どーも、反逆のオッサンです

わか

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サツキ公国編

第76話 どーも、神に愛されし男です

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前書き

前回のあらすじ

主人公 鍛錬に勤しむ


本文


どーも、鍛錬していたオッサンです。

「おい!ネイレス、ここは安全じゃなかったのか!?」

「安全だった、もう過去のことです!」

「言い争いはいいから、早く馬車に乗りなさい!!逃げるわよ!」

ちくしょーが!何で法国の奴らがここまで来んだよ!


襲撃に会う前のこと。

俺は女王様の素振りを観察していた。何か参考になるかもしれない。何か得るものがあればと思っていた矢先。ユリさんが音を拾う。複数の足音、鎧の音、馬の足音、馬車の音。聴覚に優れているユリさんだからこそ拾えた僅かな音。

「2人とも、鍛錬を中止して。何かが近づいてくる。私が確認してくるから2人は荷を何とかして!」

「分かりました、早急に取り掛かります」

俺と女王様で天幕や風呂などマジックバックに放り込む。すぐ出発出来るように馬車の用意もする。ユリさんが戻ってくるまでに支度が整えた。

「ケンさん、中規模の軍隊がこちらに接近しているわ」

「はあ?どうしてこの道を?」

「分からない、例のもので確認出来るかしら?」

ユリさんが言っているのはスマホのことだろう。俺は木の枝の上に飛び降り、スマホで偵察する。あの紋章...


冒頭に戻る。

「この馬車を素通りしてくれると思う?」

「分からない、でも彼らにこの馬車を知られると取り上げられるかもしれないわ」

「そうですね。この馬車の運用方法は多岐に渡るほど素晴らしいものです。殺してでも奪い取るに違いありません」

「こっちは鍛錬でくたくたなのに...緊急事態だ。悪いが呼び捨てにさせてもらう。ネイレスは馬車の中に、ユリは馬車の上から弓で狙撃。俺はゴーレムに魔力を込めてゴーレムの操作をする」

「分かったわ」
「分かりました」

返事と共に行動を開始する。ユリさんが馬車の上に軽やかに飛び降り、ネイレスは馬車の中に。俺はゴーレムに魔力を込めながら馬車を動かす。この道は、ネイレスだけしか知らなかったのでは?裏切ったか?

「ケンさん!先行隊がこちらに気付いたわ!」

「ユリ!いけるよな?」

「任せなさい」

ユリが矢を放ち、先行隊を潰す。どーせ、追われる立場だ。やれる時にやらないと、俺たちが死ぬ。この馬車には、キサラ法国が嫌うエルフとサツキ公国の女王が乗っている。最悪なのはネイレスの魔力がほぼ残っていないこと。

「ネイレス、俺のマジックバックからMPポーションが入っている!飲んでおけ!いざという時に魔力解放で敵の足止めをしてもらうからな」

御者席の後ろの窓を開け、ネイレスにマジックバックを投げ渡す。裏切りの可能性は低いと判断してのこと。大体、自分が死ぬかもしれないような事なんてしないだろう。

「分かりました!タイミングはお二人にお任せします」

「しっかり休んでおけよ?あと、殺すことに戸惑うな。生き残りたいなら役目を果たせ」

「はい」

魔力の消費を増やし馬車の速度を上げる。さすがにこの速度だとユリの弓での攻撃は無理か。振り落とされてしまうからな。一旦馬車の中に戻ってもらう。

「ユリ、龍眼化。それと敵の強さの判別を任せる。弱かったら迎え撃つ」

「分かったわ」

ユリが馬車の窓から身を乗り出し確認してもらう。馬ゴーレムがどのくらい早く走れるか分からないが、可能な限り速度を上げる。後は、搭載されているハンドルで方向を変えながら突き進む。

「ネイレス、道案内よろしく!」

「おそらく、私が好んでいく道の情報が漏れている可能性がありますので違うルートになりますがよろしいですか?」

「構わない。お前がそう判断したのであれば、俺たちはそれに従って馬車を走らせる」

「畏まりました。では、左に曲がってください。細いですが、昔使われていた外道があります!」

「ガッテン!2人とも振り落とされるなよ?」

ハンドルを左に回すと馬ゴーレムが左に曲がると同時に馬車が遠心力に従って大きく揺れる。その際に、イタァッ!という声が馬車の中から聞こえた。

「ケンさん、もっと丁寧に曲がれなかったの!?」

「仕方ねーだろ!スピード調整が難しいんだから、このままの勢いで曲がるしかなかったんだよ!」

「ユリ、落ち着いて!ぷふ、頭をぶつけて怒るのは分かるけど、今はそんな場合では無いわ」

「ネイレス!今、笑ったわね!」

「そんなことどーでもいいから、敵の強さを教えてくれ!」

「ケンさん...覚えておきなさいよ。敵の軍隊の中に一際大きい魔力があったわ。帝国で見かけた神官長と同等よ」

「マジかよ?イカれた神官長と同等ていうのはマズイな。ネイレス、心当たりあるか?」

「私が女王に即位した時からしつこく言い寄ってくる神官長がいました。光の神官長です。自分に酔っていてる男。恐らく、その方だと思われます」

「ナルシストの上にストーカー野郎かよ。それで、どんな感じに狂っているだ?」

「神に愛されし美男子と言っておりました。吐き気がします」

「ヤバい、そいつはヤバいな。完全にイカれてやがる!」

「キサラ法国にまともな人はいないのかしら?」

「いないだろ?たぶん。そのナルシスト野郎の特徴…はいいや。攻撃手段はなんだ?」

「私は知りません。城にいたメイドに手を出している事しか知りません。気持ち悪い男です」

攻撃手段が分からないと対策が出来ない。光、ヒカリ、ひかり…俺の知識にもない。光と言ったら回復のイメージが強いし、後は光線くらいか?

「ケンさん!右に!」

ユリの声に反射的にバンドルを右に切る。間一髪光のビームを避ける事が出来た。光のビームヤバい。地面が焼けているじゃん!

「ユリ、避けて進路を変えさせてくるかもしれない。馬車の後ろだけでいいから魔力障壁の展開を頼む!」

「任せて!」

ユリさんが魔力障壁を展開した瞬間、もう一度光のビームが飛んできて衝突する。障壁は破られず塞ぎきる。なるべく魔力を温存したいから光のビームが来る時だけ障壁を展開してもらう。

「遠距離攻撃が出来るのがユリさんだけ...俺は操縦で手が離せない。ネイレスに魔力解放をしてもらうか?いや、まだ早いか。考えろ、俺。何かあるはず」

考えろ、切り札はある。ただそれは、本当にヤバい時だけ。まだ使う必要性を感じない。どうする?



後書き

次回 爆弾樽
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