そうです私がモフリストです

ポンとパンとプン

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ラーメン

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砦の中に入ると 1人の男が声をかけてきた 

ずいぶんと若いな その歳でランク3とは 将来有望じゃねーか

マイケル テイマーだ 状況はどうなってますか?

ダンジョン近くの防衛拠点は激しい闘いらしい 高ランク冒険者や騎士団が守っている

たまに防衛ラインを抜けてくるモンスターがいるが まだ ここは静かなもんさ

いつ大量に湧いて出るか わからんから 今はゆっくり休んでおけ

はい わかりました

しかし 若い冒険者を見ると昔を思い出すな 俺はもう かなり昔に冒険者を引退してるんだ

そうなんですか なら 何故ここに?

ヒィロは俺が生まれ育ち ガキの頃からの知り合いも沢山いる まぁ家族はいなくて独り身なんだが

ここは俺の全て 守りたいんだ

俺はアンから来たのですが 全力で ここを守りたいと思ってます

お前 良いやつだな気にいったぜ  まだモンスター来なそうだし話を続けるか

ヒィロのギルマスとは幼馴染でな昔は一緒にパーティー組んでいたんだ

冒険者ランク4に上がる為の依頼中に左足を失って 冒険者を引退した

え!? その足は?

これは 機械都市メタルまで行って作ってもらったマジックメタルと呼ばれる義足さ

1番安いやつなんだが 当時貯めてた金 全て吹っ飛んだよ

仲間たちは パーティーに誘ってくれたが 俺は冒険者には向いてないと思って断った

今は教会で神父をやって たまに孤児院のガキ共と遊んでる

そんな話をしている時 大きな声が砦に響いた

くるぞーーーーーーーーー!!!!!!

どうしたぁぁぁ!

ダンジョンからユニークモンスターの角砕きが出てきたんだ!

今 高ランク冒険者と騎士団が角砕きと戦っている

角砕きとは 何ですか?

俺自身は見た事ないがダンジョンの下層に出現するデーモン系のレアモンスターだ

かなり強いらしく 見かけ次第 逃げるのを推奨されている

1番厄介な攻撃がレベルドレインでLVを吸収されるんだ

レベルドレインをくらうと角砕きのLVは上がり 吸われた者のLVは下がる

普通の角砕きでも厄介なのにユニークモンスター化してるなら さらに能力が上がっているはずだ

ワッショイの原因はユニークモンスターの角砕きで間違いないだろう

高ランク冒険者や騎士団はレベルドレインを喰らわない立ち回りをしてるはずだ

その他のモンスターにかまってられないだろう

くるぞ ここに

みんなー 気合いを入れろーーーーーーーーーーーーー!!!


俺は神父だから 全体を見て回復と支援をしてまわってくる 良いか 無理するなよ じゃーな

そう言って 俺に話かけていた男は行ってしまった

そういえば 名前聞いてなかったな

砦から外を見ると 遠くに大きいアリが見えた 20匹位が こちらに向かってくる

火アリが混じってるぞ 火のブレスに気をつけろー 他の冒険者が叫んでる

ミスズ みんなに水をかけてくれ

はーい それー

ミスズは最近 水魔法を覚えた

よし これでブレスを少しは軽減できるだろ

他の冒険者が弓や魔法で遠距離攻撃をし始めた

そろそろだな もうアリが目の前に迫ってきた!

