90 / 283
第三章 魔王の真実
第88話 スキル集め11
しおりを挟むロックが【威圧】に失敗して迷ってる隙に、エキドナたちは槍の[武技]で範囲攻撃。
「ぐっ!」
かなり強力だ。
直撃は免れたが、2体の攻撃が避けにくい絶妙な軌道で飛んできてHPを5分の1ほど削られた。
1体はそのまま範囲攻撃を続け、もう1体は距離を詰めてきた。
素早さや[武技]を発動していない攻撃は今までで1番強くはあるが、まだかなりロックと差があった。
(ステータスが高くて効かなかったわけじゃなさそうだ。)
この力量さなら今までのように2発攻撃をまともに当てたら倒せそうだ。
しかし、2体の連携によりなかなか直撃を与えられない。
「シャァア!!」
近接しているエキドナが単体攻撃の[武技]を放ってくる。
ロックの全力の攻撃と同等の威力だ。
しかし、素早さで大きく上回り、タメの必要な[武技]をロックは回避する。
そしてなかなか見せなかった隙を見せたエキドナへ一撃を入れる。
「シェァァア!」
「がっ…!」
後方にいたエキドナが今の一瞬に距離を詰め、強力な一撃を放ってきた。
咄嗟にガードをしたが完全には間に合わず、ダメージをくらう。
ロックのHPは残り3分の1ほど。
ドッ!
そこへティナからの援護が、エキドナに突き刺さる。
だが、仕留めるまでには至らない。
ティナの方に気を取られてくれれば隙ができる、と思ったロックだが、エキドナは矢を警戒しつつもロックに隙を見せない。
傷ついたエキドナは後方へ下がり、ダメージを受けていない方が今度は前線に出てくる。
ティナが援護してくれるが、なかなか当たらない。
しかし、相手もダメージや矢での攻撃で先程までのような連携はできない。
ロックが着実にダメージを与えていく。
しかし、ロックのダメージも大きい。
まともに槍の一撃をくらえば死んでしまうほどに減っていた。
もっとも、いざとなれば【起死回生】があるのだが。
その時。
ロックの身体が淡く光り、HPが回復した。
「ミラ!?」
ティナの制止を振り切り、回復魔法が届く範囲までミラが近づいてきていた。
エキドナからは当然見えており、すでに範囲攻撃を繰り出していた。
作戦になかったのでロックの頭にはなく、対応が間に合わなかった。
「キャァア!!」
レベル差が30以上あるモンスターの[武技]をまともにくらったミラ。
「ミラーー!!」
ポワッ。
今度はミラの身体が淡く光った。
ドンッ!!
そして衝撃波が発生した。
ロックやエキドナたちまで少し距離があったため、衝撃波の影響はほとんどなかった。
ミラの【起死回生】が発動した。
「[ミドルヒール]
[ミドルヒール]
[ミドルヒール]
[ミドルシールド]
[ミドルディクリース]
[パラライズ]
[チャーム]……」
魔法を連発するミラ。
【起死回生】でミラの魔法力は上がっているが、エキドナにデバフや状態異常はかからない。
しかし、衝撃波で怯んだ隙をロックは見逃さなかった。
ロックにも衝撃波は及んだが、知っていれば対応ができる。
HPや傷も回復し、動きが本来に戻った身体で斬撃を放つ。
「シャァ…。」
ロックの一撃をもらい、エキドナは倒れた。
後方にいたエキドナは同じく衝撃波でできた隙をティナの矢に狙われ、力尽きた。
『レベルが上がりました。』
************
名前:ロック
パーティ:ラフリンクス
Lv:52→55
HP:10058→10664
MP:1000→1063
体力:995→1060
力:992→1055
素早さ:1012→1068
器用さ:999→1057
魔力:989→1046
スキル:
【威圧 ★★★】
【成長促進(パッシブ) ★★★★★】
【起死回生 ★★★★】
【スキルギフト ★★★★★】
【スキルスナッチ ★★★★★ 】
************
************
名前:ティナ
パーティ:ラフリンクス
Lv:44→46
HP:3239→3378
MP:483→509
体力:335→349
力:310→325
素早さ:329→343
器用さ:398→418
魔力:514→538
スキル:
【名射手 ★★★】
【慈愛の祈り ★★★】
【全能力50%UP ★★★★】
************
************
名前:ミラ
パーティ:ラフリンクス
Lv:35→39
HP:3295→3685
MP:352→392
体力:319→356
力:276→308
素早さ:306→339
器用さ:246→273
魔力:358→398
スキル:
【起死回生 ★★★★】
【中級特殊魔法 ★★★】
【気配察知 ★★★】
【中級回復魔法 ★★★】
************
「ミラ!
どうしてあんな無茶を…!」
「…だって。
ロックが傷ついてるの見てられなかったんだもん…。
自分たちだけ安全なところにいるなんて耐えられない。」
「だからって!
ミラはまだレベルが低くいんだからしょうがないじゃないか!
実際スキルがなければ死んでたんだ!」
そこにティナが割って入る。
「…私も同じ気持ちよ。
私たちはあなたに守られる存在じゃない。
一緒に戦う仲間だわ。」
「でも、パーティには役割があるだろう?
みんなが前線で戦うパーティなんてないよ!」
「遠くからの攻撃手段がある私はともかく、大事な人が傷つけられるのをただ見ているミラにとって、さっきの戦いは後ろに隠れてるのが耐えられなかったのよ。」
「…それでも!
今の僕には世界を救うよりも、ティナとミラ、君たちの方が大事なんだ!
君たちが死んでしまうくらいなら、戦いたくない!」
「ロック…。」
その言葉に胸を打たれるティナとミラ。
ティナはロックを胸に引き寄せてそっと抱きしめる。
「ロック、ありがとう。
確かに私たちだけなら安全に安定した暮らしができる。
でもね、私たちには他にも大事な人たちができたわ。
その人たちや、その人たちの大切な人たちが魔族たちに殺される。
それでも、私たちは幸せに暮らせる?
ロックのさっきの言葉はとっても嬉しいけど、大事なことを見失わないで。」
(なに…?
どういうこと?
この柔らかさと香り…、…天国?
あ…、意識が…。)
ティナのおっぱいを顔全体で受け止めたロックは完全に大事なことを見失ってしまった。
そして、意識を手放した。
「あーあ…。
ダメだこりゃ。」
「ロック?」
むっつりスケベの冒険~おっぱいに包まれて、昇天する~
完
18
あなたにおすすめの小説
S級冒険者の子どもが進む道
干支猫
ファンタジー
【12/26完結】
とある小さな村、元冒険者の両親の下に生まれた子、ヨハン。
父親譲りの剣の才能に母親譲りの魔法の才能は両親の想定の遥か上をいく。
そうして王都の冒険者学校に入学を決め、出会った仲間と様々な学生生活を送っていった。
その中で魔族の存在にエルフの歴史を知る。そして魔王の復活を聞いた。
魔王とはいったい?
※感想に盛大なネタバレがあるので閲覧の際はご注意ください。
役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !
本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。
主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。
その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。
そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。
主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。
ハーレム要素はしばらくありません。
ハーレムキング
チドリ正明@不労所得発売中!!
ファンタジー
っ転生特典——ハーレムキング。
効果:対女の子特攻強制発動。誰もが目を奪われる肉体美と容姿を獲得。それなりに優れた話術を獲得。※ただし、女性を堕とすには努力が必要。
日本で事故死した大学2年生の青年(彼女いない歴=年齢)は、未練を抱えすぎたあまり神様からの転生特典として【ハーレムキング】を手に入れた。
青年は今日も女の子を口説き回る。
「ふははははっ! 君は美しい! 名前を教えてくれ!」
「変な人!」
※2025/6/6 完結。
お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。
幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』
電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。
龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。
そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。
盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。
当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。
今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。
ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。
ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ
「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」
全員の目と口が弧を描いたのが見えた。
一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。
作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌()
15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26
俺を凡の生産職だからと追放したS級パーティ、魔王が滅んで需要激減したけど大丈夫そ?〜誰でもダンジョン時代にクラフトスキルがバカ売れしてます~
風見 源一郎
ファンタジー
勇者が魔王を倒したことにより、強力な魔物が消滅。ダンジョン踏破の難易度が下がり、強力な武具さえあれば、誰でも魔石集めをしながら最奥のアイテムを取りに行けるようになった。かつてのS級パーティたちも護衛としての需要はあるもの、単価が高すぎて雇ってもらえず、値下げ合戦をせざるを得ない。そんな中、特殊能力や強い魔力を帯びた武具を作り出せる主人公のクラフトスキルは、誰からも求められるようになった。その後勇者がどうなったのかって? さぁ…
最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)
みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。
在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。
無限に進化を続けて最強に至る
お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。
※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。
改稿したので、しばらくしたら消します
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる