7 / 7
7
しおりを挟む
「はい。そこでターン」
トルドは顔を赤くしながらも、シファラを上手にリードする。座学は苦手なシファラもダンスは得意だ。トルドに導かれてきれいにくるっと回った。
「いいですよ。おふたりとも、きれいです」
ダンスの先生は優しい。だからよけいに、
シファラはダンスが好きだ。
トルドの顔から赤みは消えないものの、笑顔だから大丈夫だろう、とシファラは思った。
「ちがいますよ。発音はこうです」
「アーミィナスハ」
「ちがいます」
シファラは外国語が1番苦手だ。自国の言葉すらあやしい。
なのに、5カ国語も勉強しているのだ。
できるなら、ずっとダンスだけしたい。
おじぎのマナーの時間でもいい。シファラは体を動かすことは得意だが、じっと座って学ぶのは苦手だ。
「シファ、休憩時間だから、アップルパイを食べないか?」
トルドは、シファラの好きな物をよく知っていて、いつも優しい。
シファラはトルドが大好きだ。
トルドに聞いたことはないけれど、トルドもシファラが好きだと思う。
そうでなければ、こんなにシファラの好きなことに詳しくなったりしないだろう。
ダンスも一緒に練習している。ただ、来年から、トルドは学園に通うので、一緒にいる時間は短くなるらしい。シファラは今からさみしくてしかたない。
「学園から帰ってきたら、お茶しよう」
トルドは優しい笑顔で言う。
シファラは少し不安なのだ。
新しい友達ができたら、シファラのことを忘れてしまうのではないかと。
「学園に行っても、シーと遊んでくれる?」
「当たり前だろ。シファは俺の1番だもん」
シファラは心がほっこりした。誰かに今のトルドの言葉を言って回りたい。
少なくともマディアには話したい。
大事なシファラの家族。
シファラはずっとここにいたいのだ。
トルドは顔を赤くしながらも、シファラを上手にリードする。座学は苦手なシファラもダンスは得意だ。トルドに導かれてきれいにくるっと回った。
「いいですよ。おふたりとも、きれいです」
ダンスの先生は優しい。だからよけいに、
シファラはダンスが好きだ。
トルドの顔から赤みは消えないものの、笑顔だから大丈夫だろう、とシファラは思った。
「ちがいますよ。発音はこうです」
「アーミィナスハ」
「ちがいます」
シファラは外国語が1番苦手だ。自国の言葉すらあやしい。
なのに、5カ国語も勉強しているのだ。
できるなら、ずっとダンスだけしたい。
おじぎのマナーの時間でもいい。シファラは体を動かすことは得意だが、じっと座って学ぶのは苦手だ。
「シファ、休憩時間だから、アップルパイを食べないか?」
トルドは、シファラの好きな物をよく知っていて、いつも優しい。
シファラはトルドが大好きだ。
トルドに聞いたことはないけれど、トルドもシファラが好きだと思う。
そうでなければ、こんなにシファラの好きなことに詳しくなったりしないだろう。
ダンスも一緒に練習している。ただ、来年から、トルドは学園に通うので、一緒にいる時間は短くなるらしい。シファラは今からさみしくてしかたない。
「学園から帰ってきたら、お茶しよう」
トルドは優しい笑顔で言う。
シファラは少し不安なのだ。
新しい友達ができたら、シファラのことを忘れてしまうのではないかと。
「学園に行っても、シーと遊んでくれる?」
「当たり前だろ。シファは俺の1番だもん」
シファラは心がほっこりした。誰かに今のトルドの言葉を言って回りたい。
少なくともマディアには話したい。
大事なシファラの家族。
シファラはずっとここにいたいのだ。
54
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
【完結】婚約破棄の罰として、冷酷公爵様に引き取られたのですが…溺愛が過ぎます!
22時完結
恋愛
「公爵家に身柄を預ける。それが、きみへの罰だ」
社交界で“悪役令嬢”と噂されていた侯爵令嬢・リディアは、ある日突然、婚約者である王太子から婚約を破棄された。
その場で断罪され、王家の名誉を傷つけた罰として命じられたのは――冷酷で知られる隣国の大公爵、アレクセイ・レオンハルトへの“引き渡し”だった。
周囲は誰もが「破滅だ」と囁いた。
なぜなら、アレクセイ公爵は血も涙もない男として恐れられており、社交界では『氷の獣』とさえ呼ばれていたからだ。
だが、リディアを待ち受けていたのは――
「今夜は、私の隣で眠るといい。罰とは、そういう意味だよ」
「…え?」
戸惑う彼女に注がれるのは、冷たい瞳とは裏腹の、甘すぎる眼差しと過保護なほどの愛情。
強引で不器用なアレクセイの溺愛は日に日に増していき、ついには「君を誰にも渡したくない」と独占欲全開に!?
婚約破棄されたはずの令嬢が、冷酷公爵に甘やかされて溺愛される――
これは、人生のどん底から始まる、予想外すぎる恋の物語。
【完結】レイチェル・パーシヴァルの書簡集
通木遼平
恋愛
「僕と同じ、虹色の虹彩を持っている女性と出会えたら――やぶさかではありませんね」
フォルトマジア王国の若き魔術師団長があげた結婚相手の条件が、王立学院に通うレイチェル・パーシヴァルを悩ませていた。しかも今年で学院も卒業だから進路のことも考えなければいけない。彼女は学院に入学した時から学費などの援助をしてくれるアラン・スミシーという男に手紙で日々の出来事や悩み事を打ち明ける。
そんな彼女の手紙と、魔術師団長の結婚の行方。
※他サイトにも掲載しています
【完結】偏愛ラビリンス
ここ
恋愛
幼馴染のリスト公爵の嫡男アルトは、バンダー伯爵の三女であるセリンダに意地悪だった。でも、社交界デビューをひかえた最近、なんだかアルトの態度がおかしくて。
セリンダは戸惑うばかり‥。
オネェ系公爵子息はたからものを見つけた
有川カナデ
恋愛
レオンツィオ・アルバーニは可愛いものと美しいものを愛する公爵子息である。ある日仲の良い令嬢たちから、第三王子とその婚約者の話を聞く。瓶底眼鏡にぎちぎちに固く結ばれた三編み、めいっぱい地味な公爵令嬢ニナ・ミネルヴィーノ。分厚い眼鏡の奥を見たレオンツィオは、全力のお節介を開始する。
いつも通りのご都合主義。ゆるゆる楽しんでいただければと思います。
【完結】光と闇にあるものは?
ここ
恋愛
アンチベッタとトウォールは孤児院で育った。ふたりが成人した年、就職先がなかった。仕方なくふたりとも娼館で働くことになった。醜くて暗いアンチベッタは、下働きとして。華やかな容姿のトウォールは、すぐに売れっ子になった。ふたりの運命はいかに?
不機嫌な侯爵様に、その献身は届かない
翠月るるな
恋愛
サルコベリア侯爵夫人は、夫の言動に違和感を覚え始める。
始めは夜会での振る舞いからだった。
それがさらに明らかになっていく。
機嫌が悪ければ、それを周りに隠さず察して動いてもらおうとし、愚痴を言ったら同調してもらおうとするのは、まるで子どものよう。
おまけに自分より格下だと思えば強気に出る。
そんな夫から、とある仕事を押し付けられたところ──?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる