戦国巨神タロス

千葉和彦

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第1話

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 駿河愛鷹山麓の一角に、風魔一族の隠れ里
がある。かつて執権北条氏に仕えた忍びの者
の末裔で、風魔半月斎を頭領と仰ぐ百人余り
が農耕と狩猟で生計を立てていた。
 里のはずれに、小さな洞がある。大陸から
渡ってきた神が、仙人の勧請によって、この
地に鎮座したと伝えられる。
 洞の奥に、その神を祀っている青銅製の神
像がある。立っている姿で身長七尺、羽根を
広げているので、京都の民なら「天狗さんや」
と口走るところだ。
 事実この神像は、天狗と同一視され、「太
郎坊大権現」と呼ばれることが多い。ただ、
これは訛っているので、もとは「タロス」と
呼ばれていたという。
 半月斎の祖父が鎌倉の都を逃れ、執権北条
氏の末裔と別れて移ってきたのと同時期に、
この洞は掘削されていたようだ。だが、詳し
いことは分かっていない。すべては伝説の彼
方である。

 ある日、この太郎坊の神像の目から雫が、
いや涙がこぼれ落ちるのを、里の若者が見つ
けた。山中才四郎、多目権兵衛、荒川又次郎
の悪童三人組だが、怪異な出来事に首をひね
るばかり。
 半月斎が孫娘の千鶴とともに現われる。神
像を見た半月斎は、「また、いくさがあるか
もしれぬ」とつぶやいた。二十年前にも同じ
怪異が見られたが、ちょうどその日に、京の
都では、細川、山名の両軍が激突して、世に
いう「応仁の乱」が起こっていたのである。
 悪童三人組は「われらが世に出る好機では
ないか」とはしゃいでいたが、千鶴は妙な胸
騒ぎを感じていた。

 同じ日、長享元年(1487年)十一月十
五日、駿河守護代・小鹿刑部少輔範満は、駿
府の居館を出て、舎弟・孫五郎範慶をはじめ
一党を従えて、焼津の小川郷に向かった。
 行く先は、「法永長者」こと長谷川大膳が
主を務める小川館であった。この館には、今
川龍王丸とその生母・北川殿が、今もなお庇
護されていた。
 龍王丸の父であり、刑部には従兄にあたる
駿河守護・今川義忠が、国内の動乱を収めよ
うとして、流れ矢にあたって落命して、すで
に十一年。数え十五歳になった嫡男・龍王丸
が守護職を継ぐのが筋だったが、守護代の小
鹿刑部が異を唱えていた。
 もともと後見人であった刑部の心中に、自
分が家督を継ごうという野心が芽生えだして
いたのだ。この日も、北川殿が「龍王丸襲封
のこと、堀越公方さまを通じて幕府に上申を」
と迫ったのに、刑部は曖昧な返事で言葉を濁
そうとした。

 この頃、京都の将軍家は、室町幕府九代・
足利義尚である。義尚の伯父の足利左馬頭が
堀越公方として、伊豆堀越から関八州に睨み
を利かせている、はずであった。
 しかし現実には、左馬頭の配下である関東
執事・上杉伊予守が実権をふるっていた。こ
の上杉伊予守が小鹿刑部の亡妻の父であるこ
とから、駿河国の守護職人事も伊予守の掌中
にあったのだ。

 そんな訳で、龍王丸の母の訴えも、刑部は
馬耳東風で済まそうとしていた。
 ところが、このとき、風向きが変わった。
小川館の表で、小鹿孫五郎と旅装の武士二人
との間にひと悶着あったのだ。兄・刑部を
「お屋形さま」と孫五郎が呼んだのを、年長
の武士が「それは非礼」と決めつけたのだ。
 駿河国で「お屋形さま」と呼ばれるのは、
龍王丸ひとりのはず、という。
 カッとなった孫五郎は抜刀したが、年若の
武士(大道寺太郎)に、あっさり刀をもぎと
られてしまう。長谷川大膳が騒ぎを聞きつけ
て止めに入るが、年長の武士の顔を見て驚い
た。
 「これは、伊勢新九郎さま」――北川殿の
弟であり、京都で幕府申次衆をしているはず
の伊勢新九郎盛時であった。  

