4 / 10
3
しおりを挟む
新しい日々は、フィランヌを変えて行った。毎日楽しいのだ。勉強も友達とのおしゃべりも。
特に前から興味のあった魔法についてはよく学んでいる。幸い、才能もあるようだ。
指導教官に褒められることが多い。
教師には嫌な思い出しかなかったが、帝国に来て認識は変わった。
「フィー、今日はケーキを食べましょうよ」
「いいわね」
帝国の食文化は豊かで、フィランヌはカフェというものに初めて行ったとき、友達が驚くほど、目をキラキラさせたものだ。
基本的に大人しいフィランヌだが、このときは楽しいのがよく伝わってきた。
一緒にいたみんなはフィランヌのかわいさに負けた。
それからは新しいお店やお気に入りのお店に積極的にフィランヌを連れて行ってる。
フィランヌの友達は女の子ばかりだ。
フィランヌは物静かで積極的に発言したりしないし、男の子とほとんどしゃべらない。だが、実は人気があった。
「なんていうか、可愛らしいよな」
「そう、はにかむ顔が最高」
「お前、先に声かけるなよ」
「いや、大人しいし、驚かせちゃうよ」
「そうなんだよなあ」
みんなフィランヌと話したい。でも、怯えさせたくはない。
なんとなく遠巻きに気にしている。
話しかける勇気のある男の子はこの学年にはいないらしい。
フィランヌ本人は恋より魔法に夢中だった。学園の教師だけでは足りず、貴族の中でも一番魔法が得意な公爵令息に弟子入りした。
「君、しつこいよ」
最初、ダルナルトには何度も断られたが、フィランヌが憧れている魔法使いは彼だけだ。
なけなしの勇気を出して、お願いしたら、すぐに断られた。
でも、一度声に出して言えたら、その後も何回でもお願いできた。
「もう、しかたないな」
何十回目だったろうか。ダルナルトが頷いてくれたとき、フィランヌはうれしくて跳ね回りたくなった。
「僕は厳しいよ」
「がんばります!」
フィランヌは少しずつ強くなっていたのだ。帝国に来て新しい友達ができて、
大好きな魔法を毎日学んで。
ダルナルトの魔法は素晴らしい。
災害を防いだり、病気を治したり、それでいて偉ぶらない。無愛想ではあるが。
フィランヌももっとたくさん魔法を身につけて、人のためになりたい。
いつかそれがフィランヌの夢になっていた。
特に前から興味のあった魔法についてはよく学んでいる。幸い、才能もあるようだ。
指導教官に褒められることが多い。
教師には嫌な思い出しかなかったが、帝国に来て認識は変わった。
「フィー、今日はケーキを食べましょうよ」
「いいわね」
帝国の食文化は豊かで、フィランヌはカフェというものに初めて行ったとき、友達が驚くほど、目をキラキラさせたものだ。
基本的に大人しいフィランヌだが、このときは楽しいのがよく伝わってきた。
一緒にいたみんなはフィランヌのかわいさに負けた。
それからは新しいお店やお気に入りのお店に積極的にフィランヌを連れて行ってる。
フィランヌの友達は女の子ばかりだ。
フィランヌは物静かで積極的に発言したりしないし、男の子とほとんどしゃべらない。だが、実は人気があった。
「なんていうか、可愛らしいよな」
「そう、はにかむ顔が最高」
「お前、先に声かけるなよ」
「いや、大人しいし、驚かせちゃうよ」
「そうなんだよなあ」
みんなフィランヌと話したい。でも、怯えさせたくはない。
なんとなく遠巻きに気にしている。
話しかける勇気のある男の子はこの学年にはいないらしい。
フィランヌ本人は恋より魔法に夢中だった。学園の教師だけでは足りず、貴族の中でも一番魔法が得意な公爵令息に弟子入りした。
「君、しつこいよ」
最初、ダルナルトには何度も断られたが、フィランヌが憧れている魔法使いは彼だけだ。
なけなしの勇気を出して、お願いしたら、すぐに断られた。
でも、一度声に出して言えたら、その後も何回でもお願いできた。
「もう、しかたないな」
何十回目だったろうか。ダルナルトが頷いてくれたとき、フィランヌはうれしくて跳ね回りたくなった。
