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第3章 7days 3years fights

マリアージュ<304>

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「恥ずかしい」





正直に言った。




目を閉じたまま、肩をすくめる私の肩に冬野さんは口付けた。




少し熱っぽい吐息が肩にかかって、ゾクゾクする。




「俺、嬉しいよ。 今のセイ。すごく、可愛い」





照れ臭くて、気持ちよくて、息が苦しかった。




「キスして良い?」



「はい」




目を閉じて暗闇の中、冬野さんに不意にキスを求められ、私がそう返事をすると冬野さんは私の唇を吸いながら、私の太ももに添えていた手の指をゆっくり動かし始めた。



痺れる様な、くすぐったい様で、痛い時もあって、全部の刺激が繰り返されて、指が身体の中に入って来た時、私は今まで感じた事のない痺れを覚えた。




「あ……あ……っ……ぁ」




息が自然と乱れてる。




「…あ…あ……っん………ユキさん。……っ……ぃ」



「痛い? やめようか?」




痛くても、くすぐったくても、気持ち良くても。



時々、言い知れず切ない気持ちになる。




お腹の下で何かが脈打つ様な。



疼く様な。



冬野さんが指を動かす度に、どんどん深みに嵌まっていく気がした。




「だ……め。……やめない……で」

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