【完結】同じだったりちがったり〜だから、あなたを愛しています

ここ

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少人数といっても、国内の公爵家の令嬢は外せないし、バランスも考えると、50人は招待する必要があった。
「ちょっと多いけど、その方が気の合う方がいるかもしれないわね」
アルセンヌはモーラと相談しながら、準備を続けた。

お茶会当日、アルセンヌは派手すぎず、地味すぎず、目立たないドレスに袖を通していた。
「あちらのドレスの方が姫様には似合いますのに」
モーラは不満そうだ。
「いいのよ。今日は主役じゃないの」
「姫様が主役ですよ、いつだって」
「モーラは私を好きすぎね。今日来る令嬢の大半は私を嗤いに来るのよ」
そう言うと、モーラは
「そんなお茶会やめましょう」
あれだけ準備したのに、とモーラは不安と不満を隠せていなかった。
「大丈夫。どんなに悪く言われてもかまわないの。私のことは、モーラがちゃんとわかってくれてる。よく知らない令嬢になんと言われても私は平気よ」

「姫様」
モーラの目にはうっすらと涙が浮かんでいる。
「モーラ。お茶会はもうすぐよ。涙を拭いたら、メイドたちに指示して」
「承りました」
モーラは感情的でもあるが、有能なメイド長でもある。
他のメイドたちはまだ経験が浅い。モーラの指示がないとまだまとまった動きができないのだ。
モーラによって、お茶の準備が始まったのに安心したアルセンヌは、やって来る令嬢たちのお迎えに専念するため、移動した。

お客様の多くはアルセンヌと歳の近い令嬢たちだった。その令嬢をお迎えをしながら、アルセンヌは一人一人に声をかけてゆく。
「ミーナ伯爵令嬢、お体がつらかったら、すぐ、おっしゃってくださいね」
「ソフィア公爵令嬢、そのドレス、ますます美しくお似合いですわ」
「マリアナ侯爵令嬢、飼っている子猫たちにお変わりないでしょうか?」
アルセンヌは一人一人の1番気に入りそうな言葉をかけていた。顔と名前は貴族名鑑でしっかり記憶した。
アルセンヌは何かを覚えることが嫌いではない。
そうやって声をかけられた令嬢たちは、
「あら?思ってたのとちがう」
と感じた。

アルセンヌは見た目も中身も王妃にふさわしくない。
そう言ったのは誰だったかしら?
令嬢たちの頭の中で?が飛び交った。
アルセンヌはお茶会が始まる前に目的を達成した。

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