 龍王丸の御座所に入った新九郎は、「この
たびお役御免、天下の素浪人となったので、
ぜひとも居候したい」と言う。龍王丸が苦笑
し、「元服も済ませないでいるわたしの元に、
幕府申次衆であられた叔父上が居候とは?」
 と訊き返す。刑部だけの面前とは異なり、
龍王丸は朗らかであった。そして、次の新九
郎の言葉が刑部を仰天させた。
 「いや、そのことで、京都におわす将軍家
の御教書を預かっている。駿河一国を守護不
在のままにしておくのは、何かと不用心であ
る。そこで龍王丸を元服させ、併せて守護を
継がせたいという内願を、堀越御所より差し
出されたい。これは間違いなく、将軍家から
堀越公方さまへのお指図である。この書状を
届けるのが、わしの最後のお役目となったわ」
 新九郎は、御教書の巻物を自分の襟から出
してみせた。小鹿刑部は何か訊ねようとした
が、新九郎の威厳に気おされて、すごすごと
下がっていった。
 「小鹿どのも、昔はあのような方ではなか
ったが」と北川殿が安堵まじりに言うと、新
九郎は「権力は人を盲目にさせる。わしとて
分からぬよ」と言い放って、龍王丸と北川殿
を驚かせた。

 駿府近郊の野。小鹿刑部は、孫五郎と近臣
を連れて狩りに出た。
だが、気を紛らすための狩りであったが、そ
のさなかも新九郎の巨姿は刑部の脳裏を離れ
ず、屈辱感は増すばかりだ。
 駿府居館への帰路の途中、刑部の一行を地
侍の一団が襲った。「譜代の方々や、われら
地侍をないがしろにする守護代どの、お命ち
ょうだいっ!」と地侍は喚く。
 刑部一行は瞬く間に斬り殺される。刑部も
孫五郎も死を覚悟した。だが、そこに疾風の
ように飛び込んできた一個の人影。総髪の青
年だが、その太刀筋は妖しく、地侍をことご
とく斬り捨てていった。
 われに返った刑部は、青年に名を訊いた。
「桑原鬼平太」というのが青年の名乗りであ
る。実は、この鬼平太、執権北条氏の末孫に
あたるのだが、刑部は知る由もなかった。

 その日の夕刻、刑部と孫五郎は、居館に鬼
平太を招いての酒宴になった。
  酔いが進むにつれて、孫五郎の口は軽くな
る。ついに「あの伊勢新九郎さえ亡き者にし
てしまえば、龍王丸や北川殿など赤子の手を
ひねるようなもの。駿河一国、われら兄弟の
手中に収められる」と口走った。
 それを聞いた鬼平太が、「それがしが伊勢
どのを始末してもよいが」と平然と言った。
さすがに刑部は酔いをさまして、弟・孫五郎
と鬼平太を諭した。
 「十一年前、義忠の急死の混乱に乗じて、
斯波義良の軍勢が押し寄せてきた。そのとき、
二千の兵が石脇の小城ひとつ落とせず、引き
あげていった。そのときの石脇城の守将は、
義忠の食客であった伊勢新九郎だった」
 だが鬼平太は、そんな昔話を意にも介さな
い。「いくさ上手な大将が、剣をふるっても
一流とは限るまい」と言ってのけた。刑部は
さすがに考えこんでいたが、やがて静かに口
を開いた。
 「あの者はいま、伊豆の堀越御所に出向い
ている。駿河に戻るより前に片づけてほしい。
恩賞は望みのままに取らせよう」

 伊豆の堀越御所。
 堀越公方・足利左馬頭に、正装に身を固め
た新九郎が、将軍の御教書を差し出した。拝
読した左馬頭は大いに頷く。
 「わしは、足利の連枝として関東の仕置き
一切を任された身であるが、後詰ともいうべ
き駿河への気配りを欠いていた。これは、わ
しの手抜かりであった」
 左馬頭は、執事の上杉伊予守を呼び出して、
龍王丸元服の烏帽子親になるよう命じた。そ
れと共に、龍王丸を駿河守護職に任じたいと
いう内願の書状を左馬頭から将軍家に送るの
で、それに副署するよう命じた。
 これによって、今川龍王丸の地盤は確固た
るものになるだろう。小鹿刑部の義父であっ
た伊予守には、内心|忸怩たるものもあった
が、左馬頭の裁断はすでに下っていたのだ。

