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シーワーズ帝国復讐編
第53話 どーも、聖剣の威力です
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前書き
前回のあらすじ
主人公 商人と交渉をする
本文
どーも、商人と交渉したオッサンです。
俺の目ってなんなの?ユリさんもプルトスさんも言っていたけど。まぁ、いいや。これで心ゆくまで戦える。逃走ルートの情報に次の国の拠点の確保。全ては生き残るために必要なこと。ユリさんは、上手く交渉出来たかな?共同戦線を張らなくていいから、例の武器の物に魔力を込めてくれれば何とかなる。たぶんだけどね。おっ、ユリさんが見え...はあ?
「ゆ、ユリさん?その人たちは?」
「ケンさんの奴隷です。この戦いにどうしても参加したいとのことで、対価は自分自身だそうです」
「いやいや、勝手に俺の奴隷にしないでよ!それに、皆んな俺たちと同じ仮面を被っているけど、どう見ても姫さまたちだよね?」
「ケン様、私たちは、もう貴方様の奴隷です。道具のように扱って下さい。以後末永く宜しくお願いします」
「ええ!?ちょっと待って...」
彼女たちが自ら奴隷に?そこまでするか、普通?どうして?
「ケンさん、彼女たちはウェストとの戦いを見て決断したそうです」
「どういうこと?」
「発言をお許しください、ご主人様」
この声はアルテさんだな。ご主人様って何だよ?小説とかでよく見かける単語だけど、実際体験すると、鳥肌が立つ。
「アルテさん、今まで通りに話してくれ?それと呼び名も前の通りでいい」
「かしこまりました。せめて様をつけさせて下さい。ケン様。私たちは、確かに強くなりました。ただ、それはあくまでも騎士と同じ、もしくはそれより僅かに上でしょう。騎士団隊長の相手には、数名で挑まなくては勝てません。ケン様とウェストの戦いを見て深く思い知りました。そして、悟ったのです。私たちだけでは絶対に勝てないと...だから、私たちは身を対価に奴隷として貴方様たちの指揮下に入れば戦えるのではないか。貴方様たちに、どんな形であれ付いていければ帝国を潰せると思い決断しました。裏切りないし密告者を心配されていたかと存じますが、セレネが付けていた宝珠のネックレスが原因だと思い別の場所に捨てました」
「それに、私たちに不利益な行動や言動をしないようキツく制限をしております。ケンさん、今回の作戦は少しでも人数がいた方がいいと思います」
「はぁ、この戦いまでの期間だけの奴隷ということでいいか?」
「申し訳ありません。ユリ様と交わした契約には一生涯奴隷としてお側に仕えることになっております」
「そんなもん、後で破棄すればいい。ユリさん、どんな交渉したらこうなるんだよ...」
「ふふっ、ケンさん、時には諦めが肝心ですよ?」
いや、諦めねーから。絶対に、奴隷から解放してやる。
「アルテさんと姫さまの言葉は理解出来たが、この戦いが終わったら契約の見直しだ。そこんとこ宜しく。時間も少ない、今回の作戦を伝える」
ちくしょう、作戦の大幅の変更が必要じゃねーか。めんどくせぇ。
「えーっと、聖剣の攻撃はおそらく拡散型の魔力暴走によるものだと推測される。何百人の魔力が拡散して周囲一帯の建物と住民を吹き飛ばす、もしくは消え去るだろう。姫さまたちにお願いした例のものは?」
「こちらに。2つ用意致しました。姫さまたちのが1つ、私のが1つです」
ユリさんから代物を受け取り、例の武器に装填させる。
ガチャ
「これで聖剣を持っているアレスを撃ち抜く。撃ち抜けなくても聖剣の魔力暴走と衝突して爆発すると思う。そして、この作戦の要は、いかに引き付けるか。この武器は、ユリさんに任せる。ユリさんが撃つまで、魔力障壁や敵兵の相手を、そうだな...イーリスさん、ケイアさん、姫さま、アルテさんで頼む。そして、アレスの聖剣による攻撃を引きつけるのは、俺とライアさんが二手に別れて行う。その後ろにカーラさんとハルさんとモイラちゃん。ここまでいいかな?」
「ケン様の仰せのままに。私たちは、ケン様の道具であり奴隷です」
「そう。なら命令だ。勝手に死ぬな。聖剣の攻撃を止めるだけが仕事ではない。むしろその後が本当の戦いだ」
全員が頷き、理解を示してくれる。
「もし、この作戦が失敗もしくは変更を余儀なくされたら南側にある大きな商会に逃げ込め。地下通路がある。逃走ルートだから、決して敵にバレるなよ。バレるようなら、そこで自害しろ。これも命令だ。いいな?」
はい!!
