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第四章 世界中が敵
第165話 拘束された将軍
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「…将軍を呼び出せませんか?
同意があれば【真実の眼】を使えるんですよね?」
「どうやって同意を得るつもりじゃ?
あやつはあれでもS級じゃぞ?」
「彼のスキルを交渉材料に使います。」
「…そういえば、スキルを奪えるんじゃったな…。
返すこともできるのか?」
「できます。
ただ、複数奪った場合、返せるのは最後の1つになるでしょう。
…返すつもりはありませんが…。」
「…あやつは仮にも世界最大の国の将軍じゃ。
その立場の人間がスキルを失えば…、少なくともこの国の軍の混乱は免れん。
今の世界情勢から国間の関係性が変わることはあまりないかもしれんが…。」
「それでも…、もし自分の利益のために簡単に人を殺すような人物なのであれば、放置はできません。」
「そう…じゃな…。
真実を明らかにして、あとは皇帝に任せるとしよう。
あの方なら将軍が失脚したとしても、対応してくれるじゃろう。」
「皇帝もグルの可能性も…。」
「…もしそうだとしたら…、ワシの手には負えんな。
どうする?
触れてはいけない領域に踏み込もうとしてるぞ。
触れないという選択肢もある。」
「それは…、できません。
どちらにしても、すでに踏み込んじゃいけない領域にいます。
救わなきゃいけない仲間もいます。
進まなきゃ、また犠牲になる子どもも出てくる。
立ち止まる選択肢は、僕にはありません。」
「…よし、それじゃあ手伝おうじゃないか。
将軍の予定を確認させる。
…それにしても、お主どうやってここまできたんじゃ?」
「姿を隠せるスキルを使いました。」
「ふむ。
じゃあ、それを使っといてくれ。
他の者に見つかったら面倒じゃからな。」
「はい。
部屋のはじで待機しておきます。」
大臣の部下はすぐにやってきた。
「将軍に会議室にくるように伝えてくれ。
指名手配犯の件で至急直接知らせたいことがあるから、とな。」
「かしこまりました。」
部下は部屋を出ていき、しばらくして戻ってきた。
将軍は城内にいたようで、30分ほどで会議室にくると返事をしたそうだ。
「では移動しよう。
…聞こえとるよな?」
大臣とロックは会議室へ向かった。
会議室でしばらく待つと、将軍が護衛を引き連れてやってきた。
「待たせたな。」
「こっちこそ急に呼んですまんな。
重要なことだったもんでな。」
「あんたが俺に声をかけるなんて、珍しいこともあったもんだ。
何か裏があるかと思ったが…、大臣ともあろうものが1人で待ってるとはな。」
「ちと他のもんには聞かれたらまずいことなんじゃ。
…2人で話をしたい。
こんなジジイに警戒することもないじゃろう?」
「…いいだろう。」
将軍が合図をすると、護衛は会議室の外に出て行った。
「…それで、どんな話だ?」
「例の指名手配犯じゃが、居場所がわからんのじゃろ?」
「…ああ。
ブレスレットの信号が途絶えた。
わかったとしても、S級冒険者4人の上、龍化のスキルを持ってるから捕まえるのは難しいがな…。」
「その主犯格を捕まえられる情報があるんじゃ。」
「…にわかには信じがたいな。
詳しく聞かせてもらおうか。」
「実はな…、ここにいるんじゃ。」
「…なんだって?」
次の瞬間、ロックの分裂体2体が突如現れた。
「なっ……む…っ…。」
分裂体が声を出そうとした将軍の口を抑え、身体の自由を奪う。
そして、将軍もロック本体を認識できるようになった。
「先日はどうも。」
「探してた主犯格はこいつじゃろ?」
「むが…っ…!」
将軍は怒りを顕にするが、身動きが取れない。
「将軍、僕がスキルを奪えることはご存知ですね?
今からあなたのスキルを奪います。
ご存知かどうかわかりませんが、奪ったスキルは返すこともできます。
あなたが大臣の【真実の眼】に同意し、質問に答えてくれたらお返しします。」
「~~~~~~っ!!」
将軍は必死に抵抗している。
が、ロックは容赦せずにスキルを奪った。
「今1つのスキルを奪いました。
わかりますか?」
同意があれば【真実の眼】を使えるんですよね?」
「どうやって同意を得るつもりじゃ?
