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闇と光の姉妹
ヤミVSバグスター
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あぶない!
ヤミに距離をつめられたバグスターが牙で威嚇した。
電子麻酔銃という武器を手離してしまったヤミは右腕のシールドを起動させた。そしてダンスのステップを応用して攻撃を素早く交わした。
こんな風にバグスターの威嚇攻撃を数度に渡り回避しながら、ヤミは隙を探った。
電子麻酔銃を取り返すという選択肢はなさそうだ。
ヒカリはいざというときのためにガンホルスターに手を当てながら、その様子を見守る。
「隙あり」
ヤミはバグスターの右側にするりと回り込んだ。そして素早く左手でバグスターの胴体にタッチした。
ヒカリは「うまくいっておくれ」と内心で願掛けしていた。
タッチされた瞬間、バグスターはぎざぎざの牙をむきだしにした大顎を半開きにしながら振り向こうとしたが、燃料切れの戦車みたくすぐ動きが鈍くなった。
びかびかっとフラッシュしながらエネルギーはバグスターからヤミのダークマター手に吸収された。
エネルギーがヤミのダークマター手に吸収されていくときの感覚はほぼ無感覚に近かった。あの災害のときと同様、ヤミは自分の左腕で起こっていることを他人事のようにながめた。
ヒカリはと言えば目の前の超常現象に目をぱちくりさせていた。
エネルギーを吸収されたバグスターの体はみるみるうちに小さくなる。
目からは凶暴さが失われ、きゅうと鳴き出した。第三の目は開いたままたが、なぜか攻撃的な様子はない。
「ヤミちゃんのダークマター手にバグスターのエネルギーを吸収するチカラがあったなんて……。しかしダークマターについて人類は知らないことだらけ……。ヤミちゃんのためにもダークマター研究がしたいところだわ」
科学者でもあるヒカリは表情を強張らせる。ダークマター手がヤミに与える影響は誰にもわからない。妹のヤミがダークマター手になってしまったことをヒカリは誰よりも気にかけているのである。
そんな気持ちを知ってか知らずかヤミはすっかり大人しくなったバグスターを指差してはしゃぎだした。
「ちっちゃいバグスター!かわいい!」
ヤミはさっきまで暴れていたその怪獣のミニチュアを抱き上げた。"ちっちゃいバグスター"は抵抗する様子もなく、きゅうと鳴いている。
「その子には、いちおう用意してきた捕獲用のカゴに入っていてもらいましょう。人目についたら混乱を招くかもしれないから」
「そうだお姉ちゃん、本部に帰るまえにピッツァでも食べていこうよ。だいぶ時間余ってるよ」
そうだね、とヒカリは答えた。
そして二人はバンに乗り込んだ。
「こんな地球から離れた惑星にバグスターが出るなんてね。ネットワークもつながってないのに…」
バグスターはかつて人工知的サイバー生命体の実験中に産み出された副産物で、大抵は害獣として電子的に処理されていた。
地球から脱出して惑星ナキにたどり着いた人々は、バグスターが発生しないコンピュータネットワークを開発したはずだった。
ヤミに距離をつめられたバグスターが牙で威嚇した。
電子麻酔銃という武器を手離してしまったヤミは右腕のシールドを起動させた。そしてダンスのステップを応用して攻撃を素早く交わした。
こんな風にバグスターの威嚇攻撃を数度に渡り回避しながら、ヤミは隙を探った。
電子麻酔銃を取り返すという選択肢はなさそうだ。
ヒカリはいざというときのためにガンホルスターに手を当てながら、その様子を見守る。
「隙あり」
ヤミはバグスターの右側にするりと回り込んだ。そして素早く左手でバグスターの胴体にタッチした。
ヒカリは「うまくいっておくれ」と内心で願掛けしていた。
タッチされた瞬間、バグスターはぎざぎざの牙をむきだしにした大顎を半開きにしながら振り向こうとしたが、燃料切れの戦車みたくすぐ動きが鈍くなった。
びかびかっとフラッシュしながらエネルギーはバグスターからヤミのダークマター手に吸収された。
エネルギーがヤミのダークマター手に吸収されていくときの感覚はほぼ無感覚に近かった。あの災害のときと同様、ヤミは自分の左腕で起こっていることを他人事のようにながめた。
ヒカリはと言えば目の前の超常現象に目をぱちくりさせていた。
エネルギーを吸収されたバグスターの体はみるみるうちに小さくなる。
目からは凶暴さが失われ、きゅうと鳴き出した。第三の目は開いたままたが、なぜか攻撃的な様子はない。
「ヤミちゃんのダークマター手にバグスターのエネルギーを吸収するチカラがあったなんて……。しかしダークマターについて人類は知らないことだらけ……。ヤミちゃんのためにもダークマター研究がしたいところだわ」
科学者でもあるヒカリは表情を強張らせる。ダークマター手がヤミに与える影響は誰にもわからない。妹のヤミがダークマター手になってしまったことをヒカリは誰よりも気にかけているのである。
そんな気持ちを知ってか知らずかヤミはすっかり大人しくなったバグスターを指差してはしゃぎだした。
「ちっちゃいバグスター!かわいい!」
ヤミはさっきまで暴れていたその怪獣のミニチュアを抱き上げた。"ちっちゃいバグスター"は抵抗する様子もなく、きゅうと鳴いている。
「その子には、いちおう用意してきた捕獲用のカゴに入っていてもらいましょう。人目についたら混乱を招くかもしれないから」
「そうだお姉ちゃん、本部に帰るまえにピッツァでも食べていこうよ。だいぶ時間余ってるよ」
そうだね、とヒカリは答えた。
そして二人はバンに乗り込んだ。
「こんな地球から離れた惑星にバグスターが出るなんてね。ネットワークもつながってないのに…」
バグスターはかつて人工知的サイバー生命体の実験中に産み出された副産物で、大抵は害獣として電子的に処理されていた。
地球から脱出して惑星ナキにたどり着いた人々は、バグスターが発生しないコンピュータネットワークを開発したはずだった。
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