上 下
201 / 507
第3章 7days 3years fights

la vie en rose(ラヴィアンスノウ)から始まる湯布院旅<201>

しおりを挟む


夏の陽光が木漏れ日から差し込む軒先、テラス席4人掛けのテーブル2つ。



店内は2人掛けのテーブル席。



小規模だが、お洒落な並木道で、露天が多く立ち並ぶ界隈なので、テイクアウトがほとんだだと説明された。





「いらっしゃいませ」



「テイクアウトで」




ここに来るまでに、フクロウカフェや雑貨のお店。



無添加のはちみつや野菜や果物のコンポートショップ。



ハーブショップに、オルゴール館。



後で観光したいな。




ラム、ライムジュース、炭酸水。



グレナデンシロップ(いちじく)、ガムシロップ、はちみつレモンがある。



「ご注文はお決まりですか?」




マスターから借りた白いシャツに黒のスラックス。



黒のエプロンを制服に私はカウンターで開店間際から早速店でお客の注文を受けさせられた。



若いカップル。




「モヒートって、どんな飲み物?」



「ラムのスピリッツと炭酸水をライムで割って、自家製栽培のミントをあしらえた薄緑の飲み物です。甘味付けでハチミツをお入れしてもお作り出来ますよ」



「じゃぁ、ハチミツ入りで、一つ。ラベンダーティに、何かおススメは?」



「軽食であればフィッシュアンドチップス。インスタ映えで攻めるんでしたら、色とりどりのベジタブルチップスもありますが」



「じゃぁ、ベジタブルチップスで」



「かしこまりました。お会計、1250円になります」




初っ端から、景気よく注文してくる財布のひもがゆるゆるの観光客。



否、商品の価格設定から、フードの選定まで、中々センスが良い。



きっと、冬野さんより商才がある。



私は内心感心していた。
しおりを挟む

処理中です...