 そのあと、新九郎は、左馬頭の所望に応じ
て、流鏑馬の腕前を披露した。
 馬場を囲んだ見物人の中には、近くの市に
獣皮を売りに来た山中才四郎、多目権兵衛、
荒川又次郎ら悪童三人組の姿もある。
 又次郎など、「お稽古ごとの馬術など、見
ていてもつまらん」と言っていたのだが、い
ざ目のあたりにすると、新九郎の妙技に見と
れているばかりだ。
 左馬頭の小姓の中から、荒木兵庫頭と在竹
兵衛尉が進み出て、「伊勢流ではなく関東流
の流鏑馬をお目にかけよう!」と新九郎の前
に進みでたが、あと一歩のところで及ばなか
った。
 「無用の長物の堀越公方に仕えるには、ま
ことに惜しいつわものたちだ」と新九郎が大
道寺太郎に耳打ちした言葉は、もちろんエビ
ス顔の左馬頭の耳には入らない。
 そういった光景を、鬼平太がひとり見つめ
ていた。鬼平太の姿を認めた山中才四郎は、
「あのお方は……?」とつぶやいた。後をつ
けてみたが、その姿は上杉伊予守の屋敷で消
えていた。

 堀越御所からそう遠くない韮山村の丘陵の
上に、置き忘れられたような山城がある。そ
のふもとの古い屋敷に、執権北条氏の末裔で
ある桑原氏が住んでいた。
 とはいっても、当主はすでに病没、一子の
鬼平太は出奔して、行方が知れなかった。い
ま屋敷には、鬼平太の姉の登与姫が、老僕、
下女と共に寝起きしているだけ。
 ただ、かつての主従の縁を忘れない風魔一
族からは、登与姫に物心両面での合力があっ
た。この日も、千鶴が屋敷を訪ねてきて、話
し相手になっていた。
 そこへ、荒川又次郎が駆けこんできて、
「鬼平太さまらしいお方を才四郎が堀越で見
かけたと申しております」と注進した。
 鬼平太がいっとき風魔の里にあって、忍び
の術を学んでいたときの相方であった才四郎
の目に狂いはないはずだ。
 「探して、連れてきてください!」と登与
姫は叫んだ。
 ここ韮山村からの鬼平太の出奔は、執権北
条氏の再興を目指してのもので、いま戻って
きたからには、お家再興のめどが立ったに違
いないのだ。
 「早く、早く、あの子に会いたい」と登与
姫は叫んでいたが、なぜか又次郎は言葉を濁
していた。

 後刻、悪童三人組が風魔半月斎と千鶴の前
で顔を合わせたとき、山中才四郎の口から、
鬼平太に対する懸念が聞かれた。
 なるほど、鬼平太は体術に秀でていたし、
あのまま修練を続けていれば、ひとかどの忍
術使いになったに違いない。
 ところが三年前に鬼平太は、かりにも死と
仰いでいた老婆を殺害して、老婆が秘蔵して
いた巻物三巻を奪って逃げていたのだ。その
老婆は何と半月斎の実の妹にあたる。つまり、
千鶴から見れば大おばだ。
 主筋にあたる鬼平太に、半月斎も討手を向
けるわけにはいかない。鬼平太の風魔の里へ
の出入りを禁じるしかなかった。
 のち、鬼平太が韮山村を出奔したらしいと
半月斎は耳にしたが、重ねての処分は言い出
せなかった。
 その鬼平太が、このたび上杉伊予守の屋敷
に出入りするようになったという。だが、鬼
平太は元来、仇敵である足利将軍も堀越公方
も「あの裏切り者の子孫かよ」と言って憚ら
なかった。その鬼平太が、堀越公方の執事に
ゴマをする?
 「これは何かある」と半月斎も胸騒ぎがし
たが、とりあえず事態を静観することにした。
あとで考えると、この慎重策が半月斎の命と
りになったのだが……。

