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第4章 裏切りと脅迫と忘却
嵐の後の――― 嵐 ―――― 前編<429>
しおりを挟む思うけど。
ソウのシルビアに乗る時は、乗り込むと言うより、放り込まれるに近い。
私は有無を言わせて貰えず、後部座席に押し込まれドアを締められた。
ちなみに、悲しいかなチャイルドロックがかかっているので中からは開かない。
そしてなぜか、反対側の後部座席に、ちなが乗り込んできた。
「すいません、僕までお邪魔させていただいて」
「いや、良いスタッフさんだって、竹中の親父から聞いてる。これも何かの縁だ。 コーヒーは好きか?」
「えぇ、好きです。サイフォンコーヒー、一回飲んでみたかったんですよ」
何か早速、ソウとちなが仲良くなっているんですけど。
私取り残されているんですけど。
ちょっと待って。
カビリアンには……。
私の口の軽い幼馴染二人が居るじゃないかぁああああああああああああ。
「あの私、ちょっとお腹が」
「少し我慢しろ。イクヤとリサに、オムレツでも焼いて貰え」
やめてよ、違うって。
お腹空いたって話じゃない!!
食いしん坊じゃない。
「お腹が痛い様な」
必死にそう訴える私に、ソウは言った。
「病院とカビリアンとどっちが良いって話だ」
「……カビリアンでお願いします」
そうして私の抵抗はすべて無駄に終わり。
私は、ソウとちなととともにクラウンに足を踏み入れる事になったのだった。
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