さまざまな時評 ~映画からニュースまで

千田 陽斗(せんだ はると)

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時評Ⅰ

The fix(邦題・コメディアンの世直し改造計画) ネットフリックス

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 皆さんはNetflixに登録していますでしょうか?
 Netflixは映像コンテンツ配信サービスのなかでもクールで、オリジナルコンテンツが充実している印象があります。
 もう、どれを見たらいいのか迷いに迷って予告編をザッピング的にいろいろ見てしまう感じですね。
 そんなNetflix番組で僕がはまったのが『The fix(邦題・コメディアンの世直し改造計画)』です。
 タイトルからもわかるように社会派の側面を持った番組です。
 僕の作品から察していただけると幸いですが、僕も社会派的なネタが好きなんですね。
 肩をいからせて社会正義を叫ぶより、ユーモアを忘れずに世の中を笑いながら、できればゆるやかに変えて行けたらなんて気分もあります。
 分極化と言って、世論が二分されてしまう事態がアメリカ(トランプ現象)やイギリス(ブレグジット)などで起こっていますね。
 これは日本でも例外ではなくて、先鋭化したような政治的意見がぶつかったり、あるいは日常でもハラスメントや煽り運転など他者性を欠くがゆえの問題があったりします。
 これはストレスフルな状態。人々は正しさを希求することさえ恐れ萎縮しているように見えます。
 The FIXに僕がハマるのは、この分極化した断崖絶壁みたいな状態において、こうすればソフトランディングしていけそうだなと思わせてくれるからなのかもしれません。
 The FIXのレギュラー出演者は、イギリスのコメディアンであるジミー・カー、カナダ出身のキャサリン・ライアン、黒人のDL・フューリー、同じく黒人でデータ担当のモナ・チャラビ。
 その他に入れ替わりでユダヤ系やアメリカ南部出身のコメディアンが出ます。
 このルーツの多用さのなかで、バランスを保ちながらも、自分のルーツをネタにできる出演者たちのクレバーさと感情能力は素晴らしいです。
 SNSや男女間の賃金格差、オピオイド(中毒性の高い鎮痛剤)などアメリカの社会問題をときにクリティカルに、ときにジョークで外しながら、コメディアン流に議論して、解決策を提示するという流れです。
 その解決策もジョークまじりながら確信をついていて、例えば銃社会問題には「全アメリカ人が全米ライフル協会に入る」とかAIのシンギュラリティ問題には「AIにポルノを」とか「AIをバカ化させる」なんてアイデアが出ます。
 アメリカで銃を推進しているのは人口の何%かの人しか加入していない「全米ライフル協会」なのですが、これを全アメリカ人でハック、右翼的な人だけでなくリベラリストやあらゆる人種も会員になれば、多様性が生まれ自ずと多くのアメリカ人が望むように変わるだろうとのこと。
 日本でも一部では、こんな自由闊達に社会を語れる番組があるし、あるいはあったのですが、そんな系譜が続くことを強く望みます。
 僕たちは社会のありように翻弄されますが、社会の何に翻弄されているのか見えないのはとても不自由なことです。
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