 新九郎と大道寺太郎の主従二人が、堀越御
所を出立して、小川館への帰路についた。そ
の途中、修善寺の温泉に立ち寄った二人は覆
面姿の騎馬武者の一団に襲撃された。
 不意をつかれたが、新九郎も太郎も太刀を
ふるって防戦、何人かを斬り倒した。ここで
残った人数が馬首をめぐらすと、「逃がさん
ぞ!」と太郎は離れ馬にとびのり、追ってい
った。
 新九郎が斬り倒した数人の身元を調べよう
としたが、その数人の体には火薬が仕掛けら
れていた。体が吹き飛ぶ数人。これでは上杉
伊予守からの人数とは確認しようもない。
 新九郎も茫然としていると、街道に鬼平太
が現われた。そして、妖刀をふるって、新九
郎を林に誘い込む。
 「おぬし、何者だ?」と新九郎が問うと、
鬼平太は「執権北条氏の末孫、桑原鬼平太」
と、その真の素姓を明かした。
 これには新九郎も驚く。「北条高時公とは
同族でありながら、足利幕府に仕えるわしを
許せないというのか?」
 執権北条氏も伊勢平氏から繋がっているの
で、同族といえないこともない。だが鬼平太
はそれには答えず、奇妙な呪文を唱えだす。
 密林をかきわけて、体高八尺におよぶ巨大
猩々が姿を見せた。「うわっ!」――さしも
の新九郎にも、この怪物に抗するすべはなか
った。
 太刀を弾き飛ばされ、さらに牙で食いつい
てきたのを避けようとして、崖から転落して
狩野川の急流に呑まれた。
 それから四半刻後、この街道を急いでいた
山中才四郎と多目権兵衛は、新九郎の名を呼
びつつ半狂乱の大道寺太郎を目撃した。
 太郎は騎馬武者の生き残りを逃がしてしま
ったが、街道を戻ってみると新九郎の姿はな
い。ただ林の中に新九郎の太刀が転がってい
るだけだった。

 その晩、小川館の寝所で眠っていた龍王丸
は、悪い夢を見ていた。十一年前、駿府館に
亡父の亡骸が運ばれてきたときの夢である。
 北川殿が泣きはらしていて、叔父の伊勢新
九郎がそれを慰めていたのだ。四歳の龍王丸
自身は、父の死というものが理解できず、亡
骸の前で茫然と立っていた。
 その折はただ卑屈になっていた小鹿刑部、
孫五郎兄弟が、年を経るにあたって尊大にな
っていく姿を見るにつけ、龍王丸は早く自分
も大人になりたいと思っていたが……。
 小川館の外郭で大勢の人馬が騒ぐ物音が聞
こえ、龍王丸は目を覚ました。濡縁に出て、
長谷川大膳に訊ねると、小鹿孫五郎率いる駿
府館の手勢に館を包囲されたようだという。
 朝になれば、孫五郎を先頭に斬り込んでく
るだろう。もはや袋の中のネズミ、華々し
散るしかない。龍王丸は、覚悟を決めて、母
・北川殿の寝所に駆けこんだ。
 「母上、お覚悟を」と龍王丸は唇を噛んで
言う。北川殿も頷いた。
 ところが、「早まられるな」と声がして、
天井から大道寺太郎が落ちてきた。茫然とす
る龍王丸と北川殿。天井の羽目板から顔をの
ぞかせている山中才四郎と多目権兵衛。

 払暁。
 小川館から下女たちが逃げてくるのと入れ
違いに、孫五郎を先頭に突入する五十人。と
ころが館はもぬけの空だった。顔色を失う孫
五郎。
 長谷川大膳は涼しい顔をして、龍王丸母子
は墓参のため留守にしていると口上を並べて
いる。
 孫五郎は慌てて駿府館に逃げ帰ったが、そ
の狼狽ぶりが刑部にも伝染し、兄弟そろって
見苦しいさまを鬼平太は冷たく見て、「龍王
丸が館に戻る前に片づければよかろう」と言
った。
 「しかし、墓参とは口実だろう。あの母子
がいずこに逃れたか分からぬ」と刑部は躍起
になっている。だが、鬼平太は「見当はつい
ている」と立ち上がった。

