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第2章 人の人生を変えるなら、人に人生変えられるかくご位してやがれ
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しおりを挟む「ちょっと、石崎さん。何の言いがかりよ。私のとって来た新規契約の契約内容を半分もカットするなんて」
「そもそも、契約完了後、1か月以内に見直しでアフターフォローで挨拶に行くって、今年度決めましたよね。行ってないから、営業二課の人に頼んで行かせました。事前にメールでも勧告しましたよね。行かないなら、変わりに行く、と」
6月初旬の週末。
私は営業一課で、名前と顔が一致しない女子社員にクレームを入れられていた。
「すみません、石崎さん。この前の契約見直しの案件、うまく行きました。減額と増額の組み合わせで、石崎さんの提案通りで増額。初回料金もすでに入金確認済みです。僕、こんなに早く取引先に支払いを気持ちよくしてもらえたの初めてです」
そして、新人男性社員に喜ばれつつ、周りの女子社員に白い目で見られています。
「すみません。石崎さん。マキさんが会議中なんで、エスカレーション(上司対応)良いですか? 契約番号とお客様情報回します。新規契約の解約と支払い拒否です」
「あ、俺がする。何で、人が居ないからって、石崎さんにエスカレしようと思う訳?」
「え、だって何か仕事、やりたいって感じでうずうずしてそうだから?」
あぁ、面倒臭い。
「ちな。良いよ。せっかくだから、お話させて、普段どんなクレームをお客様が申し出ているのか? なるべく把握しておきたいから? きちんと状況を精査して検証できるしね」
事の他、仕事は進んでいる。
2か月の期間を使って、上司の提示した課題に向き合い、実践し、その内容をレポートにまとめて、最後は会社全体のコンペに出場し、良い成績を取れって事だ。
言われた事は、言われただけやる。
出来ない事でも、仕事はやらなきゃいけない時がある。
「お電話変わりました。わたくし、上席の石崎と申します。さきほど……」
私は、お金が貰えれば、どんな仕事でもかまわない。
選り好みはしない。
でも、最近、ちょっとだけ、さすがに仕事に好みが出来た。
話の合う人と、一緒に働きたいなあって。
冬野さんじゃない、ちなじゃない。
それは、真鍋ちゃんだった。
多分、気が合うんだろう。
「そうでしたか、それは大変申し訳ございませんでした。実際は、このサービスではご利用いただけなかったと言う事ですね」
うまくいかない仕事も、手が溢れてしまって取りこぼしてしまう時も、自分がピンチの時って、自分が信頼出来る人に任せるもんだと私は思っている。
バスケ何かのチームスポーツの時なんて、尚更
自分が試合でピンチの時に、他のメンバーが遠くに居るからって、傍にいる観客に助けを求めないだろう?
真鍋ちゃんだったら、自分のお客さんがピンチの時は、会議中でも割って入って私を呼びに来てくれるだろう。
「すぐに仕様を変更致します。今お話した内容を、明日新しい見積もりとしてお持ち致しますますので、この度は大変申し訳ございませんでした。私、石崎と申します。手塚様、本日は大変ご不便をおかけしてしまい申し訳ございませんでした」
電話を終わって、今受けたクレームの仕様変更をプログラムへ打ち込み反映させ、新しい見積もり書を作成し、再度取引先へ動作状況を確認した所にマキさんが会議から戻ってきた。
「あんた、何やってんの?」
「クレームのエスカレ対応です。先月取った手塚製作所の案件、契約プランが違ってましたよ」
「新規毎月何件取ってると思ってるの、いちいちそんなの覚えてないんだけど」
「じゃぁ、自分で取った案件は間違わないで下さい。わざわざ毎月、営業二課のためにたくさん仕事作ってくれるのは、ありがたいですけど、お客様は良い迷惑ですよ」
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