あやつはあれでもS級じゃぞ?」
「彼のスキルを交渉材料に使います。」
「…そういえば、スキルを奪えるんじゃったな…。
返すこともできるのか?」
「できます。
ただ、複数奪った場合、返せるのは最後の1つになるでしょう。
…返すつもりはありませんが…。」
「…あやつは仮にも世界最大の国の将軍じゃ。
その立場の人間がスキルを失えば…、少なくともこの国の軍の混乱は免れん。
今の世界情勢から国間の関係性が変わることはあまりないかもしれんが…。」
「それでも…、もし自分の利益のために簡単に人を殺すような人物なのであれば、放置はできません。」
「そう…じゃな…。
真実を明らかにして、あとは皇帝に任せるとしよう。
あの方なら将軍が失脚したとしても、対応してくれるじゃろう。」
「皇帝もグルの可能性も…。」
「…もしそうだとしたら…、ワシの手には負えんな。
どうする?
触れてはいけない領域に踏み込もうとしてるぞ。
触れないという選択肢もある。」
「それは…、できません。
どちらにしても、すでに踏み込んじゃいけない領域にいます。
救わなきゃいけない仲間もいます。
進まなきゃ、また犠牲になる子どもも出てくる。
立ち止まる選択肢は、僕にはありません。」
「…よし、それじゃあ手伝おうじゃないか。
将軍の予定を確認させる。
…それにしても、お主どうやってここまできたんじゃ?」
「姿を隠せるスキルを使いました。」
「ふむ。
じゃあ、それを使っといてくれ。
他の者に見つかったら面倒じゃからな。」
「はい。
部屋のはじで待機しておきます。」
大臣の部下はすぐにやってきた。
「将軍に会議室にくるように伝えてくれ。
指名手配犯の件で至急直接知らせたいことがあるから、とな。」
「かしこまりました。」
部下は部屋を出ていき、しばらくして戻ってきた。
将軍は城内にいたようで、30分ほどで会議室にくると返事をしたそうだ。
「では移動しよう。
…聞こえとるよな?」
大臣とロックは会議室へ向かった。
会議室でしばらく待つと、将軍が護衛を引き連れてやってきた。
「待たせたな。」
「こっちこそ急に呼んですまんな。
重要なことだったもんでな。」
「あんたが俺に声をかけるなんて、珍しいこともあったもんだ。
何か裏があるかと思ったが…、大臣ともあろうものが1人で待ってるとはな。」
「ちと他のもんには聞かれたらまずいことなんじゃ。
…2人で話をしたい。
こんなジジイに警戒することもないじゃろう?」
「…いいだろう。」
将軍が合図をすると、護衛は会議室の外に出て行った。
「…それで、どんな話だ?」
「例の指名手配犯じゃが、居場所がわからんのじゃろ?」
「…ああ。
ブレスレットの信号が途絶えた。
わかったとしても、S級冒険者4人の上、龍化のスキルを持ってるから捕まえるのは難しいがな…。」
「その主犯格を捕まえられる情報があるんじゃ。」
「…にわかには信じがたいな。
詳しく聞かせてもらおうか。」
「実はな…、ここにいるんじゃ。」
「…なんだって?」
次の瞬間、ロックの分裂体2体が突如現れた。
「なっ……む…っ…。」
分裂体が声を出そうとした将軍の口を抑え、身体の自由を奪う。
そして、将軍もロック本体を認識できるようになった。
「先日はどうも。」
「探してた主犯格はこいつじゃろ?」
「むが…っ…!」
将軍は怒りを顕にするが、身動きが取れない。
「将軍、僕がスキルを奪えることはご存知ですね?
今からあなたのスキルを奪います。
ご存知かどうかわかりませんが、奪ったスキルは返すこともできます。
あなたが大臣の【真実の眼】に同意し、質問に答えてくれたらお返しします。」
「~~~~~~っ!!」
将軍は必死に抵抗している。
が、ロックは容赦せずにスキルを奪った。
「今1つのスキルを奪いました。
わかりますか?」
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