レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン

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第三章 魔王の真実

第114話 リッチェルに感じた違和感の正体

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最後に全てのスキルを明かしたのは、リッチェル。


(あの時感じた嫌な感じは、これのせいか…。)

彼のスキルを聞いて、ロックは言い知れぬ悪寒の正体を理解した。



++++++++++++

【スキルコピー ★★★★★】・・目視できる対象の★4以下のスキルをコピーできる。解除するまではそのスキルを保持できる。

【見切り ★★★】・・相手の攻撃動作を見切りやすくなる。

【経験値ボーナス ★★★】・・経験値を1.5倍得ることができる。対象をパーティ全体にすると1.2倍。

【ラッキースケベ ★】・・ラッキースケベが起こる。

++++++++++++



そう。


【ラッキースケベ】だ。

ミラのパンツが丸見えになったのは、スキルの効果だったのだ。

怒りに似た感情とともに、葛藤が生まれる。


(なんて…、なんて魅力的なスキルなんだ…!!)

むっつりスケベのロックにとって、そしてスキルを奪えてしまうロックにとって、そのスキルを奪いたいという誘惑は底知れない強さを持っていた。


そして、その葛藤をリッチェルもまた抱えていた。

公開した瞬間、みんなから【ラッキースケベ】を入れ替えるよう総口撃をくらったのだ。

戦力UPは間違いないし、何より女性陣からの口撃がすごかった。

ミラだけでなく、セアラも被害に遭っていたようだ。


しょうがないとわかりつつ、割り切れないリッチェル。

そして、その気持ちが痛いほどわかるため、何も言えないロック。

2人の間にくだらない絆が生まれかけていた。


まあ、結局入れ替えることになったのだが。


S級冒険者でユニークスキル持ちとはいえ、リッチェルの実力は正直微妙なものであった。

スキルコピーの対象は★4までであるため、汎用性はかなりあるが、強いスキルをコピーできなければ死にスキルとなってしまう。

先ほどロックのスキルを確認するため、現在は【スキルコピー】となっている。

【経験値ボーナス】によってギリギリS級冒険者のレベル70となった、というのが実情だ。


ちなみにリッチェルはソロ冒険者。

「男性冒険者とはパーティを組まない」

というのが信念(?)らしく、女性冒険者はラッキースケベと彼元来のキャラにより定着しないため、結果的にソロとなっている。

【経験値ボーナス】があるため、パーティを組むメリットはかなり大きいが、それを台無しにするリッチェルはある意味、規格外。


ただ、この作戦に対してリッチェルは大変有益な情報を提供してくれた。

それは、敵のスキル。

【スキルコピー】を持つリッチェルは幾度となく攻めてきたモンスター達のスキルを把握していた。

アルカトルのモンスター生息域「ゾシメズの山道」には合成獣が巣食っており、ステータス異常を中心とした弱体化のスキルを多用してくる。

その相手から的確に有効なスキルを奪い、それぞれに適したスキルを考えることができたのだ。


その後、ロックのスキルを打ち明けるA級冒険者を会議場に呼んだ。

打ち明けたと言っても、S級冒険者たちのように詳細にではない。

ロックのパーティメンバーのスキルにより、条件はあるがスキルを変化させることができる、ということにしてある。


スキルを入れ替えたA級冒険者たちは、後々S級に手が届くようになるだろう。

ロックがもしどこかの国に加担したとすれば、その国は圧倒的な戦力を有することができる。

全ての冒険者をランクアップさせることができるわけだから。

ヨムじいさんが言っていた、「世界を牛耳ること」も決して世迷いごとなどではないのだ。


会議が終わり、解散するタイミングでリッチェルが口を開いた。

「彼らの誠意に少しだけだが報いたい。
 この戦闘の間だけ、僕をパーティに加えてくれ。」

ティナとミラの顔がひきつる。

(【ラッキースケベ】を発動してくれるってことか…?)

むっつりのロックはリッチェルと【ラッキースケベ】が切り離せなくなっているため、正常な思考ができない。

「その理由はわかっていると思うが、【経験値ボーナス】だ。
 パーティに加えてもらうだけで、君たちの経験値も1.2倍になる。」

(あ、そっちね…。
 でも、一緒にいる時間が増えたら、僕にも恩恵が…!)

「あ、ありがたいです!
 ね?みんな?」

「「う、うーん。」」

ミラとティナは複雑そう…。

「ありがてえべ!
 ぜひ入っでもらおう!」

そこにラフリンクスに加入済みのゴルドが後押ししてくる。

「お、お願い、します?」

「できれば、あんまり近寄らないで欲しいわ…。」

何気にひどいティナ。

「そんなに照れなくても大丈夫だよ。
 さあ、僕が外までエスコートしよう。」

超絶ポジティブなリッチェルが立って近づこうとするが、ティナは距離をとるため颯爽と立ち上がろうとする。



パンっ!



ヒューーーン。



コンッ。



急に立ち上がった反動で、ティナのシャツのボタンが弾け飛び、リッチェルの額にぶつかった。

それはティナの暴力的なまでのお胸の仕業。

そして、リッチェルの【ラッキースケベ】の。


「……。」


ジロリとリッチェルを睨むティナ。

そして冷たく言い放った。


「近寄らないで。」


流石にヘコむリッチェルと、ティナの谷間を拝むことができ、心の中で彼にお礼をいうロックであった。
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