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チュートリアル

偏在の森③

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「通常は村を焼くような威力を持つはずがないので……魔法威力を下げる必要性は本来ないんですよ。最強99レベでもせいぜいが魔王を3,4発使って焼く程度、それも伝説つよつよの武器を使ってですからね。この世界のことわり内部処理的な部分で言えば、貴方の場合は魔力や知力の強さ変数ではなく──ま、それは今はどうでもいいか」
「気になる……」
「気にしたところでどうしようもならないですよ!僕がそこを調整するつもりはこれっぽっちもありませんからね!ですから、多少強引な手段で優しい僕が制御してあげましょうねぇ❤︎」

 そう言ってラブリエルが指を鳴らすと、背後でヒルトが空間から何かをじゃらり、と手元に出現させた。

拘束具物理!!!」
「そ❤︎文字通りの縛りプレイ用アイテムです!あくまでも貴方をここにわざわざ転生させたのは"この世界以外も含む"僕のシステムの一つにするためですから!僕の魔力源としてびゅー❤︎びゅー❤︎してもらいながら、せいぜい第二の人生を楽しんでくださいね!」

 ヒルトはそれを器用に空中で展開する。素早くこちらへ生き物のように飛んできたかと思うと、そのフェティッシュかつ露出度の高い装備一式がしゅるしゅると身体に巻き付いた。フィット感と適度な締め付けを感じさせる衣装に、裸の時よりも羞恥心が高まる。大事な所は全く守れていない。

「ま、この世界に主人公は来ないですし、それ故に討伐もされません。悪くないでしょう?僕は優しいので、強い敵なら一発魔法を食らわせれば搾精出来る程度、弱い敵ならそのままペロリと、程度の力は残してあげますよ!」
「主人公が来ない?」
「だって貴方、あのゲームをインストールどころか開封もしないで死んでるじゃあないですか。ご両親が息子をしのんで遺品でシコるなら……まあまあお気の毒ですけど……ご両親を搾精することには……くっ……ふふっ……なるかもしれませんが……」

 可能性はなくもない。両親ともにそれなりのオタク故に。

「そうでもしない限りはそもそも閉じた世界オフラインなんですよね。だから違法改造チートしたところでぶっちゃけなんの意味もないんです!あぁ始まりの村にでも行けば、ぼんやり突っ立ってる主人公の姿キャラグラくらいは確認出来るんじゃないですかね?」
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