レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン

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第五章 最後の決戦

第252話 S級冒険者2人への説得

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「…俺は[武技]を使ってないぞ?」

「…はぁ?」

ユニークスキルの[武技]と同等の攻撃をスキルなしで繰り出した?

何を言ってるかわからないとばかりに、セレスタンの口から間抜けな声が漏れる。


「…まあこれも見せんとわからんだろう。
 ……絶対に避けるんだぞ?」

そう言うと、今度はアッサールが斧に力を込めた。

そして、【斧神】による[武技]を放つ。


「ま、待て!
 アッサール!!」

ギルマスの制止も間に合わず、斧を振り下ろすアッサール。


「…!!
 や、やb……」


その威力はセレスタンが2度死んでもお釣りがくるほど。

思わず体が硬直してしまったセレスタンは、避けることもできなかった。


…ッ…ドンッ……!!!


はじめから当てるつもりのなかった斧の一撃は、地面に大きなクレーターを作り出した。

その衝撃でセレスタンは吹き飛んだ。


「っぐぅ……!!」


吹き飛んでから、その威力を見て絶句する。


「…わかったか?」

数秒後、我に返るセレスタン。

「こ、この威力…。
 これじゃまるでぇ……。」

「…そうだ。
 斧術のユニークスキル【斧神】だ。」

「なぁ!?」

「なに!?」

セレスタンと共に、【斧神】について初耳だったギルマスも驚きの声をあげる。

「ゆ、ユニークスキルは奪えないんじゃぁ!?」

「…相手の同意をもらうか、倒せば奪えるらしい。」

「そのスキルは、『凶斧のリベリウス』が使っていたはず…。
 行方がわからなくなったと聞いていたが、やはり奴も魔族に…!?」

「…いや、奴は自分の意思で魔王側についていた…。
 愚かな奴だった…。」

「じ、自分の意思で!?
 …なんて…ことだ…。
 だが…、倒したんだな?」

「…ああ。
 素晴らしい人が犠牲に…なったがな…。」

沈痛な表情を見せるアッサールに、セレスタンとギルマスも口をつぐんだ。

「…この戦いは、ロックたちを助けるためのものではない。
 自分たちの大事な人を…未来を守るための戦いだ…。
 戦える力を授かったのは、この時のためだと思う。
 その役目から…、逃げることはしたくない。」

「自分の大事な…もんかぁ……。」

「セレスタン…、お前が大事に思っているのは、正義感に溢れたフィデルアだろう?
 奴が変わっていなければ、俺も敵対なんてしたくない。
 だがもし俺たちが知ってるフィデルアじゃなくなっていたら?
 今目の当たりにしたように、俺たちの常識だと思ってたことが崩れてきている。
 過去の常識に囚われていたら、本当に大事なことを見落としてしまうぞ。
 …正直、俺も頭の中がこんがらがってるが、それでも、大事なことは変わらん。
 俺は、力なき人々を守る。
 そのためにギルドマスターをやってきた。
 …お前はどうだ?」

「…俺様…は……。」

「しばらく考えてみてくれ…。
 今クローディアも迎えに行ってる。
 合流したら、また話そう。」




翌日の夕方、フォーレンからロヴェルたちが帰ってきた。

フォーレンのS級冒険者クローディアを連れて。

そこで改めてセレスタンを呼び、話し合いの場を設けた。

クローディアにはロヴェルたちが説明をしていたが、当然クローディアは困惑。

別の大陸の将軍がわざわざ来ていること、アルカトルのギルマスから正式な緊急招集の通達を受け取ったことで、只事ではないと招集には応じた。

だが、改めて話を聞いても理解ができなかった。


「何度聞いても、わかりかねますわ。
 いくらなんでも…、突拍子のない話しすぎて…。」

「まあ、あいつらと一緒に戦わなければ、俺もそうだっただろうな…。
 非常識なことを自分が体験できたからこそ、なんとか信じられてるというか…。
 な、セレスタン?」

「……。」

その問いかけに、セレスタンは答えない。

アッサールとの戦いから、ずっと葛藤している。


今まで生きてきた中での常識を壊し、さらに指名手配犯に協力しろという話をすぐに受け入れることはできないだろう。

だが、時間はそんなにない。

アッサールやロヴェルに焦りが生まれてきていた。


その時。


「大変です!!」


会議室の扉がまた勢いよく開かれた。


「おい!
 今は最重要の機密案件を話しているところだぞ!?」

「すみません!!
 ですが、バルキアで大変なことが…!」

「え!?
 ギルドマスター、聞きましょう!」

ロヴェルが先を促す。

「あ、ああ!
 どうしたんだ!?」

「バルキア首都に『エシアドの崖』『メインシャの洞窟』『バルキア大森林』からモンスターの侵攻が!!」
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