 一方、新九郎は、屋敷内の居間で、意識を
取り戻していた。枕頭に付き添っていた千鶴
に、「わしは、どうして、ここに?」と訊ね
る。
 新九郎は、昨日の夕方、狩野川の河岸に打
ち上げられて気を失っていたのを、この屋敷
に仕える老僕が見つけて、千鶴とふたり屋敷
にかつぎこんだという。
 ここ一昼夜は生死の間をさまよっていたが、
風魔一族に伝わる塗り薬の効き目は上々で、
「もう大丈夫です」と千鶴は胸を張った。
 登与姫が現われ、「北条一族の末で、登与
と申します」と名乗った。
 新九郎は驚き、「では、桑原鬼平太どの
姉君であられるか」と口走ってしまう。「鬼
平太をご存じか?」と身を乗り出す登与姫に、
「いや、旅先でお名を耳にしただけ」と言葉
を濁す新九郎。
 大道寺太郎が戻ってきて、龍王丸と北川殿
はぶじ風魔の里に逃れたことを報告した。そ
こには登与姫や千鶴もいたので、「すべては
風魔の衆の助力のおかげ」と言いながら、太
郎は安堵していた。
 だが、太郎と二人きりになると、新九郎は
その耳にささやく。「わしを襲ったのは、こ
の屋敷のあるじであった桑原鬼平太よ。風魔
一族にとっては主筋にあたる方ぞ!」

 風魔の隠れ里の洞で、あの神像に参詣する
龍王丸と北川殿。二人は「太郎坊大権現」に
祈った。山中才四郎、多目権兵衛、荒川又次
郎が従う。
 「何を祈った」と訊かれた龍王丸は、「わ
たしが早く守護になり、この駿河国を治める
ことができるよう、お願いした」と神像を仰
ぎつつ、悪びれずに言ってのけた。
 半月斎の屋敷に戻ってみると、別の客人が
来ていた。
 「鬼平太さま……?」と才四郎以下、首を
かしげざるをえない。風魔の里への出入り禁
止の処分は解かれたのだろうか?
 いずれにせよ、才四郎以下への鬼平太の態
度はそっけない。それに対して、離れ座敷に
向かう龍王丸と北川殿を見る目は、尋常では
なかった。
 「あの二人の身柄を、わしに預けよ」と主
殿で鬼平太は半月斎に迫った。「それが執権
北条氏の再興への早道」と鬼平太は言うが、
半月斎はかぶりを振った。
 「それは、ご本心ではありますまい。おま
えさまの心の歪み、この爺にはよく分かりま
す。もはや北条氏再興などどうでもよい。天
下万民が塗炭の苦しみをなめようと、知った
ことではない」
 「おお、そのとおりよ」と鬼平太は居直る。
小鹿刑部に恩をきせ、その食客として安逸な
生活を送って、そのどこが悪い。執権北条氏
を再興すれば、この世を正せるというのは、
姉上の世迷い言だ。
 「その世迷い言に爺もたぶらかされたか」
と鬼平太は笑う。「どうやら、若には死んで
いただくほか、なさそうだ」と半月斎は仕込
み杖を抜いた。
 だが、そのとき主殿の床板を突き破って、
巨大猩々が姿を現わす。飛び退いた半月斎の
体勢が崩れたところに、鬼平太の妖剣が一閃、
半月斎は崩れ落ちた。「心は歪んでも、術の
ほうはこのとおりよ」と鬼平太はうそぶいた。

 荒らされた主殿に離れ座敷から駆けつけよ
うとする山中才四郎、多目権兵衛、荒川又次
郎にも、巨大猩々が襲いかかる。床板を踏み
抜き、柱を砕く巨大猩々に、三人組は手も足
も出ない。
 この間に、離れ座敷に走る鬼平太。茫然と
している龍王丸を当て身で昏倒させ、「慮外
者っ!」と懐剣で突きかかってきた北川殿は
一刀のもとに斬り捨てる。「新九郎……お願
い……あの子を……」と荒い息で北川殿は叫
んだ。

 その頃、韮山村で借りた馬を借りて、風魔
隠れ里へ急ぐ新九郎、太郎、千鶴の三騎。も
ちろん、登与姫には事の次第は隠してある。

 一方、隠れ里では、風魔一族が恐慌をきた
していた。巨大猩々に半月斎屋敷が潰され、
里の者は逃げ惑うばかり。半月斎と北川殿が
殺され、龍王丸が鬼平太に馬で連れ去られた
ことまで気が回らない。
 巨大猩々に若者が向かっていくが、そのつ
ど弾き飛ばされる。山中才四郎、多目権兵衛、
荒川又次郎の三人が、負傷者を庇いつつ、じ
りじりと後退していった。
 ところが、あの洞に一族が退くと、巨大猩
々の足が止まった。洞の奥にある「太郎坊大
権現」の神像と向かい合う巨大猩々。やがて
洞の奥から突風が吹き荒れ、巨大猩々はその
突風に圧されて尻を向けた。

 新九郎、太郎、千鶴が馬で駆けつけた。千
鶴は、祖父・半月斎の最期を知って愕然とす
る。才四郎以下を「大の男が三人そろって」
と責めたが、危うく風魔一族は全滅の危機に
あったと知って黙り込む。
 新九郎は、半月斎屋敷で北川殿の亡骸を見
つけ、男泣きに泣いた。だが、龍王丸がまだ
生きていると知って、太郎と奪還に向けての
策を練った。

 駿府館の座敷牢。ここに放りこまれていた
龍王丸の前に小鹿刑部が現われ、明日の夕刻
には、「龍王丸の首を刎ねるつもりだ」と公
言する。
 むろん堀越公方の命により処断するという
形を取るわけで、そうすれば地方豪族の面々
も、駿河守護に刑部を推さざるをえなくなる。
「わたしについて、あることないこと、堀越
公方さまに吹き込むつもりと見たが」と龍王
丸が言い当てる。
 刑部はにやりとして頷いた。先年成敗され
た太田道灌の遺児と龍王丸が結託、堀越公方
に謀反を企てていることを証拠だてる書状を、
刑部が入手した。もちろん偽手紙だが、この
手紙を披露すれば一体どうなるか?
 刑部は、龍王丸が首を刎ねられる様子を夢
想して、からからと高笑いをした。対する龍
王丸の両目では、めらめらと炎が燃えていた。

 堀越御所で、問題の書状を読んだ足利左馬
頭は、刑部の目論見どおりに激怒して、控え
ている孫五郎や桑原鬼平太に、「わが名代を
遣わすゆえ、その面前で龍王丸の首を刎ねよ」
と命じた。
 こんなとき左馬頭の名代を務めるのは、上
杉伊予守と決まっているが、その伊予守は元
は刑部の義父である。
 陪席している地方豪族の間でも、「これは
茶番だ」とひそひそ声が聞かれた。左馬頭の
小姓を務めている荒木兵庫頭や在竹兵衛尉も
例外ではない。
 この二人は伊予守と孫五郎の猿芝居を苦々
しく見ていたが、その視野に桑原鬼平太の顔
が飛び込んできた。庭先に控えている鬼平太
が含み笑っているのは、「これは奇妙だ」と
荒木兵庫頭も在竹兵衛尉も記憶にとどめた。

 その晩、桑原屋敷を訪ねた荒木兵庫頭と在
竹兵衛尉は、自分が実見した様子を登与姫に
話した。それを聞いた登与姫は、悪寒がして
いる。
 「本当に鬼平太が足利左馬頭どのの前で、
庭先に控えていたのですか?」「間違いあり
ませぬ」と兵庫頭と兵衛尉が声を揃えた。
 かつての鬼平太は「足利左馬頭の頬げたな
ど張り倒してやりたい」と公言して、左馬頭
の小姓を務めながらも、この屋敷に出入りし
ている兵庫頭と兵衛尉を困惑させたものだが、
それに較べていまの鬼平太は……。

 新九郎から何も聞かされていない登与姫で
あったが、ここ数日の出来事を思い返すと、
今川家の内紛に鬼平太が関わっているのは明
らかだった。
 荒木兵庫頭や在竹兵衛尉は、伊予守に随行
して明日にも駿府に発つという。それを聞い
た登与姫は念を押す。
 「もしも鬼平太に、北条の名を汚す振舞い
のあった時は……」というのだが、兵庫頭や
兵衛尉はどう答えていいのか分からない。

 この日の夕刻、新九郎、大道寺太郎、山中
才四郎、多目権兵衛、荒川又次郎の五人は、
風魔隠れ里から駿府に向かった。
 千鶴も「一緒に行きたい!」と懇願したが、
千鶴には巨大猩々に襲われた人々の手当てが
あると新九郎が諫めた。
 人数の多くは老人や子供たちである。その
言葉に納得した千鶴は、五人を見送っている。

 翌日。
 上杉伊予守は、孫五郎、鬼平太を伴って
山道に馬を進めた。「おぬしの兄者、今度こ
そ駿河守護職になるぞ」と微笑む伊予守に
追従する孫五郎。
 鬼平太は冷然と見ている。行列に随行する
荒木兵庫頭や在竹兵衛尉は、苦い顔をしてい
た。