ユリさんを除く、全員が返事をする。強制命令ってすごいな。この戦いが終わったら、まじで解いてあげよ。
作戦の説明が終わり、俺は、スマホと神龍眼でアレスを確認する。魔力の集約が終わりつつある。何人かアレスの付近で倒れているのが見える。MP切れなのか、死んだのか、分からないが間もなく聖剣による攻撃が繰り出される。
「ユリさん、スマホを渡しておく。これで標準を定めるといいかもしれない。打ち終わったら、手筈通り頼むね。それじゃあ、作戦を開始しますかね」
俺の後ろに続いてライアさん、カーラさん、ハルさん、モイラちゃんが走り出す。目標のアレスまで隠密スキルで近づき、聖剣の攻撃が来たら左右に別れる。
ズ、ズズズ、ゴォォオッ
どんだけ魔力を集めたんだよ。近づくにつれて異様な空気が漂ってくる。死の匂い...感覚でわかる。
龍聖波!!!ゴォォォォオオオオオオオオンッッ
「魔力障壁展開しろ!!もう少し近づいたら、ライアさんとカーラさんとハルさんは左に逸れてからアレスに近づけっ!モイラちゃんは、俺の後ろに!!」
了解!!
『魔力障壁・魔力強化』
聖剣の一撃によって、建物は消え、人も消滅していく。赤い魔力波が広範囲にぶち込まれる。魔力操作で障壁の形状を変える。矢印のようにして赤い魔力波を受け流していく。
「チッ、視界が悪い!モイラちゃん大丈夫!?」
「うん、何とか...くっ!」
俺の魔力障壁で防いではいるが、どうしても余波がモイラちゃんに襲う。ここは耐えてもらうしかない。
俺たちは少しずつ前に進みアレスに近づく。台風の中に傘をさして歩いているみたい。アレスと一瞬目が合った気がした。確実に目が合ったな、これ。俺に対しての赤い魔力波の威力が上がる。
「ま、前に進まねーよ。ちくしょうが!!」
ユリさん、頼む。成功させてくれ!
後書き
次回 弾丸
前回のあらすじ
主人公 商人と交渉をする
本文
どーも、商人と交渉したオッサンです。
俺の目ってなんなの?ユリさんもプルトスさんも言っていたけど。まぁ、いいや。これで心ゆくまで戦える。逃走ルートの情報に次の国の拠点の確保。全ては生き残るために必要なこと。ユリさんは、上手く交渉出来たかな?共同戦線を張らなくていいから、例の武器の物に魔力を込めてくれれば何とかなる。たぶんだけどね。おっ、ユリさんが見え...はあ?
「ゆ、ユリさん?その人たちは?」
「ケンさんの奴隷です。この戦いにどうしても参加したいとのことで、対価は自分自身だそうです」
「いやいや、勝手に俺の奴隷にしないでよ!それに、皆んな俺たちと同じ仮面を被っているけど、どう見ても姫さまたちだよね?」
「ケン様、私たちは、もう貴方様の奴隷です。道具のように扱って下さい。以後末永く宜しくお願いします」
「ええ!?ちょっと待って...」
彼女たちが自ら奴隷に?そこまでするか、普通?どうして?