「僕は厳しいよ」
「がんばります!」
フィランヌは少しずつ強くなっていたのだ。帝国に来て新しい友達ができて、
大好きな魔法を毎日学んで。
ダルナルトの魔法は素晴らしい。
災害を防いだり、病気を治したり、それでいて偉ぶらない。無愛想ではあるが。
フィランヌももっとたくさん魔法を身につけて、人のためになりたい。
いつかそれがフィランヌの夢になっていた。
83
あなたにおすすめの小説
政略結婚だからって愛を育めないとは限りません
稲葉鈴
恋愛
外務大臣であるエドヴァルド・アハマニエミの三女ビルギッタに、国王陛下から結婚の命が下った。
お相手は王太子殿下の側近の一人であるダーヴィド。フィルップラ侯爵子息。
明日(!)からフィルップラ侯爵邸にて住み込みでお見合いを行い、一週間後にお披露目式を執り行う。
これは、その一週間のお話。
小説家になろう、カクヨムでも公開しています。
【完結】伯爵令嬢の25通の手紙 ~この手紙たちが、わたしを支えてくれますように~
朝日みらい
恋愛
煌びやかな晩餐会。クラリッサは上品に振る舞おうと努めるが、周囲の貴族は彼女の地味な外見を笑う。
婚約者ルネがワインを掲げて笑う。「俺は華のある令嬢が好きなんだ。すまないが、君では退屈だ。」
静寂と嘲笑の中、クラリッサは微笑みを崩さずに頭を下げる。
夜、涙をこらえて母宛てに手紙を書く。
「恥をかいたけれど、泣かないことを誇りに思いたいです。」
彼女の最初の手紙が、物語の始まりになるように――。
つかぬことを伺いますが ~伯爵令嬢には当て馬されてる時間はない~
有沢楓花
恋愛
「フランシス、俺はお前との婚約を解消したい!」
魔法学院の大学・魔法医学部に通う伯爵家の令嬢フランシスは、幼馴染で侯爵家の婚約者・ヘクターの度重なるストーキング行為に悩まされていた。
「真実の愛」を実らせるためとかで、高等部時代から度々「恋のスパイス」として当て馬にされてきたのだ。
静かに学生生活を送りたいのに、待ち伏せに尾行、濡れ衣、目の前でのいちゃいちゃ。
忍耐の限界を迎えたフランシスは、ついに反撃に出る。
「本気で婚約解消してくださらないなら、次は法廷でお会いしましょう!」
そして法学部のモブ系男子・レイモンドに、つきまといの証拠を集めて婚約解消をしたいと相談したのだが。
「高貴な血筋なし、特殊設定なし、成績優秀、理想的ですね。……ということで、結婚していただけませんか?」
「……ちょっと意味が分からないんだけど」
しかし、フランシスが医学の道を選んだのは濡れ衣を晴らしたり証拠を集めるためでもあったように、法学部を選び検事を目指していたレイモンドにもまた、特殊設定でなくとも、人には言えない事情があって……。
※次作『つかぬことを伺いますが ~絵画の乙女は炎上しました~』(8/3公開予定)はミステリー+恋愛となっております。
望まない相手と一緒にいたくありませんので
毬禾
恋愛
どのような理由を付けられようとも私の心は変わらない。
一緒にいようが私の気持ちを変えることはできない。
私が一緒にいたいのはあなたではないのだから。
【完結】氷の侯爵と25夜の約束
朝日みらい
恋愛
雪の降る夜、平凡な伯爵家の娘セラフィーナは、義妹アデルの身代わりとして侯爵家に嫁ぐことになりました。
その結婚は愛のない〝契約婚〟。相手は王都で「氷の侯爵」と呼ばれる――ルシアン・ヴァン・ローレンス侯爵。
彼は冷たく、近づく者の心を凍らせると言われています。
「二十五夜のあいだで、私の“真実”を見抜けたら、君を妻として認めよう。
見抜けなければ、この婚姻は無かったことになる」
雪に閉ざされた白銀の館で始まる、奇妙な婚姻生活。
無口で孤独な侯爵と、臆病でまっすぐな花嫁。
互いに閉じ込めた心の扉を、少しずつ開きながら過ごす“二十五夜”とは――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる