レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン

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第二章 美少女とはじめる、むっつりスケベの冒険

第41話 事件発生

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6日目の朝。

今日は何があるかと、ワクワクしながら御者・マークがやってきた。

3人はすっかり仲良くなっていた。

「マークさんごめん、今回は驚くような獲物じゃないよ。」

  サーペントマン×3匹
  ワニゲーターマン×4匹
  イキカエル×1匹

「…確かに…。

 い、いや!
 すごいんですけどね!?
 十分すごいんですが、今までのインパクトが大きすぎて…!」

「私たちも、マークさんの面白いリアクション見たかったんだけどね。」

「お、面白かったですか??
 普通にしてたつもりなんですが…。

 …ゴホン。
 すみません、昨日の報告しますね。

  ディラゴドス(歯のみ)×1匹:198,000×1=198,000ゴル
  イキカエル×1匹:1,200,000×1=1,200,000ゴル
  リザードイクシード×2匹:202,500×2=405,000ゴル
  合計:1,803,000ゴル

でした!」

「120万ゴル!?」

「昨日より上がってるわね。」

「はい!
 昨日イキカエルの素材が入荷したことがちょっとしたニュースになりまして。
 また入るかもしれないと、欲しい商人たちが確保するために高騰したんです。
 今回の分も高く売れると思いますよ。」
 
これで
 1日目:518,300ゴル
 2日目:658,200ゴル
 3日目:1,223,800ゴル
 4日目:1,803,000ゴル
 合計:4,203,300ゴル

「じゃあ今日の分で500万ゴルは超えるね!」

「町へ帰りましょうか。」

「500万は軽く超えると思います!
 
 ただ…。」

「ただ?」

「馬車に乗り切れないかもしれません…。」

「あ…。」

5日目狩った獲物が8体。

馬車はパンパンだ。

「じゃあ僕たちは歩いて行くよ!
 急ぎめで帰れば、半日もかからないと思うから。」


レベルの上がった冒険者のスピードは馬をも軽く超える。

しかし、何時間も走りっぱなしとなると流石に辛い。

長時間の移動は徒歩となるが、徒歩のスピードは常人とそこまで変わらない。

ただ、戦闘する可能性も少なく、町まで1日の距離であれば休み休み行けばそれなりに早く着く。


「すみません…。

 では、先に帰って買い取ってもらう準備しときますね!」

「いえいえ!
 運んでもらえてすっごく助かった!

 片付け終わったら、僕たちも帰るね!」



馬車が町へ向かってからちょっとして、2人も出発した。

「いよいよ出発できるわね。」

「うん!
 他の国に行くの初めてだな~。」

「楽しみね。」

「そうだね!」

(2人で国外旅行…。野宿の時は見張りがあるけど、旅の途中で何かあるかも…。)

たびたびスッキリしてはいるものの、年頃の男女2人がずっといるのはロックにとって大変。

(ヨムじいさん、こんな状況に僕は平常心でいられるようになるのでしょうか…。)


2人は早いペースで帰り道を戻っていた。


ふと前方に馬車が見える。

「あら?
 追いついちゃったかしら?」

「でも、なんか様子が変だ…。」

「急いで見に行きましょう。」


近づくと、馬車は横転してあちこち破壊されている。

「一体何が…。」


「マークさん!」

馬車の近くに、御者のマークが倒れている。

「ひどい傷だ…。
 どうしたの!?」

「す、すみません…。
 お2人の大事な荷物を…、う、…奪われてしまいました…。」

「誰が一体こんなことを!?」

「盗賊に囲まれて…。
 ま、守りきれませんでした…。
 すみません…。」

「マークさんは悪くないよ!
 ひとまず、町へ連れて行って治療してもらおう!」

「ええ!」

ロックがマークを担ぎ、揺らさないよう、でも急いで町まで戻った。




町に着いて、マークを担いでいるロックはギルドへ向かった。

ギルドなら回復魔法を使える人がいるはず。

ティナはゴルドを呼びに行った。


「すみません!
 誰か傷を治せる方いらっしゃいませんか!?」

ギルドに入るなりロックは大声でそう呼びかけた。


「どうしたんですか!?」

すぐに受付嬢のレイカがやってきた。

「盗賊に襲われて負傷してるんです!
 早く回復を!」

「ちょっと待ってくださいね!」

レイカは走って職員専用のドアの中に入っていった。

そして誰かを連れて帰ってきた。

「この人よ!
 回復をお願い!」

「わかった。
 <ハイヒール>。」

流血しており、移動中に意識がなくなっていたマークの血色がみるみるうちによくなった。

傷も綺麗に治っている。

「これで大丈夫だ。」

「よかった…。
 
 ありがとうございます!!」

「それでロックさん、何があったか教えてもらえますか?」


バンッ!


「おらも聞きでえ!」

ティナが呼びに行ったゴルドもやってきた。

「マーグ、大丈夫か!?」

ゴルドはマークに駆け寄る。

ゴルドの呼びかけでマークが目を覚ましたようだ。

「ご、ゴルドさん…。
 お、俺は…?」

「マークさん、気がついてよかった。
 盗賊に襲われて傷ついていたので、今アラートフのギルドで治療してもらったところです。」

「あ、ありがとうございます。
 …ゴルドさん、す、すみません。
 任せられた仕事、やり遂げられませんでした…。」

「おめえは悪ぐねえ。
 悪いのは盗賊のやろうどもだ。」

あの温和なゴルドが怒っている。

当然だ。

ロックとティナも自分たちの荷物だと忘れるくらいに怒っている。


「許さねえ。」
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