レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン

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第二章 美少女とはじめる、むっつりスケベの冒険

第65話 魔武器を求めて13

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「う~し、じゃあ早速本題に入るか。」

「お願いします!」

「まずロック、お前はもうS級冒険者でも上位のステータスだ。
 力を十分に引き出す武器や防具は、


 …今のところ作れない。」

「…それは素材がない、ということですか?」

「そうだ。
 ボスモンスターはおろか、S級モンスターの素材もなかなか手に入らない。
 
 まず、魔武器を作るには基本的にこの生息域にいるゴーレムの素材がベースとなる。
 Sランクのゴーレムは魔法系の素材になる。
 ミスリル以上の強さの剣を作るにはボスモンスターを倒すしかない。

 つまり、お前らが狩ってきたミスリルゴーレムの素材が今のところ最高素材、ということだな。」

「なるほど…。」

「そして、それをベースに特殊効果をつけていく。
 この特殊効果は複数つけることも可能だ。
 ボスモンスターの素材が手に入ったら、特殊効果を移すこともできる。」

「ではこの素材で作っていただけるんですか?」

ロックは前日に倒したミスリルゴーレムの素材であるミスリルを取り出した。

「いや、お前の力にあった武器じゃない以上、わざわざ新しく作る必要はない。
 約束通りくれてやる。
 もちろん、防具もな。」

そう言ってイシュメルは【アイテムボックス】から1対の武器と防具を取り出した。

妖艶な雰囲気すら感じる美しい直剣と、動きやすそうな軽鎧。

「俺がミスリルで作った剣と、ライトアーマーだ。
 剣には力20%UP効果、防具の方には体力20%UPの効果がある。
 ステータスUPの上限は20%だから、一応最高級品だ。
 買えば1つ最低2億はするぞ。」

「に、に、2億!?
 2つだと、よ…。」

「安くてそんくらいだな。」

「やっぱりお金払った方が…。
 分割で100回払いくらいならなんとか…。」

「いいって。
 後でお釣りがくるくらいの素材を持ってきてもらう予定だからな。

 あ、そのディランの素材で作った剣と革鎧くれよ。」

「剣は折れてしまいましたけど…。」

「大丈夫大丈夫。
 初めて見る特殊効果だからな。
 それと交換にしてやるよ。」

「わかりました。」

(ここまでお世話になりました。
 村の皆さん、ありがとうございます…。)

感謝の気持ちを剣と鎧にこめて、そしてイシュメルに手渡した。


「うん。
 次に…、ティナだな。」

「はい。」

「ティナにやる装備は…、




 …ない。」

「え!?」

声を上げたのはロック。

ティナの武器を求めてきたのに、自分だけもらってしまっては意味がない。


「最低でBランクにならないと…、ということですね。」

「そうだが…、Bランクで使える魔武器もたかがしれてる。
 完全な魔力特化タイプで魔法が使えないなら、魔源武器じゃないとこの先は戦えないだろうな。」

はっきりと告げられるティナ。

「そう…、ですか。」

「まあお前らが成長すればボスモンスターを倒すことは可能だろう。
 だが、ボスモンスターが倒されなくなったのは、魔族への対応で手が回らないだけじゃない。」

「…なんでですか?」

「ボスモンスターを討伐へ行くと、必ず魔族が参戦してくるらしい。
 そして、強力な敵の増援にほとんどの冒険者はやられてしまう。」

「ボスモンスターだけでも強敵なのに、魔族がきてしまったら勝ち目は薄いですよね…。」

「それだけじゃない。

 生き残ったやつの話によると、冒険者は殺されるんじゃなく、連れ去られていったらしい。」

「…それ、魔族の防衛戦の話でも同じことを聞きました。
 連れ去られたものは魔族になってしまうとも…。」

「だから、ボスモンスターを倒して魔源武器を手に入れたいなら、圧倒的な強さが必要だ。
 ボスモンスターを軽く倒せるくらいのな。」

「…。」

黙り込むティナ。

「ティナ、やろう。」

ロックがティナの両肩に手をかけて、真っ直ぐ見つめる。

「どっちにしてもそれぐらい強くならなきゃ僕らの目的は果たせない。」

ティナも見つめ返す。

「…そのつもりよ!
 いつまでも、何度も落ち込んでられないわ!」

「うん!
 頑張ろう!」

その様子を見てイシュメルがニヤリと笑う。

「やっぱりお前ら面白えな。
 いい素材が手に入ったら持ってこい!
 俺が最高の装備作ってやる!」

「イシュメルさん!!!
 ありがとうございます!!」


それからロックとティナは1日かけてモンスター生息域の入り口まで辿り着いた。

その後、馬車がないため4日かけてフォーレンの街まで帰った。


魔武器を求めて奔走したヴァラーハ坑道の冒険が、一旦終わりを迎えたのだった。
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