「ケンさん、彼女たちはウェストとの戦いを見て決断したそうです」
「どういうこと?」
「発言をお許しください、ご主人様」
この声はアルテさんだな。ご主人様って何だよ?小説とかでよく見かける単語だけど、実際体験すると、鳥肌が立つ。
「アルテさん、今まで通りに話してくれ?それと呼び名も前の通りでいい」
「かしこまりました。せめて様をつけさせて下さい。ケン様。私たちは、確かに強くなりました。ただ、それはあくまでも騎士と同じ、もしくはそれより僅かに上でしょう。騎士団隊長の相手には、数名で挑まなくては勝てません。ケン様とウェストの戦いを見て深く思い知りました。そして、悟ったのです。私たちだけでは絶対に勝てないと...だから、私たちは身を対価に奴隷として貴方様たちの指揮下に入れば戦えるのではないか。貴方様たちに、どんな形であれ付いていければ帝国を潰せると思い決断しました。裏切りないし密告者を心配されていたかと存じますが、セレネが付けていた宝珠のネックレスが原因だと思い別の場所に捨てました」
「それに、私たちに不利益な行動や言動をしないようキツく制限をしております。ケンさん、今回の作戦は少しでも人数がいた方がいいと思います」
「はぁ、この戦いまでの期間だけの奴隷ということでいいか?」
「申し訳ありません。ユリ様と交わした契約には一生涯奴隷としてお側に仕えることになっております」
「そんなもん、後で破棄すればいい。ユリさん、どんな交渉したらこうなるんだよ...」
「ふふっ、ケンさん、時には諦めが肝心ですよ?」
いや、諦めねーから。絶対に、奴隷から解放してやる。
「アルテさんと姫さまの言葉は理解出来たが、この戦いが終わったら契約の見直しだ。そこんとこ宜しく。時間も少ない、今回の作戦を伝える」
ちくしょう、作戦の大幅の変更が必要じゃねーか。めんどくせぇ。
「えーっと、聖剣の攻撃はおそらく拡散型の魔力暴走によるものだと推測される。何百人の魔力が拡散して周囲一帯の建物と住民を吹き飛ばす、もしくは消え去るだろう。姫さまたちにお願いした例のものは?」
「こちらに。2つ用意致しました。姫さまたちのが1つ、私のが1つです」
ユリさんから代物を受け取り、例の武器に装填させる。
ガチャ
「これで聖剣を持っているアレスを撃ち抜く。撃ち抜けなくても聖剣の魔力暴走と衝突して爆発すると思う。そして、この作戦の要は、いかに引き付けるか。この武器は、ユリさんに任せる。ユリさんが撃つまで、魔力障壁や敵兵の相手を、そうだな...イーリスさん、ケイアさん、姫さま、アルテさんで頼む。そして、アレスの聖剣による攻撃を引きつけるのは、俺とライアさんが二手に別れて行う。その後ろにカーラさんとハルさんとモイラちゃん。ここまでいいかな?」
「ケン様の仰せのままに。私たちは、ケン様の道具であり奴隷です」
「そう。なら命令だ。勝手に死ぬな。聖剣の攻撃を止めるだけが仕事ではない。むしろその後が本当の戦いだ」
全員が頷き、理解を示してくれる。
「もし、この作戦が失敗もしくは変更を余儀なくされたら南側にある大きな商会に逃げ込め。地下通路がある。逃走ルートだから、決して敵にバレるなよ。バレるようなら、そこで自害しろ。これも命令だ。いいな?」
はい!!
ユリさんを除く、全員が返事をする。強制命令ってすごいな。この戦いが終わったら、まじで解いてあげよ。
作戦の説明が終わり、俺は、スマホと神龍眼でアレスを確認する。魔力の集約が終わりつつある。何人かアレスの付近で倒れているのが見える。MP切れなのか、死んだのか、分からないが間もなく聖剣による攻撃が繰り出される。
「ユリさん、スマホを渡しておく。これで標準を定めるといいかもしれない。打ち終わったら、手筈通り頼むね。それじゃあ、作戦を開始しますかね」
俺の後ろに続いてライアさん、カーラさん、ハルさん、モイラちゃんが走り出す。目標のアレスまで隠密スキルで近づき、聖剣の攻撃が来たら左右に別れる。
ズ、ズズズ、ゴォォオッ
どんだけ魔力を集めたんだよ。近づくにつれて異様な空気が漂ってくる。死の匂い...感覚でわかる。
龍聖波!!!ゴォォォォオオオオオオオオンッッ
「魔力障壁展開しろ!!もう少し近づいたら、ライアさんとカーラさんとハルさんは左に逸れてからアレスに近づけっ!モイラちゃんは、俺の後ろに!!」
了解!!
『魔力障壁・魔力強化』
聖剣の一撃によって、建物は消え、人も消滅していく。赤い魔力波が広範囲にぶち込まれる。魔力操作で障壁の形状を変える。矢印のようにして赤い魔力波を受け流していく。
「チッ、視界が悪い!モイラちゃん大丈夫!?」
「うん、何とか...くっ!」
俺の魔力障壁で防いではいるが、どうしても余波がモイラちゃんに襲う。ここは耐えてもらうしかない。
俺たちは少しずつ前に進みアレスに近づく。台風の中に傘をさして歩いているみたい。アレスと一瞬目が合った気がした。確実に目が合ったな、これ。俺に対しての赤い魔力波の威力が上がる。
「ま、前に進まねーよ。ちくしょうが!!」
ユリさん、頼む。成功させてくれ!
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