 夕刻。千鶴は「太郎坊大権現」に詣でて、
新九郎たちの武運を祈った。気がつくと、自
分の後に老人や子供たちも続いて、一心不
に祈っている。
 やがて歌う声が聞こえた。「登与姫さまの
歌声だ」と千鶴は聞き分けられたが、登与姫
のいる韮山村から、ここ隠れ里には距離があ
る。しかし、声はますます近くなるのだ。
 (タロス、タロス、起きなさい)とその声
は言っていた。「奇妙なこと」と千鶴が顔を
あげる。すると、神像と目が合った。
 (……!)
 太郎坊大権現、いやタロスの両目が開いた
のだ。青銅の肌の冷たいところは同じだが、
やはり青銅の目はギロギロと瞼の奥で動いて
いる。
 そして、タロスは台座から下りた。千鶴は
じめ里の者だちは絶句して逃げ出す。みな、
自分がいま見たものが真実とは思えない。
 だがタロスはまっすぐ前を見て、洞から表
に出た。そしてタロスは翼を広げて宙に舞っ
た!

 夕焼けの空に舞うタロス、韮山村の上空を
旋回する。桑原屋敷の庭先に出てくる登与姫、
(あなたにすべてゆだねます)と精神感応で
語りかける。頷いたタロス、反転して駿府浜
に向かった。

 その駿府浜では、いま陽が沈みかけていた。
夕焼けの浜に引き出された龍王丸は、これか
ら斬首されようとしている。今川家に忠誠を
誓っていた地方豪族の面々は、その今川家の
若き当主が処刑される場への陪席を強要され
て困惑していた。
 床几を据えている上杉伊予守の側に、小鹿
刑部と孫五郎、鬼平太。荒木兵庫頭と在竹兵
衛尉は、伊予守の指図で首切り役を務めよう
としていた。龍王丸自身は瞑目していた。
 そのとき、十数頭の裸馬がなだれこんでき
た。慌てた面々が恐慌をきたした間隙をつい
て、馬腹に隠れていた山中才四郎、多目権兵
衛、荒川又次郎の三人組は、龍王丸の縄を解
いて馬に乗せる。龍王丸の顔に生気がよみが
えった。
 余りの失態に怒った兵庫頭と兵衛尉は反射
的に抜刀、それぞれ権兵衛、又次郎と斬り合
った。一方、鬼平太は龍王丸に殺到し、才四
郎と刃をまじえた。

 「謀反人ども、皆殺しにせよ!」と叫ぶ伊
予守の足元に向けて、浜の小舟から矢文が射
込まれる。その矢文を思わず開いた伊予守は、
愕然として傍の刑部に詰めよった。
 「これは何事じゃ! あの書状と同文だが、
筆跡はおぬしのものだ!」
 絶句する刑部にかわって、小舟を下りた新
九郎が答える。「こたびの一件が守護代どの
の作り話という、動かぬ証拠でござる」
 大道寺太郎が旅の絵師らしい男を浜に突き
飛ばす。龍王丸逆心の動かぬ証拠とみられて
いた書状が、実は刑部が絵師に贋作させたも
のと分かったのだ。
 それを聞いた兵庫頭と兵衛尉は、刀を返し
て刑部の手勢を斬りまくった。

 一方、鬼平太は妖刀で才四郎、権兵衛、又
次郎に迫ったが、やはり圧され気味である。
「潔く自裁なされよ」と兵庫頭が声をかけた
が、鬼平太は冷笑した。
 「執事どのや守護代どの、そして、おぬし
らを討ち果たせば、後はどうにでも言いくる
められるわ」と物騒な話をして、鬼平太は呪
文を唱え、巨大猩々を呼び寄せた。
 敵味方なく暴れまわる巨大猩々の前で、逃
げ惑う武士たち。龍王丸も新九郎も手が出な
い。新九郎の配下となった六人も同様である。
皆を嘲笑する鬼平太。

 そのとき、月光をさえぎって、タロスが飛
んできた。タロスの巨剣の一撃で倒れる巨大
猩々。タロスが優勢のうちに、格闘戦が続き、
その様子に蒼ざめる鬼平太。
 だが、一瞬の逆転劇が待っていた。タロス
が巨大猩々を散々に踏みつけたが、その一瞬、
巨大猩々がタロスの片方の踵にかじりついた
のだ。タロスが苦しみの叫びをあげる。
 タロスの片方の踵から体液が滝のように噴
出した。そして、タロスの体にひび割れが走
ったのだ。ひび割れがタロスの全身に広がり、
青銅の神像に戻ったタロスは崩れ落ちた。

 味方と思って声援を送っていた新九郎も配
下もこれには驚いた。
 ただ、龍王丸がひとり、タロスの巨剣を拾
いに走った。タロスの巨剣は小さくなって、
龍王丸が使える程度まで縮んでいる。
 巨大猩々もタロスに斬られて、絶息してい
る。あとは人間同士の戦いになった。

 鬼平太は、自分が執権北条氏の末孫である
と明かした。地方豪族たちがどよめく。鬼平
太は、自分が駿河国主に最もふさわしいと豪
語し、その明かしとして、偽の国主である龍
王丸の首級を頂戴すると言った。
 だが、龍王丸に殺到しようとした鬼平太は、
タロスの剣の反射で一瞬ひるんだ。そして、
タロスの剣はまっすぐ鬼平太の心臓をえぐっ
ていた。
 タロスの剣を胸に突き立てたまま斃れる鬼
平太。龍王丸もさすがに茫然としている。小
鹿刑部と孫五郎の兄弟は、この隙に龍王丸を
討とうとしたが、新九郎と太郎が逆に斬り捨
てている。
 新九郎は血刀を提げたまま、上杉伊予守の
前に進み出た。そして、「反逆の徒である桑
原鬼平太、ならびに小鹿刑部と孫五郎の兄弟
を、駿河国主である今川龍王丸の命によって
成敗いたしました」と言ってのけた。
 「たしかに……ご苦労であった……」と伊
予守は言うしかない。
 自分の腹心であった小鹿兄弟が討たれたこ
とを、伊予守は認めるしかなかった。龍王丸
を「駿河守護」でなく「駿河国主」と新九郎
が呼んだことも黙認するしかなかったのだ。
取り囲む地方豪族の間から歓声があがった。

 翌日の桑原屋敷。
 鬼平太の遺髪を届けにやってきた新九郎を、
登与姫は仏間に案内する。北条高時公の位牌
に向かった新九郎は、一族同士で殺し合った
実情を述べたが、その頸すじに登与姫が懐剣
を当てた。
 「……おやりなさるか?」
 「やらいでか!」
 だが、懐剣は新九郎の首の皮を薄く削いだ
だけ、そこからこぼれた血を舌で舐めた登与
姫は、「北条の血は絶やせぬ」と新九郎をみ
つめた。
 次の間に控えていた太郎と千鶴は、仏間の
中の妙な雰囲気に、顔を合わせて赤面した。

 この日の夕刻、今川龍王丸と伊勢新九郎は、
「太郎坊大権現」に詣でている。
 何とタロスの神像は、元の通りの青銅の巨
神として再び立っていた。ただタロスの巨剣
のみが欠けていた。龍王丸が持ってきた剣を
奉納すると、それは元の大きさに戻って、タ
ロスの鞘に収まっている。
 そして次に、伊勢新九郎、大道寺太郎、山
中才四郎、多目権兵衛、荒川又次郎、荒木兵
庫頭、在竹兵衛尉の七人は、洞の湧水を盃に
集めて、それを神水として酌み交わしたので
ある。
               完

千葉和彦
nbh03472@nifty.ne.jp
M1378mm1378m

###付記

 伊勢新九郎のちの北条早雲を主人公にした
小説・漫画は数多い。
 小説では尾崎士郎『伊勢新九郎』、司馬遼
太郎『箱根の坂』、南原幹雄『謀将北条早雲』
があり、一方の漫画では永井豪『北条早雲』、
ゆうきまさみ『新九郎、奔る!』がある。
 しかし、本作はそのどれとも似ていない。
それは一読してお分かりのとおりである。


 ギリシャ神話の「タロス」は、青銅製の自
動人形で有翼とされる。その「タロス」と日
本神話の「太郎坊大権現」(大天狗)の共通
点に着目したのが、『戦国巨神タロス』の神
話の端緒である。



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