レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン

文字の大きさ
15 / 283
第一章 拒絶と旅立ち

第15話 主人公の威厳を取り戻せ!①

しおりを挟む
筋肉を乗り越え、低レベル帯に進むロックたち。

迂回したので、もう少しかかりそうだ。


「しかし、今のステータス差があると、レベル上げ難しいな。
 ティナに合わせると、ロックは攻撃が通らないし、接近戦だから危険だ。
 かといってロックに合わせるとティナがほとんどHP削っちまう。
 しばらくはロックが1人で戦うことになるかもな。」

「そうですね。
 ティナには申し訳ないけど…。」

「手伝ってあげたいけど、そうしたら逆に邪魔しちゃうもんね。
 しょうがないわ。」

「邪魔なんかじゃないよ!
 【慈愛の祈り】スキルでHP回復してもらえるし、いてくれるだけで嬉しい!」

「そう?うふふ。
 一緒に戦えるようになるの楽しみにしてるね。」

「仲いいな、お前ら。
 早く目的地に案内して、2人きりにしてやらねえとな。」

「なにいってるんですか!
 そういうんじゃないですよ!」

むっつりロックがテンパりながら、ティナからカイルに向き直る。


その時、視界の端になにかをとらえた。


木陰に身を潜め、こちらに手を向けているトカゲ!


「カイルさん!敵だ!!」


トカゲを指差しながら叫ぶロック。

カイルはトカゲを見た瞬間に指示を出す。


「伏せろ!」


ロックとティナはさっと地面に伏せた。


トカゲは…、なぜか動かない…。


「カイルさん!?
 どうすればいいですか!?」

「…ロック。
 急いであいつからスキル奪え!」


「は、はい!」

すくっと立ち上がり、トカゲに手を向けるロック。


「<スキルスナッチ>!」


『【麻痺針】スキルを奪いました。どのスキルと入れ替えますか?』


「【麻痺針】」?
 えーと、入れ替えは【誘惑】スキル!」


『【誘惑】スキルは完全に消滅しますが、よろしいですか?』


「いいよ!」


『【誘惑】スキルと【麻痺針】スキルを入れ替えました。』


「奪えました!」

「おし。」


そう言って、カイルは一瞬でトカゲとの間を詰め、強烈な一撃をくわらした。

トカゲはうずくまり、悶絶。

追撃で倒された。



「あのトカゲ、なんだったの?
 結局立ってただけのような…?」

「あいつは針トカゲってモンスターだ。
 けっこう珍しいやつだな。

 基本的にずっと物陰に隠れてて、不意打ちしてくるんだ。
 麻痺する細い針を飛ばしてくるんだが、その時しばらく動かなくなるんだよ。
 単体でいるから、こっちがグループだったら大した敵じゃない。

 今回は俺が麻痺したら、2人じゃ勝てなかったろうから、ちょっと焦ったぜ。」

「それがあいつのスキルだったんですね。」

「魔法じゃなさそうだから、スキルだと思ってな。
 どうだった?」

「見てみますね。」



++++++++++++

【麻痺針 ★★】・・10mの範囲内で麻痺の効果がある針を飛ばす。発射前後5秒間ずつは動けない。刺さった部位はしばらく痺れて動かなくなり、頭部に当たると全身が痺れる。魔力が3倍以上ある相手には効果がない。MPを15消費する。

++++++++++++



「説明長いな。
 えーと。」

「10m以内で発動して、全部で10秒間動けないのは致命的ね。」

「うん。
 でも、これは…。」

ロックは思いついたアイデアを2人に話した。

「ほう。
 試してみる価値はありそうだな。」





そして、目的地に到着。


カイルと別れ、【隠密】を使い単体でいる獲物を探し始めた。

成功するかドキドキのロック。


「いた…。」

見つけたのはイモリス。

一旦ティナの元へいき、段取りを決める。


「ティナは気付かれない場所に待機して、麻痺が失敗したら攻撃をお願いね。」


失敗したら、身動き取れないところをボコボコにされてしまう。

成功したら、ロック1人でも十分に倒せる。


「ロック…、気をつけてね。」


(優しいな~。たまにSなティナが出る時あるけど…。)


「うん。
 行ってくるね。

 <隠密>…。」


ロックは隠密を発動し、イモリスに近づく。

10mギリギリの距離をとる。



スキルを使うべきシチュエーション、タイミング、場所の選び方。

不安や恐怖、焦りを抑えて平常心になること。

スキルやレベルによるパワーアップだけでは培えないことがいっぱいある。

たくさんの壁を乗り越えて成長していかなければ、夢はきっと実現できない。



ロックは針を当てやすく、かつダメだった時の対応がすぐできる場所を選んだ。

そして、手のひらをヤモリスに向け、唱えた。


<麻痺針>


…身体が動かない。


これはもちろん想定内。

問題は、【隠密】が持続するかどうかだ。


スキルを発動した時点では、まだ効果が続いているようだ。


(…3、2、1、0!)


手のひらから目に見えないほど細い針が現れ、ヤモリスに向かって飛んでいった。


「…ッ!?」


ヤモリスはリスみたいな頭をしていて、頭部が大きい。

針は頭に刺さり、全身が動かなくなったようだ。


「よしっ!!」


ロックはすぐ飛び出して…


行こうと思ったら、身体が動かなかった!


(発射後も5秒動けなかったんだった…。)


長い5秒間。

これで敵が自由に動いていたらと思うと…、恐ろしい。


(…1、0!)


