは微妙な関係だった。学校では話すけど、休みの日に出かけるほどの仲ではなかった。僕のクラスの担任はSNSでクラスのグループを作るのが嫌だと言って作らず、必要な連絡はメールで一斉送信されていた。生徒側も仲のいい人同士でグループを作るからとクラス全体のグループは作られることはなかったから、僕たちは互いの連絡先を交換することがなかったのだ。
数年越しに送られてきた卒業式の日のツーショットは、お互いどこかぎこちない笑顔だった。写真を見て2人とも思わず吹き出して顔を見合わせて――唇が触れ合う。舌を入れるやり方も教わって、夢中で唾液を絡め合った。
そのままカラオケを出てホテルに……行けたらよかったんだけど。もちろん鹿内からは誘われたけど、僕が断ったのだ。
理由は、あれだけキスして好きだと言っても少しだけまだ彼のことを信じられてないことと、彼が住んでいる場所のせい。
本社は僕と同じ東京だけど、今鹿内は地方の支社に勤めているのだと言っていた。一度でも触れ合ってしまえば離れたくなくなってしまう。それに、もし身体を繋げてからやっぱり違ったと思ったり、彼が僕に飽きてしまったら。長年蓋をしてきた想いとともに、あのころの不安も一緒に出てきてしまい、鹿内にそのことを告げる。
「うん……ごめんね、不安にさせちゃうよね。それに言われてみれば、俺も我慢できなくなっちゃいそう」
くすくす笑った鹿内は、そうだ、と続けた。
「じゃあさ……オタクくんが信じてくれるように、俺がどれくらいオタクくんが好きかって動画で送るよ。毎日は無理かもだけど、いっぱい」
「え、なに。告白しまくるとか?」
「ふふ……オナニー動画♡ オタクくんのことオカズにして撮ったやつ」
突然なにを言い出すんだと驚いて絶句してしまう。
「実は今までも卒アルとかの写真見ながら抜いてたんだよね」
僕でもしなかったことを告白されて、鹿内の気持ちを疑っていたことが少しだけ馬鹿馬鹿しく思えた。
「そう……なのか。まあ、送ってくれるのは嬉しいけど……」
鹿内のオナニー動画とか正直僕にとってもオカズでしかない。送られてきたらそれを見ながら僕もシコろうと思っていると、鹿内がにやりと笑った。
「もちろん、オタクくんもオナニー動画送ってね」
「はぁ!?」
「当たり前じゃん。お互いオナニー動画送り合って浮気してないって証明し合うのも兼ねてるんだから」
証明になるかはわからないけど、ここまで言ってくれる鹿内を信じたいという気持ちが強くなってくる。僕は小さく頷いて了承し、浮かんだ疑問を口にした。
「でもさ……いつまで送り合えばいいんだ? わがままだけど、ずっと触れ合えないのも嫌、だ」
「だよね……んっと、ね。俺、もしかしたら今年中に本社に戻れるかもしれないんだ。遅くても来年には戻れるはず。だから……待たせることになっちゃうけど、それまでで……どう?」
「……それなら、待つ」
その日まで鹿内が動画を送り続けていたら、きっと彼の想いが気の迷いじゃなかったと信じられるだろう。そんな予感がしながら、僕と鹿内はお互いにオナニー動画を送り合うことにしたのだった。
そして――思ったより早く、鹿内がこちらに戻ってくることになったのだ。
思い返せば、たしかにおかしい。小学校も中学校も僕たちは違う学区だった。帰る時間が一緒になったとき、校門から出たらすぐにまた明日と言って真逆の方向に歩いて行くくらい離れているお互いの家。ほかにももっと近いコンビニはあるはずなのに、彼がわざわざ僕の家の近所まで来る理由がないのだ。
僕が盆や正月に帰省しているのを高校の同級生から聞き何度か足を運んだと言っていて、想像すると笑ってしまった。
「卒業式のときの写真も送れてないし。なんでSNSのID交換しておかなかったんだろうって」
「まあ……学校外で会うこともなかったしな」
鹿内とは友達と呼べるかは微妙な関係だった。学校では話すけど、休みの日に出かけるほどの仲ではなかった。僕のクラスの担任はSNSでクラスのグループを作るのが嫌だと言って作らず、必要な連絡はメールで一斉送信されていた。生徒側も仲のいい人同士でグループを作るからとクラス全体のグループは作られることはなかったから、僕たちは互いの連絡先を交換することがなかったのだ。
数年越しに送られてきた卒業式の日のツーショットは、お互いどこかぎこちない笑顔だった。写真を見て2人とも思わず吹き出して顔を見合わせて――唇が触れ合う。舌を入れるやり方も教わって、夢中で唾液を絡め合った。
そのままカラオケを出てホテルに……行けたらよかったんだけど。もちろん鹿内からは誘われたけど、僕が断ったのだ。
理由は、あれだけキスして好きだと言っても少しだけまだ彼のことを信じられてないことと、彼が住んでいる場所のせい。
本社は僕と同じ東京だけど、今鹿内は地方の支社に勤めているのだと言っていた。一度でも触れ合ってしまえば離れたくなくなってしまう。それに、もし身体を繋げてからやっぱり違ったと思ったり、彼が僕に飽きてしまったら。長年蓋をしてきた想いとともに、あのころの不安も一緒に出てきてしまい、鹿内にそのことを告げる。
「うん……ごめんね、不安にさせちゃうよね。それに言われてみれば、俺も我慢できなくなっちゃいそう」
くすくす笑った鹿内は、そうだ、と続けた。
「じゃあさ……オタクくんが信じてくれるように、俺がどれくらいオタクくんが好きかって動画で送るよ。毎日は無理かもだけど、いっぱい」
「え、なに。告白しまくるとか?」
「ふふ……オナニー動画♡ オタクくんのことオカズにして撮ったやつ」
突然なにを言い出すんだと驚いて絶句してしまう。
「実は今までも卒アルとかの写真見ながら抜いてたんだよね」
僕でもしなかったことを告白されて、鹿内の気持ちを疑っていたことが少しだけ馬鹿馬鹿しく思えた。
「そう……なのか。まあ、送ってくれるのは嬉しいけど……」
鹿内のオナニー動画とか正直僕にとってもオカズでしかない。送られてきたらそれを見ながら僕もシコろうと思っていると、鹿内がにやりと笑った。
「もちろん、オタクくんもオナニー動画送ってね」
「はぁ!?」
「当たり前じゃん。お互いオナニー動画送り合って浮気してないって証明し合うのも兼ねてるんだから」
証明になるかはわからないけど、ここまで言ってくれる鹿内を信じたいという気持ちが強くなってくる。僕は小さく頷いて了承し、浮かんだ疑問を口にした。
「でもさ……いつまで送り合えばいいんだ? わがままだけど、ずっと触れ合えないのも嫌、だ」
「だよね……んっと、ね。俺、もしかしたら今年中に本社に戻れるかもしれないんだ。遅くても来年には戻れるはず。だから……待たせることになっちゃうけど、それまでで……どう?」
「……それなら、待つ」
その日まで鹿内が動画を送り続けていたら、きっと彼の想いが気の迷いじゃなかったと信じられるだろう。そんな予感がしながら、僕と鹿内はお互いにオナニー動画を送り合うことにしたのだった。
そして――思ったより早く、鹿内がこちらに戻ってくることになったのだ。
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