ワタルが全員に光の導きをかける 全ステ5%アップ

いくぞ

生きて帰ってヒィロのスイーツ食べるんだ

腕がなるぜ

我こそ光 光こそ我

いきなり大変なことになりましたね

アモラがアリの先頭に突っ込んでいく

その後を俺 ミスズ ネネが続く ワタルは後方支援だ

初手 アモラがアリの先頭にシールドバッシュをぶちかます 吹っ飛ぶアリ

次々と襲いかかるアリ

俺とミスズは連携して 1匹ずつアリを仕留めていく

ネネは俺とミスズで1匹倒す間に3匹も倒していた

ワタルはホーリーアローで的確に援護している ふはははは

アリは難なく全滅させた

あいつら つえーな 遠くから他の冒険者の声がする

あっ また来たよ

今度は大きなトンボだ10匹位くる

他の冒険者の声がする 赤いやつ火を吹くから気をつけろー 火吹きトンボだ

ミスズはもう1度全員に水をかける

飛んでるから 戦いにくそうだ

ミスズ ウォーターボールで羽を狙ってくれ ワタルも羽を狙ってくれ

剣閃 ネネのスキルがトンボ2匹の羽を同時に切り裂いた


それから何回かモンスターの襲撃を撃退し これならいけると思ってた時 ヤツが現れた

なんだ あれは 4メートルはありそうなサソリが赤黒く燃えている

獄炎サソリだー 誰かが叫んだ

アレは強いですね

ネネ わかるのか?

何となくですが ここの砦にいる冒険者全員が一斉にかかって倒せるかどうかだと思います

ここは城まで撤退を推奨します

あんな危険なモンスターを城に市民に近付けさせるわけには いかない

ここで 食い止めるぞ!

あなたは おバカさんですね でも嫌いじゃありません

最後まで おつきあいします

獄炎サソリが砦に近付いてくる

撃てー 弓が魔法が放たれる あまり効いてるようには見えない

俺達と近接系の冒険者達は近付いてくる獄炎サソリに備えている

そして獄炎サソリの攻撃が始まった

それからは まさに地獄だった

冒険者が1人 また 1人 殺されていく

40人程いた冒険者が今では10人程にまで減ってしまった

俺達のパーティーは まだ全員何とか生きている だが みんなフラフラだ

攻撃は効いているはずなんだ もう少しのはずなんだ

その時 疲れなのか 一瞬の気の緩み 獄炎サソリの尾の毒針が俺に迫っていた

スローモーションに見える これは回避出来ない みんな ゴメン

死を覚悟した時 誰かが俺を突き飛ばした

俺がいた場所を見ると 最初に話かけてくれた神父が獄炎サソリの毒針に身体を貫かれていた

その光景を見た瞬間 俺は獄炎サソリに向かって走り出していた ここで決める

早く倒して治療しないと アモラ ミスズ ワタル ネネも同時に動いていた

防御は全くとらない 捨て身の攻撃である 全員一斉に最大火力を叩きつける!


いいかげん くたばれぇぇぇぇぇ!


獄炎サソリの動きが止まり 獄炎サソリの目の光が失われていく

完全に沈黙 どうやら倒したようだ

やったぁぁぁぁ!!!!!

生き残った他の冒険者の叫び声 そして泣いてる声が聞こえる

俺はすぐさま 神父にかけよって モフヒールLV10を使う

モフヒールはモフモフ系以外に使うと効果が半減するが俺にはこれしかない

すると神父が俺の手を握り 無駄だ たとえ回復特化の聖女でも この傷を癒すのは不可能

徐々に神父が弱っていく そんな顔するな 若者が先に死ぬ世界は間違っている

将来有望な若者の為に死ねるんだ 十分幸せな人生と言える

俺は泣いている まだ あなたの名前だって知らない

あぁ まだ言ってなかったか…  名前はラーメンだ どうだ うまそうな名前だろ

ガキの頃は からかわれた事もあるが俺はこの名前 割と気にいってるんだぜ

どうやら そろそろ お迎えがきそうだ 最後にマイケルお前に出会えて良かったよ

嘘…

そんな馬鹿な

あああ

マ マイケル…

どうした?

あ  あれ ダンジョンがある方向見て…

俺は絶望した

新しく獄炎サソリが2匹 こちらに向かって来ていたのだ



ラーメンが俺の手を少しだけ 強く 握った

大丈夫だ どうやら お前は運が良いらしい ラーメンはニコッと笑った

そして 息を 引き取った




























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