身体が自由になったと同時にイモリスへ攻撃をしかける。


「やっ!」

ザシュッ!

1撃…

2撃…

3撃目でイモリスは力尽きた。


(動いてないから、ほとんど急所攻撃にできた。
 【隠密】と【麻痺針】のコンボ、いけそうだ!)


「ロック!
 やったわね!!」

「うん!
 1段階目のテストは成功だ!」


問題は、次のテスト。

クリアできるのか。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

ダンジョン冒険者にラブコメはいらない(多分)~正体を隠して普通の生活を送る男子高生、実は最近注目の高ランク冒険者だった~

エース皇命
ファンタジー
 学校では正体を隠し、普通の男子高校生を演じている黒瀬才斗。実は仕事でダンジョンに潜っている、最近話題のAランク冒険者だった。  そんな黒瀬の通う高校に突如転校してきた白桃楓香。初対面なのにも関わらず、なぜかいきなり黒瀬に抱きつくという奇行に出る。 「才斗くん、これからよろしくお願いしますねっ」  なんと白桃は黒瀬の直属の部下として派遣された冒険者であり、以後、同じ家で生活を共にし、ダンジョンでの仕事も一緒にすることになるという。  これは、上級冒険者の黒瀬と、美少女転校生の純愛ラブコメディ――ではなく、ちゃんとしたダンジョン・ファンタジー(多分)。 ※小説家になろう、カクヨムでも連載しています。

不遇な死を迎えた召喚勇者、二度目の人生では魔王退治をスルーして、元の世界で気ままに生きる

六志麻あさ
ファンタジー
異世界に召喚され、魔王を倒して世界を救った少年、夏瀬彼方(なつせ・かなた)。 強大な力を持つ彼方を恐れた異世界の人々は、彼を追い立てる。彼方は不遇のうちに数十年を過ごし、老人となって死のうとしていた。 死の直前、現れた女神によって、彼方は二度目の人生を与えられる。異世界で得たチートはそのままに、現実世界の高校生として人生をやり直す彼方。 再び魔王に襲われる異世界を見捨て、彼方は勇者としてのチート能力を存分に使い、快適な生活を始める──。 ※小説家になろうからの転載です。なろう版の方が先行しています。 ※HOTランキング最高4位まで上がりました。ありがとうございます!

復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜

サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」 孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。 淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。 だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。 1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。 スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。 それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。 それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。 増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。 一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。 冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。 これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。

レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない

あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。

~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間スキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がり、英雄となる

静内燕
ファンタジー
【カクヨムコン最終選考進出】 【複数サイトでランキング入り】 追放された主人公フライがその能力を覚醒させ、成り上がりっていく物語 主人公フライ。 仲間たちがスキルを開花させ、パーティーがSランクまで昇華していく中、彼が与えられたスキルは「精霊王」という伝説上の生き物にしか対象にできない使用用途が限られた外れスキルだった。 フライはダンジョンの案内役や、料理、周囲の加護、荷物持ちなど、あらゆる雑用を喜んでこなしていた。 外れスキルの自分でも、仲間達の役に立てるからと。 しかしその奮闘ぶりは、恵まれたスキルを持つ仲間たちからは認められず、毎日のように不当な扱いを受ける日々。 そしてとうとうダンジョンの中でパーティーからの追放を宣告されてしまう。 「お前みたいなゴミの変わりはいくらでもいる」 最後のクエストのダンジョンの主は、今までと比較にならないほど強く、歯が立たない敵だった。 仲間たちは我先に逃亡、残ったのはフライ一人だけ。 そこでダンジョンの主は告げる、あなたのスキルを待っていた。と──。 そして不遇だったスキルがようやく開花し、最強の冒険者へとのし上がっていく。 一方、裏方で支えていたフライがいなくなったパーティーたちが没落していく物語。 イラスト 卯月凪沙様より

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

【完結】勇者PTから追放された空手家の俺、可愛い弟子たちと空手無双する。俺が抜けたあとの勇者たちが暴走? じゃあ、最後に俺が息の根をとめる

ともボン
ファンタジー
「ケンシン、てめえは今日限りでクビだ! このパーティーから出て行け!」  ある日、サポーターのケンシンは勇者のキースにそう言われて勇者パーティーをクビになってしまう。  そんなケンシンをクビにした理由は魔力が0の魔抜けだったことと、パーティーに何の恩恵も与えない意味不明なスキル持ちだったこと。  そしてケンシンが戦闘をしない空手家で無能だったからという理由だった。  ケンシンは理不尽だと思いながらも、勇者パーティーになってから人格が変わってしまったメンバーのことを哀れに思い、余計な言い訳をせずに大人しく追放された。  しかし、勇者であるキースたちは知らなかった。  自分たちがSランクの冒険者となり、国王から勇者パーティーとして認定された裏には、人知れずメンバーたちのために尽力していたケンシンの努力があったことに。  それだけではなく、実は縁の下の力持ち的存在だったケンシンを強引に追放したことで、キースたち勇者パーティーはこれまで味わったことのない屈辱と挫折、そして没落どころか究極の破滅にいたる。  一方のケンシンは勇者パーティーから追放されたことで自由の身になり、国の歴史を変えるほどの戦いで真の実力を発揮することにより英雄として成り上がっていく。

最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様

コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」  ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。  幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。  早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると―― 「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」  やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。  一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、 「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」  悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。  なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?  でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。  というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!

処理中です...