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第十一王女の思い

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第十一王女ルナティシアから、ただのルティアになって、外交官として生きるのは素晴らしいことでした。

王宮にいたら、見られなかった景色、できなかった体験。日々が驚きや楽しさに満ちていて、これこそが私の求めた人生だったのだと思いました。

外国語は、あれからさらに増やしました。そのうち世界中の言葉を学ぶつもりでいます。

お母様は王宮でのプレッシャーがなくなったのがよかったのか、前より体調のよい日が増えました。

ルティアの人生は、これ以上ないほど満ち足りたものになりました。これからさらにたくさんのことを学び、生きていきたいです。

「今度、サファサファ国からの視察があるの。誰か私の補佐を担当しない?」
さっと手を挙げました。サファサファ国は獣人の国です。
ルティアがずっと気になっていた国のひとつです。

「じゃあ、ルティア打ち合わせしましょう」エバーズ外交官とまた仕事ができる。それもうれしいことでした。

私の人生?
みなさまにはどう届いたかしら?
王女としては失踪扱いなのかしら?
でもたぶん、誰も気づいてないわ。

私はルティア。外交官。
今日も楽しく働きます。

みなさま、ありがとう。
またお会いしましょう。

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