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フロンティアの本音
しおりを挟むプライズ様は、わたしの体を本当に心配してくれている。
嬉しい。
こんなに大事にしてもらったことがないから。
医師の診察を受ける日がやってきた。
医師から、、嬉しいお言葉をもらえた。
「もうほぼ大丈夫ですね。普通の生活をしても構いませんが、激しい運動はまだ控えて下さい。
しっかりと休息をとり、よいものを食べたのですね。
もうあの時のような暮らしはダメですからね。今の状態を保って下さい。」
「ありがとうございます。」
体調も医師の判断により、OKが出た。
これで、お兄様に全てを捧げることができる。
毎日、マッサージをし、ツヤツヤになった。
侍女に体を見せるのが嫌で、マッサージは、拒否をしていた。
でも、お兄様に、わたしの最高な状態で捧げたかった。
「フロンティア様。とてもよい体です。自信を持ってください。初めてお会いした時とは、全然違います。」
「本当に?プライズ様は気に入ってくれるかしら?」
「離しませんよ。覚悟した方がいいと思います。」
生まれた時のように、ツヤツヤ、ツルツルになっていた。
そして、プライズ様に頂いたナイトドレスを着せてもらった。
すごく綺麗だった。わたしの好きなドレス。
「とてもお似合いです。」
「ありがとう。」
2人の寝室に行くと、プライズ様が、ソファに座り、シャンパンを飲んでいた。
綺麗な姿だった。
「フロンティア。綺麗だよ。こっちにおいで。」
隣に腰をかけた。
「似合っている。」
「ありがとうございます。」
「フロンティアをずっと好きだった。小さい頃から、頑張り屋さんで、一生懸命だった。
公爵当主の教育なんかより王太子妃教育のが厳しいのに、、、
本当に頑張っていた。
頑張りすぎてるのに、私に力がなくて、止められなかった。
それが悔しくて、、、でも、宰相になれば、フロンティアを一生守れると思っていた。」
「お兄様っ。」
「ごめんな。我慢させて、、、」
お兄様。聞いて欲しいの。
わたしは王太子妃になるためだけに教育されました。辛い教育も、家のために頑張りました。
王太子妃になった時、褒めてもらえる思いました。
幼い頃からずっと王太子妃になりなさいって言われたから。
でも、、、現実は違った。
お父様は、当然だ。と言う反応
お母様は、悔しいと言われて。
わたしの心は、どうしたらいいかわからなかったの。
でも王太子は優しかった。だから、王太子のために頑張ろうと思ったの。
もうそれしか無かったから、、、
でも、、、、実際は、実務をたくさんさせられ、王妃様のお茶会でメイド扱いをされ、王宮の使用人達は、わたしに声もかけてくれない。
文官達は、わたしが仕事をすることで、自分たちの仕事がスムーズになるから、黙っているし。
辛くて宰相であるお父様に相談したのに。
わたしがいたらないって言われて、、、
これ以上手際良くできなくて、睡眠時間を削るしかなくて、王太子のために頑張らないとずっと思ってたの。
私はそれしかできないからって思ってね。
でも、、、結局、王太子妃になれなくて。
もう私なんて誰にも必要ないんだと思い、死にたいと言ったの。
お兄様が、わたしを愛してくれて嬉しかった。
ずっと見てくれてた。
お兄様だけが、私を心配してくれてた。
私はお兄様のために生きたい。
そしてもう2度と死にたいって言わない。
だから、わたしだけを愛して欲しい。
わたしもあなたを愛する。
あなただけいてくれたら何もいらない。
この先、、、貧乏になって、食べるのものがなくても、わたしはあなたとなら生きていきたい。幸せになれるの。だから、離さないでほしい。
フロンティアの今までのことは、ある程度わかっていた。でも、、、
フロンティアの本音は聞いていなかった。
悔しい思い、許せない思い、
そして、愛しい思いいろんな感情が溢れてきた。
「フロンティア。俺も愛している。離すつもりはないし、公爵に帰ることもない。もう考えなくていい。俺だけをみて、俺だけのことを考えてくれ。」
「はい」
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